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カーボンフットプリントとはカロリーである

2025年までに、カーボンフットプリントを見てモノやサービスを購入あるいは利用する時代に突入するかもしれない。

昨日、Allbirds(オールバーズ)の天然素材由来のパフォーマンスウェアについて取り上げた。

この製品のキーは、ずばりカーボンフットプリントである。本日はカーボンフットプリントとは何か掘り下げてみる。

端的に言えば、カーボンフットプリントとはカロリーみたいなものである。健康意識が高まった昨今、食品を選ぶ際にカロリーの大きさが購入の判断基準となっている人は決して少なくないだろう。カロリーを見て食品を選ぶように、カーボンフットプリントが購入の判断基準となるのだ。概念的には、カーボンフットプリントとはそのようなものだ。

ここで、カロリーとは何か簡単に触れたい。カロリーとは、人間が活動するためのエネルギー源である。一般的にkcalで表される。
カロリーは100gあたりのタンパク質(P)、炭水化物(C)、脂質の量(F)から構成されており、以下の計算式で求めることができる。

カロリー〔kcal〕=(P〔g〕+C〔g〕)× 4 〔kcal〕+ F〔g〕× 9〔kcal〕

鯖缶とギリシャヨーグルトの具体例を下記に示す。

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鯖缶
222〔kcal〕=(14.7g+6.7g)× 4 + 15.2g × 9
ギリシャヨーグルト
67〔kcal〕=(11.9g+5.0g)× 4 + 0.0g × 9

脂質を多く含むものがカロリーが高いのは、1gに9kcalと他の主要栄養素と比べて倍以上あるためだ。

カーボンフットプリントに話を戻すと、カーボンフットプリントとは以下の通りである。

商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2 に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み
(出典:カーボンフットプリント(CFP)の概要 - 経済産業省)

注目すべきポイントは、冒頭の部分のライフサイクルである。カロリーと同様にカーボンフットプリントも因数分解をすることができ、基本的に素材製造輸送使用廃棄で構成されている。

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(出典:Allbirds HP)

Allbirdsでは、それぞれの構成要素に対して、再生型農業再生可能素材環境的責任のあるエネルギーの観点から定量的なマイルストーンを設定し、2025年までに50%削減(7.0 kg CO2e)、2030年までに95%削減(1.0 kg CO2e以下)を目標として掲げている。
ファッション業界では、素材および製造において多くの温室効果ガスを排出している。その原因の一つが石油由来素材というわけだ。これを天然素材やリサイクル素材に代替することによって、温室効果ガスの排出量を抑制し、カーボンフットプリントを削減しようとしているわけだ。

また、ファッション業界に限らず、カーボンフットプリントの構成要素は上記と同様のライフサイクルが成り立つといえる。そして、素材調達や製造プロセスのあり方について、多くの業界でメスが入ろうとしている。

このように、カーボンフットプリントをカロリーのように因数分解して見ることによって、イメージしやすくなったのではないだろうか。
いずれにせよ、カーボンフットプリントもカロリーも取り過ぎは健康に支障をきたす。

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