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迷いと矛盾を踏みしめる。

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#文学

緊急非常用ボタンを押し続けたのに、

押した。

しばらく押してみた。

毎日。毎日。
許された自由時間に押してみた。

だけど、
だれも来なかったんだ。

私の緊急事態は当たり前になったらしくて、
だれも気にも留めてないんだ。

オオカミ少女じゃないんだけどな。
辛いんだけど、

何も変わらないな。

あ、1つだけ変わったか。

そのボタンもう使い物にならないんだよね。

然有琉 湊(さあり みなと)

たまらなく不安なんだ。

「頑張れよ」って意味の大好きな作品の名言が怠惰な僕を突き上げる。

”痛いよ。”
”その名言。”
”なんだよ。好きなのに僕を不安にさせるのか。”

”まあいいよ。”
”逃げた先で刺されるとは思わなかったけど、”
”まあいいよ。”

どうでもよくなって
横になった。

時計の針とともに
心に空気が入った。

膨れ上がって出来た空白を埋めるように
甘いものを頬張った。

”痛いなあ”
”こんなことして

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螺旋が回る。

紙ストローにコーヒーが染みついて
血の付いた包帯に見えた。

パソコン1台。
本は3冊。
セットを頼んで作業中。

昨日もこの景色見た気がする。

いわゆる意識高い系に見られてもおかしくない状況だけど
僕の心は低空飛行中。雲の中を飛んでいる。

読み損ねた本を家において
日曜のカフェにいる。
子連れ。カップル。老夫婦。
いろんな人がいる。

ね。集中してない。
周りばっかり見えてるんだよね。

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