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読書と平凡な日常

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本の紹介と感想、そこから選出したテーマによるエッセイをほぼ毎日書きます!!!!
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#本紹介

読書と平凡な日常29 北極星

読書と平凡な日常29 北極星

 どうも、紅りんごです。そろそろ新しいバイトを探さないと、と思い立ち、今日の午後はそこに時間を費やしていました。給与から勤務時間までくまなく調べないと良いバイトは見つからないので、かなり疲れました。そういう時って思うんですよね。「短時間でめちゃくちゃ高収入のバイトないかなぁ」って。今日紹介するのはそんな高収入バイトに関する作品です。

 29冊目は米澤穂信『インシテミル』。様々な思惑を持っていかに

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読書と平凡な日常28 伝統と惰性

読書と平凡な日常28 伝統と惰性

 どうも、紅りんごです。今日は友人たちと落花生を茹で、りんごと共に摘まみました。茹でたての落花生はジャガイモに似た食感で、私のよく知るピーナッツとは大きく異なっていました。まぁ、きちんと味付けすれば美味しかったのでノープロブレムですが。
 つまみがあれば話は進む。話が母校に触れた折、私は自分が学校文集を製作する立場だったことを思い返していました。偶然にも、今日紹介するのも、そんな文集に関わる作品で

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読書と平凡な日常27 5万石のゴリラ

読書と平凡な日常27 5万石のゴリラ

 どうも、紅りんごです。葉を落として身軽になった木々の寂しさに秋の訪れを感じる今日この頃。晴れ晴れとした夏の締めはやはり「幽霊の出る」作品の紹介で決めようと思います。

 27冊目は綾辻行人『Another ep.S』。時系列で言えば、冒頭が前作後、話の内容が前作の夏休みの間というお話。幽霊と死が見える少女との邂逅、ほんのり切ない夏の思い出がそこにある。

 前作を読んで何となくどういう書き方をさ

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読書と平凡な日常26 心なしかAI

読書と平凡な日常26 心なしかAI

 どうも、紅りんごです。私の1日の始まりと終わりははソシャゲ基準なので、まだ1日は終わっていません。だから、これは22日分の更新なんです……なんて屁理屈は置いといて、さっそく紹介に移ります。

 26冊目は早坂吝『探偵AIのリアル・ディープラーニング』。探偵役がAIというのは、何とも突飛な発想にも思えるが、近い将来あり得る話だと思うと面白かった。しかし、登場人物が無駄に多い気もしなくはないのが事実

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読書と平凡な日常25 孤高と孤独

読書と平凡な日常25 孤高と孤独

 どうも、紅りんごです。今日は中秋の名月ですね。月が見えないので、ただ団子を頬張るだけの夜になりそうです。今日は読了後にそんな「寂寥感」に包まれる作品を紹介します。

 演劇部に潜入し、学園祭に向けた発表を進めつつ、事件を追う主人公。追えば追うほど彼は事件の全貌を知り、同時に精神的に追い詰められていく。青春の残酷さが色濃く表現されている小説のため、読了後の寂寥感も濃いものがある。

 空に浮かぶ月

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読書と平凡な日常19 白瀬咲耶と人形

読書と平凡な日常19 白瀬咲耶と人形

 どうも、紅りんごです。今日は一日中ゴロゴロして映画を観ていました。作品名は『ショーシャンクの空に』。かなり心に刺さる作品だったので、また今度お話したいと思います。そして今日紹介する作品も心に深く突き刺さります。

 19冊目は綾辻行人『Another』。クラスで「いないもの」とされている少女に話しかけてしまった転校生の恒一。その日を境に多発するクラス関係者の死。そこには三年三組に関わる深い呪いが

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読書と平凡な日常18 椅子の魔力

読書と平凡な日常18 椅子の魔力

 どうも、紅りんごです。スペース☆ダンディ1期2期共に見終わりました。適度に適当で締めるとこはちゃんと締める、永遠にやって欲しい魅力あるアニメでした。

「スペースダンディは、宇宙のダンディである。」
 これは、シンプルにこのアニメを示しているよくできたキャッチフレーズです。女好きでどうしようもないバカ、愛すべきダンディの雄姿を目に焼き付けるべきじゃんよ!!
 はい。スペースダンディのお話はここま

