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親を見送るということ- 突然の告知 編-
父が近所の耳鼻科の先生から大学病院を紹介されたのは、2020年初夏のことだった。
咽頭癌の疑いがある、とのことだった。
1度目の緊急事態宣言が解除されたころから「喉風邪がなかなか治らない」と言っていた父。
かかりつけの病院で薬は処方されていたものの症状は一向に改善せず、肺のレントゲンを撮っても異常はみられなかった。
1ヶ月以上こんな状態が続いたため、耳鼻科を受診させたところで話は冒頭に戻る。
先生
口がきけない私 〜保育園編②〜
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保育園には行きたくはなかったが、行かなければいけないのではとも思っていた。
私は誰とも口をきくことはなかったが、何となく関わってくる子はいた。
子供の世界では口をきこうがきかなかろうが、あまり関係無いのかもしれない。
何となくコミュニケーションは取れるものだ。
私はラジオ体操が嫌いだった。
頑張ることや張り切ることが恥ずかしかったので、ひとり下を向いて拒否していた。
口がきけない私 〜保育園編①〜
私の最初の記憶は、それは硬い臭い塊を口の中に押し込まれる感覚だった。
それが哺乳瓶だったことをずいぶん後になって知った。
母乳の出が悪かった母は哺乳瓶で粉ミルクを飲ませようとしていたらしいが、私は断固拒否していたらしい。
母乳の出が悪くても母の乳房は柔らかくていい香りがしたのだ。
「あんな硬くてゴム臭い乳首なんかに騙されるものか」
きっと私はそう言いたかったのだ。
私は長子として生まれた、女