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2022日記エッセイ

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2022年に書いた日記エッセイ。日々のことや考えたこと。
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「忙」と「実」の1年間~2022年ふりかえり

「忙」と「実」の1年間~2022年ふりかえり

今年1年、昨年印象派展に行ったときに一目ぼれしたレッサ―・ユリィの「夜のポツダム広場」をデスクトップにして仕事をした。

私生活にはアロマディフューザーを取り入れて、ナチュラルサイコスの「寺院ブレンド」をお供にしながら、忙しなく過ぎていく日々を乗り切った。

今年は本当に「忙」と「実」の1年間だったと思う。忙しく、楽しく、ときに苦しく、そして実を結んだ2022年だった。
これから今年1年の成果を振

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夢と魔法

夢と魔法

行きつけのスタバでジョイフルメドレーラテを飲み、店内に流れるクリスマス仕様のBGMを聴きながら、時の流れの速さを思い知る。この前年が明けたばかりじゃないか、と訝りながらも、確かに残っている今年の記憶を反芻などしてみる。

12月になったら総決算的な日記を書こうと思っているのだが、仕事もプライベートも5月あたりから忙しなく動き回っていたおかげで、今年は実りの多い年だった。写真の展示から始まり、同人イ

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秋寂しさ

秋寂しさ

今年93歳になる母方の祖母。いつも電話をかけると「ぼちぼちだよ」と言いながら元気そうな様子を見せてくれていたが、先日同居している叔父と話した時、介護レベルが上がってしまったという報告を受けた。

漂い始めた秋の気配の中、一気に押し寄せてきた寂寥感と時の流れの速さに、かなりがっくり来てしまった。なんせ私は生粋のおばあちゃん子だったため、小さい頃祖父母の家によく遊びに行っては、帰りの新幹線で寂しさゆ

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ぜいたく時間

ぜいたく時間

泣いたり笑ったりするのも体力が要る、と知ったのは大人になってからだった。

子どもの頃はそんなことお構いなく、毎日爆笑したり大泣きしたりしていたのに、すっかり老けてしまったなぁと思う。感情を表に出すことに、準備が要るようになってしまった。ひと泣き、ひと笑い分のエネルギーは、大体お茶碗一杯分のごはんと同じくらいだと思っている。それを放出するために必要な環境、場合によっては人、そしてメンタルの安定。す

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明かり(、それと大好きなドラマのこと)

明かり(、それと大好きなドラマのこと)

家の中に漂う空気が澱んできた。母親は父親の愚痴を言い、父からもらうストレスのせいで仕事にミスが出ると私にLINEを送ってきた。母を苦しめる父親を、心の底からどうしようもない人だと思う。それでもなぜか突き放すことができないのを、情とか憐憫だとかいう言葉で片づけたくない。もっと強い感情のこもった何かだ。

家族が上手くいかなくなると、自分の中の均衡が崩れる。上手くやってこれたのに、途端にくじけてしまい

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真ん中にあるもの

真ん中にあるもの

フリーライターになって3年が過ぎた。なんだかんだきつかったけれどよくやってきたなと思う。

なんせ私はSNS運営職からほぼ実績ゼロの状態で「とりあえず今までものを書いていたんだしライターできるんじゃないか」という気持ちで今の職に転向し、周囲の支えと負けず嫌いの精神で続けられてきたという感じだ。もちろん最初は元々運営していたプラットフォーム以外での記事執筆実績はなかったし、今思えばあの時ド初心者な私

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ふたたび、

ふたたび、

30歳までに自分の写真を展示したいという目標が叶った写真展が終わり、張りつめていた緊張が一気に解れたタイミングで体調を崩した。
40度の高熱が出て、急性胃腸炎との診断が下った。久しぶりにほんまもんの体調不良に見舞われて、だいぶ、いやかなり心身が疲弊した。急激に乱高下した熱に翻弄された身体は汗という水気を吸って途端に重怠くなり、もともとそんなに体力に自信がなかったのもあって毎日何もできずただ大の字に

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青い夢

青い夢

単純な人間だから、よく考えていることが夢に出る。夢を見ることは好きでも嫌いでもなかった。ただ時々、鮮烈なものを見るので、見なくて済むのなら見ないほうがいいと思っていた。そう思っていても、いつも眠りが浅いので、たいていの夜――といっても夜明けに近い――には夢を見てしまう。

この前はこんな夢を見た。私は小学生くらいの年齢に戻っていて、水彩絵の具で絵を描いていた。詳細なことはあまり覚えていないのだけれ

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はりねずみのとげ

はりねずみのとげ

弱っている。お酒と映画を思いきり楽しんでいるTwitterのフォロワーがうらやましい。かといって忙しいわけでもない。時間が空くと仕事のこまごまとした作業をやることしか気力がわかないので、ずるずるとそればかりしてしまい健全なインプットができていない。温泉に行きたい。喫茶店に行きたい。本を読みたい。心がしみしみしている。

私は外部からのストレスに弱いし、ちょっとした変化にも敏感だ。おそらく自己診断で

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難儀

難儀

夜が来てなんとなく心がざわついてきたので、いつものスターバックスへ行く。甘いものが欲しかったので、ニューヨークチーズケーキとトールサイズのココアを頼み、草食動物のように嚥下しながら今、これを書いている。

2022年が明けたわけだけれど、いつものような「はじまり」の高揚感はなく、紅白歌合戦で藤井風がサプライズ登場した時がピークで、そこから年明けの瞬間まで緩やかに降下していった。なんだかしゃんとしな

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映画好きに出会う

映画好きに出会う

年始にはだいぶくさくさした日記を書いてしまったが、あれから数週間が経ち、だいぶ風通しが良くなった。ようやくやる気が出てきたぞ、というところで運気のようなものも上がったのか、以前お世話になったメディアから一年ぶりに執筆の依頼が来たり、原稿を書く筆も乗ってきたりと仕事面も軌道に乗ってきた。

そんな折、ここ数週間で強く感じたことがある。それは人とのご縁だ。風通しが良くなったからなのか、新しい人と出会い

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眠りの森のジュゴン

眠りの森のジュゴン

何かを書き始める時には必ず飲み物をそばに置く。今日は家で書くと決めたので、友達とお揃いで買ったマグカップに無印良品のオレンジレモネードをホットで淹れる。美味しくてほっとできるので、最近のマイブームである。

今回は家族についての話を少し。様々な事情(病持ち)があって実家暮らしの私なのだが、こと家族に関してはさまざまな感情を持ち合わせている。父親の件(年明けの日記を参照)もそうだし、母親ひいきの私で

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