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天然素材への原点回帰

センセーショナルなメッセージをわたしたちに発信している。

本日8月19日にサステナブルブランドのAllbirds(オールバーズ)が天然素材由来のパフォーマンスウェアを発売する。

そもそもスポーツブランドで作れているパフォーマンスウェアは吸汗速乾性や通気性といった機能を発現させるために、ポリエステルやナイロンといった合成繊維に加工を施している。そして、その合成繊維は石油由来である。

また、耐久性の観点から、天然素材に比べて石油由来の合成繊維は優れている。今回発表されたAllbirdsの天然素材パフォーマンスウェアは、合成繊維と遜色ない機能性や耐久性を有しているようだ。おそらくトップアスリートが使用するような機能性を発現するとは思えないが、わたしたち一般消費者が使用する分には申し分ないだろう。

何といってもAllbirdsにおける最大の特徴は、素材調達から廃棄までの一連のプロセスで排出されるカーボンフットプリント*が可視化されていることである。これはこのプロダクトに限った話ではないが、Allbirdsから発売されているシューズやアパレル製品はカーボンフットプリントが表示されている。
例えば、今回発売されるMen's Natural Run Teeのカーボンフットプリント排出量は9.2 kg CO2eである。Allbirdsは現状をベースラインとして、この量を2025年までに50%削減(7.0 kg CO2e)、2030年までに95%削減(1.0 kg CO2e以下)を目標として掲げている。

カーボンフットプリント*
商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2 に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み
(出典:カーボンフットプリント(CFP)の概要 - 経済産業省)

このように、Allbirdsは昨今の気候変動問題に対して、カーボンを多く排出する石油由来の代替として天然素材やリサイクル素材を活用することによって、従来のファッションビジネスモデルのあり方を刷新しようとしている。もともと、わたしたちはシューズもアパレルも天然素材で作られたものに身を纏っていたが、科学や技術の発展に伴い石油由来のものが当たり前となってしまった。長い歴史で見ても、わずか80年の歴史である。
Allbirdsのアンチテーゼは見方を変えれば、天然素材への原点回帰と捉えることもできる。そして、わたしたちの消費行動のあり方や選択肢の一つに “サステナビリティ” を添えているように見える。

Allbirdsの取り組みが一人でも多くの方に触れることを、心より願っている。




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