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読書と平凡な日常17 ロマンはロマン

読書と平凡な日常17 ロマンはロマン

 どうも、紅りんごです。少し肌寒くなってきましたね。夕暮れもかなり早いですし。九月も中頃、そろそろ中秋の名月……ですよね? お団子大好きなので、毎度毎度その日がやってくるのを心待ちにしています。きれいな満月を見ながら宇宙へ想いを馳せる……そんな夜がたまにはあってもいいですね。今日紹介するのは、ロマンあふれる宇宙のお話。

 17冊目は伊与原新『月まで三キロ』。上記以外におすすめするなら、表題作『月

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読書と平凡な日常16 がっこうぐらし!で学んだ武器

読書と平凡な日常16 がっこうぐらし!で学んだ武器

 どうも、紅りんごです。今日はゾンビランドサガのサキちゃんのコスプレがテレビで流れたらしいですね。ゾンビランドサガは、純子ちゃんの是非聞いていただきたいです。惚れるよ……あれは。
 今日紹介するのは、そんな『人間じゃない』ものについての作品。

 16冊目は綾辻行人『人間じゃない』。様々なジャンルの話が組み込まれた作品ですが、中でも表題作は異彩を放っています。漫画で読むことでより楽しめるとある工夫

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読書と平凡な日常15 ジャックとモリアーティ

読書と平凡な日常15 ジャックとモリアーティ

 どうも、紅りんごです。口内炎ができてイライラしてます。潰すこともできず、無視することもできずという微妙なサイズ。舌を針の様に尖らせることができればいいんですけどね……そうもいかないのが現実。よーしっ、気を取り直して行きましょう。

 過去に臓器移植された元患者が相次いで殺害される事件が発生。彼らは全員全ての臓器が摘出された上で、放置されていた。迷いない手口に鮮やかな手腕、警察は犯人を医療従事者と

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読書と平凡な日常3 獏と歯間ブラシ

読書と平凡な日常3 獏と歯間ブラシ

 どうも、紅りんごです。昨日、慣れない運動をしたのが祟って全身筋肉痛。昨晩は眠れませんでした。それでは、気を取り直して。まずは読書報告です。

 3冊目は芦沢央『獏の耳たぶ』です。犯した罪への罪悪感と守りたい平穏な日常に挟まれて、押しつぶされそうになる母親と、胎児の取り違えに気づかぬまま子どもを育て続ける母親。交互に語られる二人の日常は読んでいて辛い。
 いつかこの平穏な日常が終わると分かっている

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読書と平凡な日常2 妖精はファンタジーのままでいい

読書と平凡な日常2 妖精はファンタジーのままでいい

 どうも、紅りんごです。2冊目は米澤穂信『さよなら妖精』。以下が私の読書報告です。

 本作は、ユーゴスラヴィアから来た少女と日本の少年少女の交流を描いた作品。日常の謎とユーゴスラヴィアの戦争、無関係の2つが交わることで、青春がより鮮明に残酷に描かれる。作品内容は困難であるものの、世界情勢として見逃せないものがあるのも事実。フィクションである小説にノンフィクションが持ち込まれることで、作品のリアリ

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読書と平凡な日常1 儚くないしゃぼん玉

読書と平凡な日常1 儚くないしゃぼん玉

 どうも、紅りんごです。記念すべき1冊目は、乃南アサさんの『しゃぼん玉』。以下が私が実際にしたツイート。

 今読むと結構雑だ。ツイートの方には内容の紹介が全く無いので、補足しておく。

 『しゃぼん玉』の主人公は、窃盗やひったくりを繰り返す男。ある日、彼は勢い余って脅迫用のナイフを女性に突き刺してしまう。殺人罪で逮捕されることを恐れた彼は、トラックの運転手を脅迫し、逃走を企てる。しかし、道中で反

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読書と平凡な日常【はじめに】

読書と平凡な日常【はじめに】

 どうも、紅りんごです。つい先日読んだ本に影響された私は、唐突に『あぁ、エッセイが書きたい!!』と思い立ちました。我ながら阿呆で単純ですね、全く。
 さて、エッセイを書きだすか、という段になって私の筆は止まってしまいました。それは、テーマが決まらないから。優柔不断な私は全くテーマを決められずにいたのです。
 さて、普段ならここで諦めて放り出してしまう私ですが、一つ妙案が浮かびました。それは、読書報

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