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往復書簡

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画家 小河泰帆とタシロサトミの往復書簡。制作について、日々思うことについてやりとりしていきます。
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#往復書簡

美術史に名を刻む方法とか 往復書簡#44

美術史に名を刻む方法とか 往復書簡#44

画家・小河泰帆さんとの往復書簡44回目です。
前回はこちら。

小河さんがあげた美術館の展覧会で私も見たのは、アブストラクション、マティス、蔡國強、テート、ワールドクラスルームです。これ以外でこの夏に見たのは、DIC川村記念館でジョセフ・アルバース、山梨県立美術館でミレーと4人の現代作家たち、東京都現代美術館でホックニーと「あ、共感とかじゃなくて。」、オペラシティアートギャラリーで野又穣ですね。

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出鱈目で薄情な子供が信頼するもの 往復書簡#42

出鱈目で薄情な子供が信頼するもの 往復書簡#42

画家・小河泰帆さんとの往復書簡42回目ですよ。
前回は活動休止していた期間のお話でした。

小河さんの9年間はとても充実した、インプットの期間だったのだなと思いました。
育児で活動休止されていた期間も、「やめたつもりはなく、またいつか描くと思ってました」とありましたが、その感覚はわかります。私も絵に対する感情って、安定しているというか信用している感じがあって、一時的に離れたとしても大丈夫だと思えま

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育児で9年間の活動休止。その時どうだったのかなどなど。

育児で9年間の活動休止。その時どうだったのかなどなど。

画家・タシロサトミさんとの往復書簡41回目です。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、更新です!お待たせしました!
前回はこちらです。

文章も絵も慣れですね。書くことが習慣にならないと、書けないものだなぁと思います。もっとマメに書かないとね。
今回ちょっと書き方を実験しております。文章を書こうとすると考えすぎて硬くなってしまうので、音声入力で書いてみてます。音声入力をして後でその文章を添削して書い

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作品のサイズについて 往復書簡#35

作品のサイズについて 往復書簡#35

画家・タシロサトミさんとの往復書簡35回目です。
前回はこちらです。

タシロさんの嘘についての考察、作品とのつながりなど、とても面白く読ませていただきました。こういうやり取り、普段の会話だとなかなかできないものですよね。言葉として書かれるからこそ明確になる。良いですね。

作家さんによって得意なサイズってありますよね。
私も現在は100号(130×162cm)〜0号(18×14cm)まで、いろん

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noteの効果と思ったこと。小河の場合 往復書簡#33

noteの効果と思ったこと。小河の場合 往復書簡#33

画家・タシロサトミさんとの往復書簡33回目です。
前回はタシロさんのひとり年末反省会と、違うということでした。

料理中に絵が見えて火加減調整のタイミングングを逸するってあるあるですよね。
私も家事をしてる途中で絵を描きに行ってしまうことは多々ありです。その確率が一番多いのは洗濯物かな。洗濯機回してる間に絵のことに集中してしまい、干すのを忘れちゃう。家とアトリエが一緒で制作の合間に家事ができるのは

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自分の機嫌の取り方 小河の場合 往復書簡#31

自分の機嫌の取り方 小河の場合 往復書簡#31

画家・タシロサトミさんとの往復書簡31回目です。
文章を考えるって脳の普段使ってない部分を触ってるようでいいですね。頭の中がワシワシします。

前回はこちら

在廊して自分の作品見るのいいですよね。
タシロさんの武蔵美FALでの展示は空間の広さと作品の大きさが相まって包み込まれるような感じで気持ちよかったです。

会期の後半は疲労でヘロヘロわかります〜。普段は人と会って話すことが少ないので、私もよ

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在廊中にどうしているか。往復書簡#29

在廊中にどうしているか。往復書簡#29

画家・タシロサトミさんとの往復書簡29回目です。
前回はこちら、タシロさんの作品タイトルつけ方のお話でした。

タシロさんは私と違ってシリーズでタイトルづけをされてるのでその理由と、シリーズ名を変えるときはなぜそうするのか興味あったので今回聞けてよかったです。
シリーズでつけてる方ってずーーっと変えない方も多いので。

