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    ANITABIは「アニメーター」をテーマにしたドキュメンタリー映画を制作するためのクラウドファンディングを実施しています。このマガジンでは「アニメーター」をテーマにした記事を連載しています。

記事一覧

アニメーター志望におすすめのアニメ②:MUNTO

アニメーター志望におすすめのアニメとしてMUNTOシリーズが挙げられます。 『MUNTO』は京都アニメーションが2003年より公開を開始した自主制作プロジェクトで、京アニ自ら…

ANITABI
12時間前
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アニメーター志望におすすめのアニメ①:ほしのこえ

今回からはアニメーター志望におすすめのアニメを私見たっぷりに紹介していきます。 その第1作目は『ほしのこえ』です。 現在、日本で最も有名なアニメ監督は宮崎駿だと…

ANITABI
1日前
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アニメーターの個人戦略⑦:AR・VR業界に参入する

今クリエイティブ業界で注目を集めているのは、AR・VRなのではないでしょうか。なぜなら、ついにAppleがVRデバイスを発表し、それが市場に出回るようになったからです。日…

ANITABI
2日前
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アニメーターの個人戦略⑥:3DCGクリエイターとの兼業

アニメーターの個人戦略として、3DCGクリエイターとの兼業が挙げられます。 手描きアニメーターの収入が低い一方で、3DCGクリエイターはその限りではありません。 3DCGク…

ANITABI
3日前
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アニメーターの個人戦略⑤:アートアニメーションの世界に入る

アニメーターの個人戦略として、アートアニメーションの世界に入ることが挙げられます。 そもそもアートアニメーションとは一体なんなのでしょうか。アートアニメーション…

ANITABI
4日前

アニメーターの個人戦略④:海外に出る

アニメーターの個人戦略として、海外に出ることが挙げられます。 アニメーターに限った話ではなく、活躍の場を国内から世界に広げることは、その分だけ顧客が増えることに…

ANITABI
5日前
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アニメーターの個人戦略③:ハイパーメディアクリエイター

世界的に活躍するアニメ監督の多くは、画をある程度描けるだけではなく、脚本を書いたり、3DCGを制作したり、映像を編集したり、音楽を作れたりします。メディアの枠組みを…

ANITABI
6日前
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アニメーターの個人戦略②:監督になる

アニメーターの個人戦略として、まず考えられるのが、監督になることです。 『アニメーション制作者実態調査2023』によると、動画マンの平均年齢が31.2歳、原画マンの平均…

ANITABI
7日前
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アニメーターの個人戦略①:業界のせいにせず、しっかり稼ぐということ

前回までは、業界全体としてアニメーターの賃金を高める方法を解説してきました。 本記事からは、アニメーター個人の立ち回りについて解説していきます。 アニメ業界関係…

ANITABI
8日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法⑦: 文化的側面から見るNFTの懸念点

前回は、アニメーターの低賃金を解決する手段としてNFTを紹介しました。 本記事では、文化的側面から見るNFTの懸念点を解説していきます。 NFTはポンジースキームになり…

ANITABI
9日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法⑥: NFT

※この記事を読んでいる方は、クリエイターエコノミーについて一定の知見があると見てますので、NFTをゼロから解説するのは避けます。 以前、私が購読している中島聡(Win…

ANITABI
10日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法⑤:制作から製作への転換

アニメーターの低賃金を解決している企業の代表例として、京都アニメーションが挙げられます。京アニが取り組んだことを簡単に言うと「アニメ制作会社」から「アニメ製作会…

ANITABI
11日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法④:アニメスタジオの直営化

結局のところ、アニメーターの低賃金を解決するには、アニメファンからアニメーターに対して、直接お金が入る仕組みを作らなければなりません。この間に中間業者が入れば入…

ANITABI
12日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法③:クラウドファンディング

アニメーターの低賃金を解決する方法としてクラウドファンディングが挙げられます。一般的にアニメビジネスは、アニメ作品そのもので稼ぐわけではありません。アニメはプロ…

ANITABI
13日前
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アニメーターの低賃金を解決する方法②:労働基準法と下請法の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、前回は労働組合の強化を取り上げました。 今回は、法律面の強化について取り上げます。 結論から言うと、労働基準法と下請法…

ANITABI
2週間前
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アニメーターの低賃金を解決する方法①:労働組合の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、挙げられるのが労働組合の強化です。 日本の代表的な労働組合としては、東映動画労働組合が挙げられますが、中小のアニメ制作…

ANITABI
2週間前
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アニメーター志望におすすめのアニメ②:MUNTO

