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心惹かれる本。素敵な読書の記事。

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2021年1月の記事一覧

2020年に読んで面白かった本 8冊。

2020年に読んで面白かった本 8冊。

2020年に読んだ本は約60冊。だいたい週1冊くらいのペースで読みました。この中から面白かった本8冊を【実用書】【教養】【アート】のカテゴリに分けてピックアップしてみました。

【実用書】 2冊- 書くのがしんどい / 竹村 俊助編集者、株式会社WORDS代表取締役・竹村俊助さんのnote記事の書籍化。
”文章の書き方”の本は何冊も読んできたけれど、”根本的”な部分と”具体的”な部分がバランス良く

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『孤独の発明』 ポール・オースターに触れる

『孤独の発明』 ポール・オースターに触れる

小説や詩を読んだ時に、抵抗なく心の中に入り込んでくる語や文があることは、誰しも覚えがあると思います。どこかで出会ったような、郷愁感みたいな、自然に心に入ってくるものです。

次の引用はポール・オースターが書いた『孤独の発明』の冒頭の部分です。はじめてこれを読んだ時、理屈や言語を超えて、まるで懐かしいものに出会ったように感じました。

引用部の英文は、「死」について一見ありふれた描写です。表層的には

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この「このミステリーがすごい!」海外編歴代1位作品がすごい!

この「このミステリーがすごい!」海外編歴代1位作品がすごい!

 

 これまで、通算33作品を数える「このミステリーがすごい!」の海外編歴代1位作品。

 自分が海外翻訳ミステリーを読み進めるに当たっては、とりあえず全部読んでみようと思い、毎年、5〜6作品ずつ読んできたのですが、先日、ついにコンプリートしてしまいました!

 コンプリートを記念して、この海外編歴代1位作品について、考えたことを”note”していきたいと思います。

【海外編歴代1位作品一覧】

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書き続けることをやめないために、1冊の本を読んだ話。

書き続けることをやめないために、1冊の本を読んだ話。

「毎日書かなくてもいいのではないか?」

そんな感情と毎日戦いながら、夜10時ごろからnoteのページを開き、何かしら文字を打つ。こんな文章で良いのだろうか、と思いながら日付が変わらぬうちに「公開」ボタンを押す。

毎日書くという生活を始めて、90日以上が過ぎた。3ヶ月。1季節。秋から冬になった。

夕方頃に、今日はこれを書こうと題材がすっと決まる日もあれば、夜11時になっても何を書こうか決まらず

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短編集じゃないけど、薄い本の話(海外編)

短編集じゃないけど、薄い本の話(海外編)

  thin book 2

 かなり前に記事にした「薄い本」について、前回は(日本編)だったので、今回は(海外編)について”note”したいと思います。

 私の基準では、「薄い本」とは、”ブックカバーを合わせづらい、スピンの位置がずれる本” としています。
 ページ数で言えば200ページ前後ぐらいの本なんですが、この条件を満たす本を紹介していきます。

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 「薄い本」につい

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名探偵 赤ずきん

名探偵 赤ずきん

青柳碧人さんの童話シリーズ。前作『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は日本の昔話をミステリーで読み解く、短編集だった。それぞれのお話の特徴が謎解きの鍵となっていて、とても面白かった。例えば“一寸法師”なら打出の小槌、“浦島太郎”なら竜宮城と外界との時間の流れの違い。昨年の本屋大賞にもノミネートされた良作だ。表紙のイラストは、五月女ケイ子さん。表紙を眺めるだけでも可愛くて楽しい。

そし

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