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往復書簡

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画家 小河泰帆とタシロサトミの往復書簡。制作について、日々思うことについてやりとりしていきます。
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絵に求めるもの、活字の限界 往復書簡#26

絵に求めるもの、活字の限界 往復書簡#26

画家・小河泰帆さんとの往復書簡26回目です。
前回はこちらです。

教育実習での「一般教養としての美術」、なかなか難しいですね。作家にとっての美術はそういうものではないから、けっこう頑張って想像力を働かせないと掴みづらい感じがあります。

ひところビジネス書の出版社が美術関連書籍をつづけて発行していたので、何冊か読んでみたことがありますよ。ビジネス書がターゲットにしているような層は、どんな鑑賞体験

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展覧会だったり教職だったり 往復書簡#25

展覧会だったり教職だったり 往復書簡#25

画家・タシロサトミさんとの往復書簡25回目です。
前回はこちら。

お互いに見た映画や美術のことを往復書簡としてやりとりするのは面白いですね。
情報の交換とともにお互いの考え方の違いなども垣間見えて面白い。

ゲルハルトリヒター展、私も行きました。
リヒターの硬質な突きつけられるような画面、タシロさんも書かれてますが、共感によって気持ち良くなることを拒否している絵に見えたというのは私も同じです。圧

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最近みた展覧会、リヒターとか 往復書簡#24

最近みた展覧会、リヒターとか 往復書簡#24

画家・小河泰帆さんとの往復書簡24回目ですよ。
前回はこちら。

友人たちとミニシアターでオールナイト興行、とても楽しそうです。映画館の椅子の感触と眠気もセットで、良い思い出ですね。
私、オールナイト興行は15年くらい前に、タランティーノとロドリゲスの映画数本立てを見に行ったことあります。両監督による「グラインドハウス」という、60-70年代アメリカB級低予算映画へのオマージュ作品の、日本公開にあ

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映画だったり他者との距離感だったり最近見た展覧会だったり。 往復書簡#23

映画だったり他者との距離感だったり最近見た展覧会だったり。 往復書簡#23

タシロサトミさんとの往復書簡23回目です。
新しい発見がたくさんあるなと、毎回思います。

タシロさんが映画好きというのは以前もちらっと聞いてはいたのですが、見てる作品が深くていいですね。
コーエン兄弟は私も見ましたが、ウディ・アレンは実はそんなに見てない。「ハンナとその姉妹」未見なので、この機会に見てみたいです。「脳内ニューヨーク」も面白そうですね。
白黒映画の淀川長治セレクト、すごそう! 今で

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悲喜劇と白黒映画、見せない面 往復書簡#22

悲喜劇と白黒映画、見せない面 往復書簡#22

画家・小河泰帆さんとの往復書簡22回目です。
前回は好きな映画のお話で、デビット・リンチへの愛が溢れる記事をありがとうございました。

私、デビット・リンチが絵を描いてるのを知ったの、つい10年位前なんですよ。渋谷ヒカリエがオープンしたての頃、8/でリトグラフを見ました。それまで彼のことを映画監督だと思っていたので、作品がとてもよくて驚いたのですが、同時に納得したのを覚えています。
デビット・リン

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演劇、映画、デビット・リンチ #往復書簡21

演劇、映画、デビット・リンチ #往復書簡21

画家・タシロサトミさんとの往復所管21回目です。
前回からだいぶ時間が空きました。すみません。人生いろいろでして、こういう時もありつつ、長い目で見てくださったら嬉しいな〜。ということでお返事です。
前回のタシロさんの舞台芸術を鑑賞すること 往復所管#20 興味深く読ませていただきました。

私は劇団⭐︎新感線、キャラメルボックスはみたことありますが、ナイロン100と大人計画を見損ねてる!タシロさん

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舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

舞台芸術を鑑賞すること 往復書簡#20

画家・小河泰帆さんとの往復書簡20回目です。
前回のお話は絵画作品以外の、影響を受けたり参考にしているもののお話でした。

やはり小河さんにとっては演劇が柱なのですね。「才能というのは、夢を見続ける力のこと」、いいセリフですね。

私、第三舞台はみたことないのです。劇団☆新感線と演劇集団キャラメルボックス、大人計画、ナイロン100℃はそれぞれ1.2回だけ見たことあって、なんとなく雰囲気がわかる程度