アニメーター志望におすすめのアニメ②:MUNTO

アニメーター志望におすすめのアニメとしてMUNTOシリーズが挙げられます。

『MUNTO』は京都アニメーションが2003年より公開を開始した自主制作プロジェクトで、京アニ自らが「京アニの原点」として本作を据えています。
京アニ作品の中では知名度が最も低く、実際に視聴したことがある人も少ないかもしれません。しかし本作を視聴することは、京アニが一体何を信じていて、アニメーションの価値がどこにあるのか

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アニメーター志望におすすめのアニメ①:ほしのこえ

アニメーター志望におすすめのアニメ①:ほしのこえ

今回からはアニメーター志望におすすめのアニメを私見たっぷりに紹介していきます。

その第1作目は『ほしのこえ』です。

現在、日本で最も有名なアニメ監督は宮崎駿だと思いますが、その次に来るのは新海誠なのではないでしょうか。

『君の名は。』のメガヒットをきっかけに、『天気の子』や『すずめの戸締まり』では安定した興行収入を叩き出しています。今となっては、日本のアニメ映画界におけるキーパーソンになりつ

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アニメーターの個人戦略⑦:AR・VR業界に参入する

アニメーターの個人戦略⑦:AR・VR業界に参入する

今クリエイティブ業界で注目を集めているのは、AR・VRなのではないでしょうか。なぜなら、ついにAppleがVRデバイスを発表し、それが市場に出回るようになったからです。日本でも2024年6月末からApple Vision Proが販売開始されます。

初代マッキントッシュやiPhoneが登場した頃のように、まだ多くの人は、AppleVision Proの使い方を知らないのだと思われます。価格が高い

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アニメーターの個人戦略⑥:3DCGクリエイターとの兼業

アニメーターの個人戦略⑥:3DCGクリエイターとの兼業

アニメーターの個人戦略として、3DCGクリエイターとの兼業が挙げられます。

手描きアニメーターの収入が低い一方で、3DCGクリエイターはその限りではありません。

3DCGクリエイターとは一言で言っても、アニメーションを担当するアニメーター、立体的に3DCGを組み立てるモデラー、形状を加工するテクスチャーなど、様々な職種が挙げられます。
ただし、アプリケーションの進化に伴い、これらの業務は垂直統

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アニメーターの個人戦略⑤:アートアニメーションの世界に入る

アニメーターの個人戦略⑤:アートアニメーションの世界に入る

アニメーターの個人戦略として、アートアニメーションの世界に入ることが挙げられます。

そもそもアートアニメーションとは一体なんなのでしょうか。アートアニメーションは、簡単に言えば「芸術性の高いアニメーション作品」なのですが、芸術の「未来や社会を人間が知覚できる形にする」という機能性を考えると、アートアニメーションは、アニメーションの未来を表していると私は考えます。

そのため、アートアニメーション

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アニメーターの個人戦略④:海外に出る

アニメーターの個人戦略④:海外に出る

アニメーターの個人戦略として、海外に出ることが挙げられます。

アニメーターに限った話ではなく、活躍の場を国内から世界に広げることは、その分だけ顧客が増えることに繋がるので、結果として多くの人に作品を届けられるようになります。

また、海外のクリエイティブ業界は、日本の手描きアニメの可能性に期待している場合が多いです。日本式アニメーターとして海外に出て、コマーシャルアニメーションを掴み取れれば、日

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アニメーターの個人戦略③:ハイパーメディアクリエイター

アニメーターの個人戦略③:ハイパーメディアクリエイター

世界的に活躍するアニメ監督の多くは、画をある程度描けるだけではなく、脚本を書いたり、3DCGを制作したり、映像を編集したり、音楽を作れたりします。メディアの枠組みを超えて、クリエイティビティを発揮しているのです。

マルチな才能は、一見すると特別な人にのみ与えられたもののように感じられるかもしれません。しかし、実態は異なります。アプリケーションとテクノロジーの進化により、誰もが70点ぐらいの作品を

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アニメーターの個人戦略②:監督になる

アニメーターの個人戦略②:監督になる

アニメーターの個人戦略として、まず考えられるのが、監督になることです。

『アニメーション制作者実態調査2023』によると、動画マンの平均年齢が31.2歳、原画マンの平均年齢が40.4歳なのに対し、監督の平均年齢は61.6歳です。以上のことから、アニメ制作の現場は、数字だけで見れば極めて年功序列制だと言えます。

もちろん、歳を重ねれば重ねるほど、経験値とスキルが高まり、その結果として年配者が監督

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アニメーターの個人戦略①:業界のせいにせず、しっかり稼ぐということ

