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読書と平凡な日常19 白瀬咲耶と人形

 どうも、紅りんごです。今日は一日中ゴロゴロして映画を観ていました。作品名は『ショーシャンクの空に』。かなり心に刺さる作品だったので、また今度お話したいと思います。そして今日紹介する作品も心に深く突き刺さります。

夕焼け

 19冊目は綾辻行人『Another』。クラスで「いないもの」とされている少女に話しかけてしまった転校生の恒一。その日を境に多発するクラス関係者の死。そこには三年三組に関わる深い呪いが関わっていた。何故彼女は「いないもの」とされているのか、その理由を恒一は死の闇に囚われながら体験することとなる。
 本作の見どころの一つでもある「人形」。「いないもの」とされた少女、見崎鳴の母親が作る人形は本当の人間と遜色ない美しさを持っています。彼女の作る人形の魅力については本編を読んで頂くとして。今日は私が最近見た人形のお話をしたいと思います。


         シャニマス

 シャニマス。シャニマスとは一体何か。人形との関りを順を追って話をしていきます。
 アイドルマスターシャイニーカラーズ、略してシャニマス。プレイヤーがプロデューサーを通してアイドルを育成するゲームです。(しかし、シャニマスに関してはプレイヤー=プロデューサーとは言えない。)少女達が抱く葛藤や仲間との絆が、表現豊かなテキストとフルボイスで描写されます。              
 「でも、結局ヲタクが美少女育てて、ムフフって楽しむゲームでしょ。」とお思いのそこの貴方。そういう先入観を持っている人ほど、実際との差に気づいた時、沼にはまりやすい。ゲーム性よりもシナリオに重点を置いたシャニマスは、もはや小説。ささっとダウンロードして、ちょちょいとプレイしてみてくださいな。

 さて、アプリの宣伝も済んだところで人形の話をしましょうか。シャニマスは美麗なイラストも秀でた点の一つで、キャラの各カードに私服と衣装の両方が用意されています。(カードによってシナリオも異なる。)そして、最近新カードが追加されたアイドルが『白瀬咲耶』。彼女の衣装は亡霊×人形です。長身で美形の彼女が、人形風のドレスを着ることによって醸し出す儚さと妖しさ。期間限定ではなかったのですが、引くしか選択肢はありませんでした。可愛い。王子様の様に振る舞い、強がりつつも、孤独になることに耐え切れない彼女。そんな彼女だからこそ、描き出せる寂寥感がそこにはあります。

 さて、人形の優美さや妖艶さはどこからくるのでしょうか。人形が人間によく似ているのに違うのは「魂がない」ところ。彼らの虚無に吞まれそうになるが故に、人間に似た人形やロボットは恐ろしく感じるのかもしれません。中身が空なのに外見だけは似ているもの。そんなものと向かい合っていると、自分も空っぽなのかもしれない、なんて恐ろしい妄想に囚われそうになります。だからこそ、その虚に意味や形を見出して魅了されないようにするのかもしれません。
 人形にさえ脅かされかねない人間の心の在り方。人間は常に自己の存在意義を探し求める生き物です。シャニマスにおいても自己存在の意義、アイデンティティの確立がテーマとしてあります。(たぶん。)自分は何者か。自分が人形でないことを証明するために、私達は何かに向かって必死に努力を重ねているのかもしれない。つまるところ、人間を突き動かすものは恐怖なのではないでしょうか。
 妄想が飛躍し始めたので、今日はこの辺りで。

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