マガジンのカバー画像

或る若者の思索

79
私が日常生活の中で感じた何気ないことを、日記よりちょっとだけ推敲して書いてます。
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

致死量の行列、死の行進

致死量の行列、死の行進

 雨の日は公共機関が混む。朝の通勤電車は、混雑度がいつもの二割増しくらいになる。加えて高湿度であり、傘から滴る水滴で足元も濡れているので、"マジで"通勤地獄になる。「でも日本には四季があるから...」、そんな免罪符、サラリーマンに通用すると思うな!お前はもう亜熱帯雨林に帰ってくれ、ポロロッカに巻き込まれて藻屑となれ。

-

 夜8時、私は最寄り駅で電車を下りて、バス停に向かっていた。いつもは自転

もっとみる
攻略、街の上で

攻略、街の上で

 平日は休日のことだけ考える。休日にも休日のことだけを考える。休日のために生き、休日を心して過ごす。全ての平日はローマに通ずる。庶民はスペイン広場でアイスクリームを食べることだけを考えてればいいのだ。
 行きずりの恋に縋るように、私はせっせと労働者としての使命を全うする。

-

 私には、『行きたいお店をGoogleマップでブックマークしておく』という習性がある。自分の最寄り駅近辺、職場の最寄り

もっとみる
ちょっと無理をして

ちょっと無理をして

 人は皆、その程度に大小あれど、絶対に「無理をしている」と思うんですよ。希死念慮を抑えながら学校に行っている子供だって居るし、生活のため社会の畜生と化したオトナもいる。
 私が嘆きたいのは、そんな無理をしてまで頑張らなくても(😭)ということではなく、無理をしなければ生きられないということである。

-

 転職活動をしたとき、私はかなり"無理を"していた。言うまでもないが、就活生側はまるで地を這

もっとみる
ひとりで大体できるもん

ひとりで大体できるもん

 『おひとり様』という言葉がなんの弾みか流行語大賞に選出された輝かしい時代があった。伝説の少女こと観月ありさが同名のドラマに出ていたのを覚えている。今のこの息苦しい時代ならば、ネットの片隅でボヤ騒ぎが起きそうだ。

-

 「ひとり」というのは恥ずかしいことか、否か。
 ひとりというのは安易に孤独に直結しかねない不安定な状態なのか。それとも、何者からも束縛されず自分の生きたいように生きられる解放的

もっとみる
友人にあまりいないタイプの奴

友人にあまりいないタイプの奴

 近所のセカンドストリートで、これ以上ないであろう上物のトレンチコートを破格の2000円で購入したのが先月の中頃の話。それから三寒四温が無作為にやってきては、私にコートを着せたり脱がせたりした。そしてまだ脱げそうにない。

 このコート、触り心地はテラテラとしていて柔らかく、どこか"ちゃち"な風があるがそれと同時に併せ持つプチプラ感、色はイエローに近い黄土色。デザインも無難と言えば無難で、何にでも

もっとみる
ニートになれない

ニートになれない

 なにをするにしても、"向き不向き"というものがある。内向的な人間に飛び込み営業は出来ないし、陣内智則に漫才はできないし、太刀使いにヘビィボウガンは使えない。生まれ持った才能や資質というものは概して人生の選択肢を狭めることが多い。

 ニートになるということもまた、資質を伴うものだとここ2か月で感じた。

 誰にでもできそうで誰にでもできないのがニートである。何故ならニートをするためにはある程度の

もっとみる