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dアニメストアがダメで、U-NEXTが最強な理由

皆さんは、アニメ配信サービスは何を利用していますか?

「アニメ 配信」と調べると、表示されるのは以下の動画配信サービスです。

  • dアニメストア

  • U-NEXT

  • Netflix

  • ABEMA

  • Amazon Prime

  • Hulu

  • DMM TV

などなど、実に様々な動画配信サービスが、アニメ作品を配信しています。

その中で、もっとも多くのアニメオタクの支持を集めていると言っても過言ではないのがdアニメストアです。

dアニメストアは、アニメ作品に限って言えば業界最多のラインナップで、それでいて月額料金が550円と非常にお得なのが特徴です。

また、最速配信作品も多いことから、多くのアニメファンがdアニメストアを推奨しています。

一方でdアニメストアにはデメリットもあり、それが伝えられることはほとんどありません。その上で私はU-NEXTこそが「最強のアニメ配信サービス」だと考えます。

本記事では、dアニメストアがダメでU-NEXTが最強な理由を解説していきます。


大前提:ネット記事は鵜呑みにしない

大前提として、ネットで紹介されている「アニメ配信サービス解説」はアテにしない方がいいでしょう。なぜならアフィリエイトが絡んでいるためです。

アニメ配信サービスの中で、アフィリエイトを記事投稿者に提供しているのはU-NEXT、dアニメストア、Huluなどのサービスで、その中でもっとも高額なアフィリエイト報酬を得られるのはU-NEXTとなっています。
そのため、ブロガーのほとんどがU-NEXTを強く推奨するのです。

また、「アニメ配信サービス比較」のほとんどは、ネット上で公開されている情報だけを比較しており、実際の体験談や使い心地までを比較するケースはほとんどありません。
そのため、各動画配信サービスが公開しない「高画質対応作品数」や「レコメンドの仕組み」などが紹介されることはありません。

以上のことから、ネット記事を鵜呑みにするのはよくないと思います。

dアニメストアは旧作の画質が悪い

dアニメストアの最大の問題点は、旧作の画質の悪さです。

一般的に、映像作品の画質は以下が挙げられます。

  • SD(DVDと同じ)

  • HD

  • フルHD(ブルーレイと同じ)

  • 4K

ブルーレイの販売が一般化していることから、現在放送されているアニメのほとんどは、HDまたはフルHDに対応しています。その一方で、2015年ごろ以前の作品は、HDに対応していない場合があります。

私の体感として、タブレット端末やPCで映像作品を視聴するとき、SDとHDでは雲泥の差があります。

また、アニメ作品は他の映像作品に比べて「線」が重要なので、スマートフォンのような小さい画面でも、SDとHDの差は大きいと感じます。

ということで、可能な限りHD以上の画質で視聴したいところなのですが、実はdアニメストアは、旧作におけるHD対応作品数が少ないのです。

dアニメストアでは、各作品のページに「720p」「1080p」というように、対応している画質が表示されます。

dアニメストアより引用

逆に、何も表示されない作品に関しては、基本的にSD以下の画質です。

dアニメストアより引用

ということで、例えば不朽の名作である『涼宮ハルヒの憂鬱』を見ると、なんとHDに対応していないではないですか!

dアニメストアより引用

ほかにも、2000年代の京アニ作品など、高画質で見るべき旧作が、dアニメストアではHDに対応していません。

個人的にショックだったのが、2013年公開の『凪のあすから』です。『凪あす』は美しい背景美術に定評のある作品ですが、dアニメストアではHDに対応していないので、せっかくの美しい背景がボヤけてしまっているのです。


dアニメストアより引用

U-NEXTはHD対応作品数がすごい

一時期、私は京アニ作品を追いかけていて、その過程で『甘城ブリリアントパーク』という作品を視聴することにしました。『甘ブリ』は2014年放送なのですが、案の定、dアニメストアではHDに対応していません。

また、『甘ブリ』は京アニ作品の中でもマイナーであることから、そもそも他社サービスでは配信されていないことも珍しくありません。私は、Prime Video、Hulu、ABEMA、Netflixなど様々な動画配信サービスを横断しました。その結果、『甘ブリ』のHDが配信されていたのは、私が試した中ではU-NEXTだけだったのです。

この事実に興奮した私は、他の旧作でもHDに対応しているかどうかを調査することにしました。その結果、U-NEXTはほぼ全ての京アニ作品でHDに対応しており、それどころか有名アニメ作品の大半でHDに対応していたのです。個人的には『フルメタ(京アニ版)』や『CLANNAD』でHDに対応しているのが嬉しかったです。

本当にdアニメストアは作品数No.1なの?

