入里灯(いりひ)

Sigma fp でときどき写真を撮っています。ネコ好き。

入里灯(いりひ)

Sigma fp でときどき写真を撮っています。ネコ好き。

マガジン

最近の記事

Sigma fpで猫を撮る

「ねこに未来はない」とは猫好きにとっていささかショッキングなタイトルです。内容がタイトル通りのものかについては、私は違うとおもいます。 写真は散歩中に出会うねこ達です。賢さ、したたかさ、無心、ぬくもり、問いかけなど、いろいろな表情をみせてくれます。その姿は自分達の未来を気にしているようには見えません。 ねこの不在による心の虚ろさは消えませんが、不在を問うことによって気持ちが前を向くことは確かです。そして飼い主はねこの不在から何かが伝わってくることに気がつき、想像力が動き始

    • APO-LANTHAR 50mmで猫を撮る

      Sigma fpとAPO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM(以下APO50と表記)で猫を撮ってみました。マウントアダプターはSHOTEN LM-LSL(ヘリコイド無)です。見出し画像、それに続く5枚は開放F2です。最後の写真でBiogonの絞り値は不明です。 (fp+APO50)の使用記をネットやYouTubeで調べてみました。参考になるものはありますが、意外に少ないという印象です。なぜだろうと思いながらコシナのHPを見ると、APO50について次の

      • Sigma fp で撮る日常①

        Sigma fp にはファインダーがありません。構図にこだわる人にはオプションの電子ビューファインダーが必要かもしれませんが、日常スナップではファインダーがなくてもfpは十分すぎるほどの性能を発揮します。今回使用したレンズはシグマContemporaryシリーズの35mm F2 DG DNです。ノーファインダーで直感的にサッと撮るにはやはりAFレンズが便利です。 こうして何枚か並べてみると、Sigma fp はアンダー気味に撮ると雰囲気のある写真になるようです。私は、撮った

        • 切磋琢磨とSigma fp(最初の一歩)

          最近、Sigma fpを使いはじめました。レンズは「Sigma fp オールドレンズ」で検索するとよく登場するレンズ、PENTAX SUPER-TAKUMAR 55mm F1.8です。 飯田鉄さんの「レンズ汎神論」(日本カメラ社)にPENTAX SUPER-TAKUMAR 55mm F1.8のことが書いてあります。 「切磋琢磨の心が刻まれたレンズ」が「平凡で非凡な勤労者」に受け入れられたところに、スペックだけでは語れないタクマーレンズの魅力があるのかもしれません。 過去

        Sigma fpで猫を撮る

        マガジン

        • 思い
          12本
        • 本の紹介
          7本
        • Nikon Df と マニュアルレンズで撮った写真
          11本
        • フィルム写真
          4本

        記事

          Ai Nikkor 35mm F2Sの優しい写り

          最近気になっていたAi Nikkor 35mm F2Sを入手しました。 Nikkor 35mm F2スペックのレンズは1965年から2005年までモデルチェンジを繰り返しながら製造されました。入手したAi Nikkor 35mm F2Sは最終バージョンのレンズですが、残念ながらSIC(スーパー・インテグレイテッド・コーティング)モデルではありません。既に所有していたNikkor-O Auto 35mm F2(Ai改)については次の記事で紹介しています。 Ai Nikkor

          Ai Nikkor 35mm F2Sの優しい写り

          Nikon D40xを生かすレンズ

          コンパクトなNikon D40xをお気軽な散歩カメラに仕立ててみました。マッチする広角ズームレンズとして、AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDを選びました。理由は、385gと軽量であること、低価格の割には画質の評価が高いこと(価格.com、デジカメinfo等)、フルサイズ対応の超広角レンズであることの3点です。 最初に考えた候補は、『Nikonレンズのデジタル描写』という雑誌で紹介されているAi AF-S Zoom Nikkor ED 17-3

          Nikon D40xを生かすレンズ

          マイクロズームニッコールの空気感

          カメラとレンズは軽いものにしたい。散歩の時は特にそう思う。しかし、慣れ親しんだデジタル一眼と重い大口径レンズを手離す気にはなれない。例えばAuto Nikkor 85mm F1.8(420g)を使おうとすると、Nikon Dfの765gを加え1kg以上を肩にかけることになる。軽快ではないが必要な重さである。 ズームレンズはあまり使ったことがない。オールドレンズに興味があるのでAI Zoom-NIKKOR 43~86mm f3.5を借りて使ったことはある。43~86mmという

          マイクロズームニッコールの空気感

          Nikon D40Xで20mmレンズを試す

          最近は、Nikon D40XとGN Auto Nikkor 45mmの組み合わせで撮っていました。CCD機の軽いボディとパンケーキレンズは気軽に使えるところがいちばんです。ところが、APS-CのD40Xに45mmレンズでは約67mmの中望遠になってしまいもう少し広く撮りたいときがあります。そこでフルサイズ用レンズのAF-S NIKKOR 20mm f/1.8Gを使うと、D40Xでは30mmの広角レンズになります。狙いはよかったのですが、広角レンズには難しいところがあります。広