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影響を受けたり参考にしているもの 往復書簡#19

影響を受けたり参考にしているもの 往復書簡#19

画家・タシロサトミさんとの往復書簡19回目です。
前回のタシロさんのSNSの利用の仕方や著作権についてのご意見、SNSが生存確認的になってるというの、私もそうなので一緒だな〜と思ったり、著作権についてはその時その時で法律も変わって来ているので、情報を更新してゆくことも必要だし、その時代の変化を感じる場としてのSNSの速度は良いところでは?と思うところもあるので、マイナス面がありつつも、便利に使えれ

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SNSのマイナス面、著作権とか 往復書簡#18

SNSのマイナス面、著作権とか 往復書簡#18

画家 小河泰帆さんとの往復書簡18回目ですよ。
前回に引き続き、作家活動とSNSについてのお話です。

SNSはいろいろな使い方ができるので、悩ましいですよね。
私自身、確固たるポリシーがあるわけでもなく何となく日々使っているので、小河さんの文章を読んでだいぶ整理できた感じがしました。

マイナス面として挙げられていた著作権トラブルは、巻き込まれると本当に面倒だし深刻なので、できることなら一生煩わ

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作家活動とSNSについて 往復書簡#17

作家活動とSNSについて 往復書簡#17

画家タシロサトミさんとの往復書簡17回目です。

前回のタシロさんの作品管理のお話、とっても参考になりました。
私、作品管理表作ってないんですよ。面倒で放置したまま10年以上。その間に作品は増え続けているのですが、なんとな〜くこのあたりに〇〇年の作品、価格は〜〜ええっと、パソコンのあっちのホルダーにあったっけ???うーん、検索せね〜と言う感じ。なので、急な作品問い合わせがあったときは毎回大慌てです

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事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

事務仕事のスイッチ 往復書簡#16

画家・小河泰帆さんとの往復書簡16回目です。
前回は絵を描くことの快感についてでした。

特に快感なのは描き出しとのこと、よくわかります。むちゃくちゃ気持ちいいですね。

あの気持ちよさの一番古い記憶はどれだろうと記憶をたどると、小学校にあがる前くらいの頃カレンダーの裏にしたお絵かきで、月の終わりに母親が壁掛けカレンダーを一枚破いて渡してくれて、お絵かき帳よりも大きなサイズの紙なので嬉しかったのを

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絵を描くことの快感 往復書簡#15

絵を描くことの快感 往復書簡#15

画家・タシロサトミさんとの往復書簡15回目です。
往復書簡として書いているとお手紙の返事を書くように、次を書かなくてはと思うのでいいですね。自分1人だと文章は絶対に書きつつづけられないな。文章化できるようになるのが今年の課題なので勉強になっています。

前回のタシロさんの変形パネルについてお伺いして、パネルの輪郭さえも描画するような意識や、物質感が大切と言うことなど、なるほどな〜と思いました。

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不定形パネルと触覚について 往復書簡#14

不定形パネルと触覚について 往復書簡#14

画家・小河泰帆さんとの往復書簡14回目ですよ。
前回は完成を決めるタイミングについてのお話でした。

完成を決める難しさ、本当にそうだよなと思いました。

自宅の壁に飾っての検証は、時間が許すかぎり私もよくやります。
この作業、私は作品を忘れないとできないので、数日のあいだ絵を隠しておきます。
描いたばかりの作品は、自分と一体化してしまっている感覚があります。たっぷり絵具を含んだ筆を滑らせた時の快

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完成を決めるタイミングについて 往復書簡#13

完成を決めるタイミングについて 往復書簡#13

画家・タシロサトミさんとの往復書簡13回目です。
前回はタシロさんの色彩について、混色する理由についてお伺いしました。
タシロさんの色彩は私にはないもので、絵の具の質感や盛り上がり方にフェティッシュな美しさを感じるんですよね。そしてとても美味しそう。いいな〜と最初に作品を見た時からずっと思ってます。

さて、今回のお題完成を決めるタイミングについて。

完成を決めるタイミングは難しいですよね。

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