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98. 【詩】 熱病

好きなものを
素直に好きと言える世界は
思い遣りという名の想像
水色のサンクチュアリ

パラダイスと言うにはあどけなく
ヘブンと言うには少し足りない
あっけらかんと日の昇る
折り紙色の日常は
いつも傍にある

モノトーンの部屋で
息をするものは
白い胡蝶蘭と
かの人の細い裸身
スコンと抜けた
硝子越しの視界からは
真に見つめたいものが見えず
堂々とした空だけが
惜しみなく広がっている

体熱が明日を
じわじわと曖昧にする
音を置き去りにする喉の痛み
足元を不安にさせる標高
けれども思い出す
キラリと音を発した
かの一言が
蜘蛛の糸

        ***🩵🪩🩵***

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