          Nikon D40Xで20mmレンズを試す

          CCD時代を生きたNikon D200で遊ぶ

          チョートクさん(田中長徳氏)の言葉。 一理あるが、全くそうだともいいきれない。「過ぎ去るモノとしてのデジカメ」はたくさんある。しかし、過去のデジカメでも魅力的なものがまだ存在する。そのひとつが Nikon D200 である。2005年の発売から17年経過しているが、写真を楽しむのに相応しいデジタル一眼としての価値は色あせていない。手にしたときに伝わる「モノとしての良さ」に魅力を感じる人は少なくない。noteやWeb上の記事において、D200ユーザーの熱い思いや愛着が語られて

          CCD時代を生きたNikon D200で遊ぶ

          ちょうちょになった「くまモン」

          ☆ 最近、人に会ったり、くまモンを見ながら散歩をしたり、猫と遊んだりしたあと、自分に見えていないものがあると思うようになった。世の中のことについて知らないことが山ほどあるが、そういう意味ではない。もっとよく考えたり、落ち着いて感覚を働かせると、見えてくるものがあるのではないかということである。あるいは、見ようとしない心の作用があるのかもしれない。自分に見えていないものがあるとは、自分自身について知らないということの裏返しなのだろうか? ☆ ヘッダーとくまモンは、 D61

          ちょうちょになった「くまモン」

          「美しい花」と「花の美しさ」

          今日は桜雨ですが、そろそろ見頃になってきました。 ☆ 「くまもと花とみどりの博覧会」が開催中です。 ☆ 小林秀雄の当麻(たえま)という作品に次の文章がある。 この「花」については出典に注解があり、「世阿弥の能楽論の用語。観客が珍しいと思い、面白いと感じる演技の魅力、の意」と記されている。つまり、具体的な心身の動きで魅せようとする演出が花であり、その花によって観客の心が揺さぶられるとするなら、そこに花があると思われる。小林秀雄は美学者を茶化しながら、美は具体的なものを

          「美しい花」と「花の美しさ」

          AF-S NIKKOR 50mm F1.8G を試す

          Nikon D610 で NikonAF-S NIKKOR 50mm F1.8G(Special Edition)を使ってみた。ヘッダー画像はガラス越しに絞り開放で撮ったので微妙なボケ具合だ。 ☆ NikonAF-S NIKKOR 50mm F1.8G はコストパフォーマンスが優れたレンズである。次の作品がそれを裏付けている。 ☆ この数年マニュアルレンズだけを使ってきた。久しぶりにオートフォーカスレンズを使ってみるとやはり違和感があった。左手でピントリングを回すかわ

          AF-S NIKKOR 50mm F1.8G を試す

          中古カメラ遊び Nikon D610

          ☆ DfのサブとしてNikon D610を使いはじめた。オールドニッコールが直に装着できるデジタル一眼で、光学ファインダーであるという条件で選んだ。 D610は2013年発売だから中古品が手ごろな値段で出まわっている。入手したD610は傷・スレが少なくショット数も少ない。しばらく使ってみて機能に問題がなければ当たりである。 単なるカメラ遊びとはいえ、この1年あれこれ探しながら現実と想像の世界を行ったり来たりすることは楽しかった。 次の3枚は、Auto Nikkor 3

          中古カメラ遊び Nikon D610

          看板猫とエリック・クラプトン

          いつもより少し遠くまで散歩していたら、中古レコード店に猫がいるのを見つけた。入店してレコードやCDを一通り見た後、看板猫の写真を撮らせてもらった。私が猫好きだとわかると暖かいスキンシップでおもてなしをしてくれた。店主に話を聞くと看板猫は心の支えになっているらしい。個人的なことや震災でつらい思いをされたようだ。「ハリーとトント」、「ボブという名の猫」、「養老センセイとまる」のような関係に思われた。 店内をみているとエリック・クラプトンのCDを見つけた。スローハンド(エリックの

          看板猫とエリック・クラプトン

          『美を膝の上に座らせ・・・』とはナンノコトカ?

          人にはなんらかの芸術的才能が与えられているようだ。ただし、その才能を起爆させるものは必要である。 荒木経惟(あらき のぶよし)はどうだろうか?数々の写真賞、芸術賞を受賞し、「オーストリア科学・芸術勲章」を日本人として初めて受章していることから、荒木経惟が世界的な写真家、芸術家であることに異をとなえる人はいないだろう。荒木経惟がただのエロ写真家、ポルノ写真家ではないことはたしかである。 荒木経惟の才能は作品の中にどう昇華されているのだろうか。荒木経惟の作品を「私小説」として

          『美を膝の上に座らせ・・・』とはナンノコトカ?

          寅年とカール・サンドバーグの詩

          2022年の干支にちなんで猫のイメージがただよう詩をひとつ。 アメリカの詩人カール・サンドバーグ(Carl Sandburg, 1878 -1967)の"Fog"という詩です。 The fog comes on little cat feet. It sits looking over harbor and city on silent haunches and then moves on. 霧はやってくる、 小さな猫足で。 そっと腰を下ろして、 港と町を

          寅年とカール・サンドバーグの詩