U-NEXTが他の総合型動画配信サービスと違うのは、マイナーなアニメ作品もちゃんと取り揃えているということです。

2024年6月時点で、U-NEXTの見放題アニメ作品は5,600、レンタルは280となっています。

一方でdアニメストアの見放題作品数は、2024年6月時点で5,700作品以上とのことです。

こうして見ると、一応はdアニメストアが作品数No.1ということになりそうですが、それでもU-NEXTとの差はわずか100作品です。

U-NEXTのレコメンドは秀逸すぎる

メインの動画配信サービスをdアニメストアからU-NEXTに乗り換えてから、U-NEXTのレコメンド機能に感動しています。

例えばdアニメストアのホーム画面のレコメンドはこんな感じです。

dアニメストアより引用
dアニメストアより引用

一般的なレコメンドである「デイリーランキング」や「あなたへのおすすめ」に加えて、今が7月ということで、夏にふさわしいアニメをレコメンドしているようです。まあ、悪くありません。

一方でU-NEXTのレコメンドはこんな感じです。

U-NEXTより引用
U-NEXTより引用

こちらも一般的なレコメンドである「あなたへのおすすめ」や「話題作」があります。それに加えて「奇想天外な部活」とか「動画工房」など、特定のジャンルに絞ったレコメンドが実施されています。そしてそのどれもが、アニメオタクなら誰もが知るちゃんとした名作なのです。

特に「あのコもそのコも人に非ず!だが、可愛さは共通!」は、まず間違いなくU-NEXT社内のアニメオタクが選別したリストだと思います。

個人的には、アニメ制作会社に基づいたレコメンドがあるのが嬉しいポイントです。もちろん、京アニやTRIGGERなどの制作会社のレコメンドを見かけたこともあります。

dアニメストアとU-NEXTの思想の違いについて考える

ここまで、dアニメストアとU-NEXTの「表には出づらい情報」を紹介してきました。

まず前提として、dアニメストアとU-NEXTは方針が全く異なる動画配信サービスです。

dアニメストアはアニメ専門なのに対して、U-NEXTはあらゆるジャンルを網羅する総合型の動画配信サービスだと言えます。

そのうえで、ジャンルを「アニメ」に絞ったときに、どうもdアニメストアとU-NEXTでは、思想やターゲット層が異なるように思うのです。

dアニメストアの思想

これまでの動画配信業界の中で、dアニメストアは「アニメ」というジャンルにおけるラインナップ数を武器にしていました。しかし現在は、アニメ放題、DMM TV、U-NEXTでもアニメ作品が充実するようになり、その点でdアニメストアは競争力を失っています。

また、独占配信に関しては、莫大な資金を投下するABEMA、Prime Video、Netflix、Disney+などのサービスに遅れを取っているように思えます。

一方で最速配信については、この限りではありません。実際にdアニメストアの最速配信作品数は健在で、2024年夏クールの中でも20作品以上が最速配信です。
そしてdアニメストアのトップ画面を見ると、まず最初に飛び込んでくるのが「現在放送中のアニメ」です。

dアニメストアより引用

つまりdアニメストアは、リアルタイムかつ可能な限り最速で見たいアニメファンをターゲットにしていることがわかります。実際、アニメオタクの会話のテーマと言えば「今期、何見てる?」であり、視聴が数日でも遅れてしまうと、話についていけません。

これは私見ですが、現在、ほとんどのアニメオタクは、不朽の名作より最新アニメの視聴を優先しているように思えます。「『涼宮ハルヒの憂鬱』を見たことはないけど、最近流行りの異世界転生アニメは全部見てる!」という人は珍しくありません。

そのため、dアニメストアは、過去作のアップグレードに力を入れるよりも、最速配信に力を入れているのだと思います。

ただし最速配信についても、トレンドに敏感なABEMAに追いつかれつつあります。

U-NEXTの思想

一方で、U-NEXTのトップ画面を見ると、少なくとも僕の画面では「現在放送中のアニメ」という項目は存在しませんでした。それどころかメインビジュアルに表示されているのは、2021年放送の『小林さんちのメイドラゴン』です。おそらく、僕が現在視聴している『邪神ちゃんドロップキック』に関連しているのだと思います(たしかに邪神ちゃんとトールは似てる)。

U-NEXTより引用

そう考えるとU-NEXTは、少なくとも「最新のアニメを追いかけたいオタク」というターゲットを重要視していないことがわかります。先ほど紹介したレコメンドを見ても、そのほとんどが5年以上前の作品です。

U-NEXTより引用
『ゆるゆり』とかは2011年放送……

では、U-NEXTのターゲット層はどこにあるのか。それは、本当におもしろい作品を見たいアニメオタクに他なりません。

岡田斗司夫の『オタクはすでに死んでいる』という書籍がありましたが、オタクとは本来、自分の好きなことについて、他人の目を気にせずに徹底的にハマる人のことを指していました。それがアニメであれば、制作会社・監督・歴史などを追いかけるような感じです。
しかし現在のオタクは「自分だけの道を進む」というよりは、アイデンティティの確立や話題作りが目的になっているように思えます。その結果、自分の知的好奇心に従うのではなく、皆んなが見ている作品を追いかけます。