そういう感覚すごく面白い。
私は言葉でも風景でも元々のものから膨らんで変化して

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作品タイトルをつける時。小河の場合 往復書簡#27

作品タイトルをつける時。小河の場合 往復書簡#27

画家・タシロサトミさんとの往復書簡27回目です。
前回はタシロサトミさんの図書館司書時代のお話を伺いました。

とのことですが、言われてみたらその通り、図書館で調べ物をしたいお客様にどの本が良いかおすすめするのも知識と技術が必要ですものね。かなりの読書家で探究心がないと務まらない仕事だと思います。それを9年間もやっていたなんてすごい!尊敬です。その経験が今の制作につながっているのも良いですね。

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映画だったり他者との距離感だったり最近見た展覧会だったり。 往復書簡#23

映画だったり他者との距離感だったり最近見た展覧会だったり。 往復書簡#23

タシロサトミさんとの往復書簡23回目です。
新しい発見がたくさんあるなと、毎回思います。

タシロさんが映画好きというのは以前もちらっと聞いてはいたのですが、見てる作品が深くていいですね。
コーエン兄弟は私も見ましたが、ウディ・アレンは実はそんなに見てない。「ハンナとその姉妹」未見なので、この機会に見てみたいです。「脳内ニューヨーク」も面白そうですね。
白黒映画の淀川長治セレクト、すごそう! 今で

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演劇、映画、デビット・リンチ #往復書簡21

演劇、映画、デビット・リンチ #往復書簡21

画家・タシロサトミさんとの往復所管21回目です。
前回からだいぶ時間が空きました。すみません。人生いろいろでして、こういう時もありつつ、長い目で見てくださったら嬉しいな〜。ということでお返事です。
前回のタシロさんの舞台芸術を鑑賞すること 往復所管#20 興味深く読ませていただきました。

私は劇団⭐︎新感線、キャラメルボックスはみたことありますが、ナイロン100と大人計画を見損ねてる!タシロさん

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舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

画家・小河泰帆さんとの往復書簡20回目です。
前回のお話は絵画作品以外の、影響を受けたり参考にしているもののお話でした。

やはり小河さんにとっては演劇が柱なのですね。「才能というのは、夢を見続ける力のこと」、いいセリフですね。

私、第三舞台はみたことないのです。劇団☆新感線と演劇集団キャラメルボックス、大人計画、ナイロン100℃はそれぞれ1.2回だけ見たことあって、なんとなく雰囲気がわかる程度

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影響を受けたり参考にしているもの 往復書簡#19

影響を受けたり参考にしているもの 往復書簡#19

画家・タシロサトミさんとの往復書簡19回目です。
前回のタシロさんのSNSの利用の仕方や著作権についてのご意見、SNSが生存確認的になってるというの、私もそうなので一緒だな〜と思ったり、著作権についてはその時その時で法律も変わって来ているので、情報を更新してゆくことも必要だし、その時代の変化を感じる場としてのSNSの速度は良いところでは?と思うところもあるので、マイナス面がありつつも、便利に使えれ

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作家活動とSNSについて 往復書簡#17

作家活動とSNSについて 往復書簡#17

画家タシロサトミさんとの往復書簡17回目です。

前回のタシロさんの作品管理のお話、とっても参考になりました。
私、作品管理表作ってないんですよ。面倒で放置したまま10年以上。その間に作品は増え続けているのですが、なんとな〜くこのあたりに〇〇年の作品、価格は〜〜ええっと、パソコンのあっちのホルダーにあったっけ???うーん、検索せね〜と言う感じ。なので、急な作品問い合わせがあったときは毎回大慌てです

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事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

画家・小河泰帆さんとの往復書簡16回目です。
前回は絵を描くことの快感についてでした。

特に快感なのは描き出しとのこと、よくわかります。むちゃくちゃ気持ちいいですね。

あの気持ちよさの一番古い記憶はどれだろうと記憶をたどると、小学校にあがる前くらいの頃カレンダーの裏にしたお絵かきで、月の終わりに母親が壁掛けカレンダーを一枚破いて渡してくれて、お絵かき帳よりも大きなサイズの紙なので嬉しかったのを

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