アニメーターの個人戦略①:業界のせいにせず、しっかり稼ぐということ

前回までは、業界全体としてアニメーターの賃金を高める方法を解説してきました。

本記事からは、アニメーター個人の立ち回りについて解説していきます。

アニメ業界関係者の意見を目にすると、よく「アニメ業界は構造が問題」だとします。たしかに、アニメ業界は非常に複雑な構造になっていて、それが多くの障害をもたらしているかもしれません。

しかし、アニメ業界に限らず、上手くいかない理由を社会のせいにしてして

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アニメーターの低賃金を解決する方法⑦: 文化的側面から見るNFTの懸念点

アニメーターの低賃金を解決する方法⑦: 文化的側面から見るNFTの懸念点

前回は、アニメーターの低賃金を解決する手段としてNFTを紹介しました。

本記事では、文化的側面から見るNFTの懸念点を解説していきます。

NFTはポンジースキームになりやすいまず第一に、 NFTは現状としてポンジースキームの側面を持ちます。

ポンジースキームとは、詐欺師が資金を調達するけれども、それを運用しない投資詐欺の一種です。実際、NFTで資金調達した後に、一向にサービスを開発しない事案

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アニメーターの低賃金を解決する方法⑥: NFT

アニメーターの低賃金を解決する方法⑥: NFT

※この記事を読んでいる方は、クリエイターエコノミーについて一定の知見があると見てますので、NFTをゼロから解説するのは避けます。

以前、私が購読している中島聡(Windows95の開発リーダー)のメルマガで、こんなQ&Aがありました。

つまり、原画マンや動画マンが作成した「画」をNFTにすることで、それをアニメーターの収入に繋げようというアイデアです。

このQ&Aにもある通り、NFTだけでア

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アニメーターの低賃金を解決する方法⑤:制作から製作への転換

アニメーターの低賃金を解決する方法⑤:制作から製作への転換

アニメーターの低賃金を解決している企業の代表例として、京都アニメーションが挙げられます。京アニが取り組んだことを簡単に言うと「アニメ制作会社」から「アニメ製作会社」に転換することができたということです。

アニメ業界における「制作」とは、まさに「アニメ作品を制作する」ということです。一方の「製作」は、アニメ作品を作るための資金調達から始まり、アニメビジネスそのものを手掛けることを指します。

アニ

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アニメーターの低賃金を解決する方法④:アニメスタジオの直営化

アニメーターの低賃金を解決する方法④:アニメスタジオの直営化

結局のところ、アニメーターの低賃金を解決するには、アニメファンからアニメーターに対して、直接お金が入る仕組みを作らなければなりません。この間に中間業者が入れば入るほど、アニメーターの利益が少なくなってしまいます。逆に言えば、中間業者を取り除くことができれば、アニメーターの利益が増える可能性があるということです。そこで考えられるアイディアが、アニメスタジオの直営化です。

一般的に、アニメ制作の現場

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アニメーターの低賃金を解決する方法③:クラウドファンディング

アニメーターの低賃金を解決する方法③:クラウドファンディング

アニメーターの低賃金を解決する方法としてクラウドファンディングが挙げられます。一般的にアニメビジネスは、アニメ作品そのもので稼ぐわけではありません。アニメはプロモーション手段の1つであり、その後のグッズ販売やイベントなどの二次収入によってビジネスが成立っています。

そのため、アニメ制作会社にはあまり利益が入らず、グッズや音楽を制作する会社に利益が回る仕組みになっているのです。アニメーターの賃金を

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アニメーターの低賃金を解決する方法②:労働基準法と下請法の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法②:労働基準法と下請法の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、前回は労働組合の強化を取り上げました。

今回は、法律面の強化について取り上げます。

結論から言うと、労働基準法と下請法を強化するのです。

以前の記事でも紹介した通り、多くのアニメーターで労働基準法や下請法が適用されず、それが原因で劣悪な労働環境となっている背景があります。そこでアニメ業界に対する特別措置として「作画業のフリーランスアニメーターには特例

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アニメーターの低賃金を解決する方法①:労働組合の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法①:労働組合の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、挙げられるのが労働組合の強化です。

日本の代表的な労働組合としては、東映動画労働組合が挙げられますが、中小のアニメ制作会社で労働組合を結成しても、賃金交渉力を高めることができない現状があります。

それに加えて、業界全体の一貫した労働組合が結成されていないため、賃金交渉は各フリーランスのアニメーターに委ねる形に。結果として、労働基準法で定められている労働

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