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致死量の行列、死の行進

 雨の日は公共機関が混む。朝の通勤電車は、混雑度がいつもの二割増しくらいになる。加えて高湿度であり、傘から滴る水滴で足元も濡れているので、"マジで"通勤地獄になる。「でも日本には四季があるから...」、そんな免罪符、サラリーマンに通用すると思うな!お前はもう亜熱帯雨林に帰ってくれ、ポロロッカに巻き込まれて藻屑となれ。

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 夜8時、私は最寄り駅で電車を下りて、バス停に向かっていた。いつもは自転車通勤なので駐輪場へ向かうのだが今日は違う。何せ朝から雨が降っていたから自転車がない。そして今もまだ降っている、いい加減にしろ。

 ひと目で「あ、死ぬな」と悟らざるを得ないほどの行列を、私は「致死量の行列」と呼ぶ。その威力を実感するのに、もはや並ぶまでもない。それでも並ぶしかないのさ、この列に...。

 ホロコーストではないが、列に並んでバスへとジリジリ近づいていく様は、まさに死の行進である。ドレイのようにギュウギュウ詰め込まれる、さながらこのバスはゲットーだ。

 (私は公共交通機関を奴隷収容施設に喩えてばっかりだ...)

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 雨の日のバスは異常に臭い。しかしこれは懐かしい匂いだ、うーむ。

 そうだ、小学校の靴を履く所!(あそこなんて言うんだっけ...)
 雨の日の室内が臭くなるのは、主に靴のせいである。靴下に染み込んだ雨が蒸れて不快指数MAXの匂いを発するのだ。

 ジメッとしたバスの車内、シートはじんわり湿っていてあまり座りたくない。人が座席を立つ度にキュッキュッと不快な音が鳴る。そしてこの不快な臭い。
 しかし、どこか遠い日の懐かしさを感じさせてくれる、そんな帰り道だった。

 明日は休日です。雨らしいです。トホホ...

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