知的好奇心に従う「真のオタク」は、人気作とか知名度はどうでもよく、自分の興味のある監督や作風を徹底的に追求します。それこそ「ジブリ作品を全部見る」みたいなことを平気でやり遂げるのです。そしてこのような「真のオタク」をU-NEXTはメインターゲットにしているのではないでしょうか。実際、この「真のオタク」は、知的好奇心を満たすためならそれなりにコストを支払えるので、月額2,189円でも充分に満足します。

ロングテールビジネス

Wiredの元・編集長だったクリス・アンダーソンの『ロングテール』によれば、インターネットによって在庫や床面積の制限が無くなることで、膨大なラインナップを取り揃えたビジネスが可能になるとのこと。そして、ほぼ無限大にあるマイナーな商品が、一部の売れ筋商品に匹敵する売り上げを叩き出せることを指摘しました。

このロングテールビジネスの典型例が、動画配信サービスです。

インターネットが登場する前はレンタルビデオ店が一般的でした。しかしレンタルビデオ店は、床面積という制限があるため、全くレンタルされないビデオを店頭に並べる余裕はありません。そこで、売れ筋商品だけを並べるようになります。

一方で動画配信サービスでは、床面積や在庫などの制限がないため、超マイナーな作品を取り揃えることが可能です。

オタクにとって嬉しいのは、動画配信サービスの登場で「マイナーだけどおもしろい作品」を安価で楽しめる点に尽きるでしょう。動画配信サービスを使い倒せば「特定のアニメ制作会社や監督の作品を全部見る」というスタイルを格安で構築できるのです。

動画配信サービスが、人々の個性を奪う

一方で、ラインナップが充実しすぎたことによる弊害もあります。あまりにも選択肢が多すぎるがあまりに、何を見ればいいのかわからなくなったのです。

そこで人々は「おもしろいかどうかわからない作品を見るぐらいなら……」ということで、皆んなが見ている作品を視聴するようになっていきます。その1つの例が「最新アニメを見る」というものです。

しかし、よくよく考えてみれば、これは実にまずいことかもしれません。現代社会は「オンリーワン」とか「多様性の時代」とか「能力よりも個性の時代」とか言われている中で、人々が同じ作品を見ているのです。
先ほども述べた通り、本来、オタクというものは、自分の好きなものに徹底的にハマる人のことを指していました。しかし、現代のアニメオタクは「皆んなが見ている最新アニメを追いかけること」を目標としており、一向に個性が育まれません。

同じアニメオタクでも、ジブリ作品を知り尽くしている人もいれば、古今東西の日常系アニメを見まくっている人がいてもいいのではないでしょうか。

『攻殻機動隊』や『涼宮ハルヒの憂鬱』を見る気がないのに、「おもしろいアニメを見つけたい!」と言って最新アニメや有象無象の異世界転生アニメを追いかけるのは、なんだかもったいないように思えるのです。

そう考えると「最新」や「トレンド」をレコメンドしてくるdアニメストアやSNSは、オタクの個性を奪う存在なのかもしれません。少々暴論ですが。

【まとめ】コスパについて考える

本記事では「dアニメストアがダメで、U-NEXTが最強な理由」を解説してきました。

「オタクの在り方」まで話が広がりましたが、2つの動画配信サービスを比較すると、dアニメストアは「トレンド」を優先し、U-NEXTは「ユーザーの知的好奇心」を優先しているように見えます。

ということで、個人的にはU-NEXTを強くオススメしたいのですが、この2つの動画配信サービスは価格が大きく異なります。

「もう不朽の名作は全部視聴してるから、最新アニメだけを見ていればいい」という猛者は、文句なしでdアニメストアでいいでしょう。一方で、不朽の名作を高画質で視聴していきたい人はU-NEXTが最適です。

そして、最速配信でトレンドを追いかけたい人は、dアニメストアが最適な選択肢です。でも私は、トレンドを追いかけるだけでなく、U-NEXTで高画質の『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『CLANNAD』とか『けいおん!』を見てほしいと思います。現在のアニメ界におけるトレンドの発端が、2000年代後半の京アニ作品にあるからです。

2,189円は、ちょっと高いかもしれませんが、毎月1,200ポイント付与されて、それを使って漫画とかライトノベルを購入できると考えれば、実質1,000円ちょっとです。

ぜひともU-NEXTをご検討ください。そしてトレンドに左右されず、自分の知的好奇心を解放してみてください。せっかくアニメを見るのであれば、本気でアニメを楽しみましょう!

by 星島てる

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