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ファッション哲学の手引

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ファッションに対する価値観やこだわり、好きなアイテムや着こなしついて、持論を書き溜めております。
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#思考の言語化

第三者認証の効用と今後

第三者認証の効用と今後

思わずハッとした。

「SDGsを仕事に活かす」のゲストにInstagram「サステラ」でサステナブルやエシカル消費について発信しているRyuさんの話である。
発信する目的も含めて素晴らしいお話であったわけだが、一番考えさせられたのがフェアトレード商品と認証ラベルの関係である。

そもそもフェアトレードとは、正当な労働環境下のもとで生産者に対して適切な賃金が支払われるようサポートされる仕組みである

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利益体質と健康診断

利益体質と健康診断

非財務諸表の重要度が日に日に高まっている。

非財務諸表とは、損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)に代表される会計上には表すことのできない情報である。要するに、お金で換算することのできないものである。例えば、カーボンフットプリントのような環境に関わる指標やBLMのような人権、ダイバーシティに関わる指標が挙げられる。

さて、最近ふと思ったことがある。売上至上主義の利益体質の会社と毎年の健康診

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新品が売っていないお店

新品が売っていないお店

2021年秋冬新作が着々と店頭に並べられようとしている。

ファッション業界において、年2回店頭ラインナップが大きく刷新される。春夏と秋冬である。ファッション感度の高い消費者はこの時期からコートを買うのは決して珍しくない。わたしはすでにとあるお店でストールの受注予約を終えている。

そんな中、パタゴニアがユニークはポップアップストアを渋谷にオープンさせた。コンセプトは “Worn Wear” であ

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代理店の壁を取っ払う

代理店の壁を取っ払う

D2Cが世界を席巻しようとしている。

D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、直訳すると「消費者と直接つながる形態」である。直接というところがミソで、従来の形態は消費者との間に大きな壁がある。

それは代理店の壁である。ファッション業界では、PARCOや大丸といった百貨店が該当する。自分たちでお店を構えなくても百貨店に卸すことによって、プロダクトを消費者に届けることができる

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サステナビリティとセール

サステナビリティとセール

サステナビリティの本来の意味をご存知だろうか?

"サステナビリティ=環境" のイメージが先行しているが、本来の意味は "サステナビリティ=持続可能性" である。つまり、中長期的に維持あるいは継続することを示している。

そういう意味においても、ファッションはサステナブルな業界とは言い難い。大量生産されたプロダクトが店頭に並ぶものも、多くの消費者はセールになるまで待ち続ける。セールが開始されても、

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サステナビリティという選択肢

サステナビリティという選択肢

「あなたはなぜその服を購入していますか?」

多くの人が安さではないだろうか?
確かに安さ、すなわち価格は購買行動において重要な指標の一つである。しかし、本当に価格だけで購入の意思決定を行ってよいのだろうか。

わたしは購買の意思決定における判断基準の最上位にサステナビリティを提言したい。冒頭の “多くの人” は日本の70%が該当し、ファッションにさほど興味がない層であると、わたしは推測している。

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ダサい服の行く末

ダサい服の行く末

心は痛いが、共感せずにはいられない。

NewsPicksのオリジナル記事に大変興味深い考察があった。

ダサい服を作ったら、それはサステナブルじゃない。

つまり、いくら環境にやさしい素材を使っていたとしても、購入者が飽きてしまって1年も経たずに捨ててしまえば、サステナブルではないのではということだ。
共感すると同時に、まさにわたしがファッションに限らず購入する際の判断基準になるものだ。そして、

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カーボンフットプリントとはカロリーである

カーボンフットプリントとはカロリーである

2025年までに、カーボンフットプリントを見てモノやサービスを購入あるいは利用する時代に突入するかもしれない。

昨日、Allbirds(オールバーズ)の天然素材由来のパフォーマンスウェアについて取り上げた。

この製品のキーは、ずばりカーボンフットプリントである。本日はカーボンフットプリントとは何か掘り下げてみる。

端的に言えば、カーボンフットプリントとはカロリーみたいなものである。健康意識が

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天然素材への原点回帰

天然素材への原点回帰

センセーショナルなメッセージをわたしたちに発信している。

本日8月19日にサステナブルブランドのAllbirds(オールバーズ)が天然素材由来のパフォーマンスウェアを発売する。

そもそもスポーツブランドで作れているパフォーマンスウェアは吸汗速乾性や通気性といった機能を発現させるために、ポリエステルやナイロンといった合成繊維に加工を施している。そして、その合成繊維は石油由来である。

また、耐久

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筋肉とファッションはトレードオフ?

筋肉とファッションはトレードオフ?

肉体がウズウズしている。

久しぶりにジムに行こうか迷っている。もともと高校時代からジムに出会い、社会人になってから数年間はゴールドジムに週2、3回のペースで通っていた。筋肉を肥大化させた結果、お気に入りの服がきつくなり始めた。これを機に、高負荷のゴールドジムでのワークアウトから低負荷の自宅でのワークアウトへシフトした。

しかし、先日ある動画を見て気持ちが一変した。『ザ・きんにくTV 【The

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サステナブルな選択肢

サステナブルな選択肢

雷が落ちたような気持ちである。

オリラジのあっちゃんが『中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY』にて、サステナブルアパレルブランド『CARL VON LINNÉ(カールフォンリンネ)』を設立した。

昨今のアパレル業界における大量生産、大量消費や労働環境問題の背景から、地球にとって、わたしたちにとって持続可能なモノづくりのあり方を提案している。
具体的には、完全受注

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大人のサンダルを嗜みたい

大人のサンダルを嗜みたい

サンダルはスポーティという概念を覆したい。

そんな思いで購入したのが、『パラブーツ(Paraboot)』の『PACIFIC』である。

さながらドレスライクな革靴の構造で、きれいに編み込まれたグルカサンダルの装いである。ちなみに、グルカサンダルとは、19世紀にイギリス陸軍編成した部隊であるグルカ兵に支給された軍靴が起源である。

この時期は素足で履きたいのだが、革靴慣れしていないわたしにとって、

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