2021年2月の記事一覧
バックパッカーズ・ゲストハウス㉑「下手なバンドとギタリスト」
前回のあらすじ:とにもかくにも、秋葉原駅からほど近い場所に、月三万五千円で二段ベッドの下段と細長いロッカーを確保した。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
コインロッカーに荷物を取りに行った後は、「先に金を払えというヤツのことは信用するな」という龍の言葉を真摯に受止め、ティッシュを配りに行く代わりに、夕方まで、ゲストハ
バックパッカーズ・ゲストハウス㉒「終電の終点」
前回のあらすじ:「先に保証金を払え」というティッシュ配りのバイトを初日にぶっちし、ボストンバッグを枕にゲストハウスで昼寝をかました。夜は新宿に友人のやるド下手なバンドを見に行った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
龍とバンドメンバーと、何人か合流したホスト連中と打ち上げで居酒屋に行った。龍の周りにいる人間に共通して
バックパッカーズ・ゲストハウス㉓「静かな東京」
前回のあらすじ:酔っ払った私は最終電車の中で寝てしまい、目的地の秋葉原を乗り過ごし、終着駅まで行ってしまう。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
電車を降りたはいいが、「終点」という言葉に私は絶望していた。田舎者なので、終点というのは、線路の終わりを想像した。たぶん自分は今、千葉にいると思ったが、周りを見渡すと、どうや
バックパッカーズ・ゲストハウス㉔「二階に住む人たち」
前回のあらすじ:終電で寝てしまった私はかろうじて千葉流しを免れ深夜の東京駅に着く。土地勘のなさが災いして高いネットカフェで仮眠を取ったあと、歩いて秋葉原まで帰った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
ゲストハウスにたどり着いて、もう一度寝直すと、次は朝と昼の間ぐらいに目を覚ました。ゲストハウスに住んでいたヤツらのこと
バックパッカーズ・ゲストハウス㉕「五百メートル先のトイレを借りに行く生活」
前回のあらすじ:ゲストハウスの二階は女性専用ルームで、坊主頭の帰国子女とライブハウスでバイトする韓国人。私の前には一度も姿を現さないメイドが住んでいた。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
三階には、背が低くて髪の毛がやたら硬そうな村田と、浪人生みたいなナリのフリーター三津谷、このゲストハウスでは珍しく、ちゃんと社員と
バックパッカーズ・ゲストハウス㉖「王様と王様」
前回のあらすじ:ゲストハウスでの新生活にワクワク胸躍らせながら五階にある風呂場にシャワーを浴びに行った。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
シャワーを浴びた後に、秋葉原周辺を適当に歩き、ゲストハウス暮らしで必要そうなものを揃えた。裏路地にあるPCパーツと安いガラクタみたいな雑貨を売っている店で、赤色のタンブラーを買っ
バックパッカーズ・ゲストハウス㉘「忍」
前回のあらすじ:夕飯時のリビングは個性と個性がぶつかり合うバーリトゥードな空間だった。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
リビングの壁には、緑の太いマジックで、「忍」と書かれたA4の紙が貼っていた。習字の要領で隅に、「ニキ」と署名がしていた。ニキは学校とバイトで忙しかったが、いつも遅くまで起きて自習していた。真面目な
バックパッカーズ・ゲストハウス㉙「股間を晒すという罰」
前回のあらすじ:友人には金を借り、ネットカフェからはブランケットをパクるという己の所業を恥、文章がやや雑になる。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
ゲストハウスの近くに、黄色に塗った板に赤色の文字で、
「警告 ここはトイレではありません。大便や小便をする人は、男女に関係なく、顔・股間の写真・動画映像を永久公開します。
バックパッカーズ・ゲストハウス㉚「くるくるくるくる、巻き巻き巻き巻き」
前回のあらすじ:ボロい機体で撮った証明写真を片手に、新宿のオフィス街にあるレストランへバイトの面接へ行き、見事採用された。【これまでのお話https://note.com/zariganisyobou/m/mf252844bf4f2】
せっかく遠距離をしているのだから、手紙を書こうと思い、帰りに文房具屋に寄った。ウォルトと彼の兄貴のロイについて書かれた本を読んで以来、ディズニーにハマっていたの