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#小説
原田マハさん「群青 The Color of Life」(『常設展示室』)覚え書き
「朝、目覚めると、世界が窮屈になっていた」
原田マハさんの短編集『常設展示室』の冒頭におかれた『群青』は、このようなカフカの『変身』を思わせる文章で始まる。
主人公は、メトロポリタン美術館(メット)で働く日本人キュレーター美青(みさお)。
子供時代からの夢の場所だったメットで働く彼女を、突如襲った異変―――その正体は、緑内障だった。
そんな美青が、病院で出会う少女パメラ。彼女
甘い毒~米沢穂信さん、『儚い羊たちの祝宴』読了(ネタバレなし)
果物を盛り付けた籠か。
それとも、美しい石を連ねたネックレスかブレスレットか。
米澤穂信さんの『儚い羊たちの祝宴』を、例えるならば後者の方が良いかもしれない。
連作短編という形式を持つのが一つ。
個々の話は独立して読むこともできるが、「バベルの会」という読書会が透明な糸(テグス)となって、緩やかに繋がっている。
「バベルの会」とは、夢想家のお嬢様たちが集まる読書サークルだ。