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美術のことを中心に、ニッチなことを書いていきます。湘南のとあるカフェで、自作のアート系…

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美術のことを中心に、ニッチなことを書いていきます。湘南のとあるカフェで、自作のアート系フリーペーパー配布中。

記事一覧

青いYAMAHAパッソル

かれこれ20年くらい前にYAMAHAのパッソルという昭和レトロな原付に乗っていた。 当時すでにレアなレトロ原付で、走っていると注目されることもしばしば。 「あ、パッソル…

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2週間前
17

私淑というものをしてみたかった

私淑というものをしてみたいと思った。 日本美術の流派のひとつである琳派は私淑で成り立っているという。 琳派の代表的な絵師には俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らがいる…

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1か月前
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沼津の本屋さんで 赤瀬川原平写真展

静岡県の沼津にあるリバーブックスという本屋さんで開催されている赤瀬川原平さんの写真展へ。 沼津は私の地元。しかも赤瀬川原平さんは私が敬愛する方。これは行かなけれ…

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2か月前
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地元で赤瀬川原平さんの写真展が!

この前の日曜は父の実家に用事があり沼津へ。 沼津市内に気になっている本屋があるので行こうか迷ったけど、寄らずに帰路についた。 夫の運転する車の助手席でスマホを見…

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2か月前
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シェア型本屋のひと箱古本市

私のお気に入りカフェのひとつ、シェア型本屋BOOKYさんで、ひと箱古本市というイベントが開催される。 このお店は藤沢市柄沢という駅からはちょっと歩くところにあり、主…

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3か月前
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岳南電車〜富士宮焼きそば

静岡県出身だけど岳南電車を見たことがなく。 よく話に聞くので気になっていて、この前のGWに見に行ってきた。 車で行ったので乗車はしなかったけど、駅舎とホーム、電車…

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3か月前
32

練馬区立美術館 池上秀畝展

練馬区立美術館で4/21まで開催の池上秀畝展を見た。 池上秀畝は明治、大正、昭和初期の日本画家。 この展覧会で初めて名前を知った。 見始めは少し物足りなさを感じた。 …

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4か月前
26

悩ましき図録

美術館に行くと欲しくなる図録。 以前は欲しいものは迷わず購入していたけれど、高い、重い、そして何より分厚いので保管するのに場所をとるため今は買うのを我慢している…

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5か月前
24

尊い民間仏 「みちのくいとしい仏たち」

東京ステーションギャラリーで2/12まで開催されている「みちのくいとしい仏たち」へ。 同展で展示されているのは、何とも愛らしい民間仏。 これまで数多くの仏像を観てき…

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6か月前
34

神奈川県立歴史博物館と横浜の夜景

今更だけれども、これは書いておきたいと。 昨年の11月のこと。神奈川県立歴史博物館に「足柄の仏像」展を見に行った。 神奈川県立歴史博物館はその建物が国の重要文化財…

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7か月前
32

鎌倉 報国寺方面からハイランド・浄明寺緑地方面への抜け道

11月に記事を書いた「黄金やぐら〜浄明寺緑地」。 その後、報国寺方面から浄明寺緑地への抜け道も歩いてきた。 若かりし頃、鎌倉が大好きであまり知らない鎌倉のスポット…

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8か月前
30

鎌倉国宝館「寳金剛寺ー密教美術の宝庫」

鎌倉国宝館12年ぶりの密教美術の企画展 12/3(日)まで開催されていた鎌倉国宝館の企画展『国府津山 寶金剛寺 ―密教美術の宝庫―』を観に行った。 これが、予想してい…

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8か月前
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赤瀬川原平さん 台北ビエンナーレ2023に出展

赤瀬川原平さんが好き。赤瀬川原平さんは前衛芸術家で文筆家。 私は全く芸術家ではないが、文章を書くことが好きなので文筆家としての赤瀬川さんを私淑している。 2014年に…

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9か月前
30

鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ②

黄金やぐら〜浄明寺緑地への階段を行く 迷いに迷って辿り着いた黄金やぐら。 さらにその先に進むと、記憶どおり階段があった。 階段の下に自転車を停めて登ることにした…

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10か月前
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鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ①

今よりもっと体力のあった若かりし頃、よく鎌倉で長い距離を歩いて散策をした。 街外れの切り通しや古道など、人の多い人気スポットとは全く違う雰囲気の鎌倉を歩くのが楽…

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10か月前
35

仮名をデザインする塾による「文字塾展」

元同僚から教えてもらったこちらの展覧会。 松本文字塾 文字塾展 東京出張 文字塾は塾生がそれぞれ1年をかけて明朝体の仮名をデザインする私塾とのこと。面白そう。 …

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10か月前
25
青いYAMAHAパッソル

青いYAMAHAパッソル

かれこれ20年くらい前にYAMAHAのパッソルという昭和レトロな原付に乗っていた。

当時すでにレアなレトロ原付で、走っていると注目されることもしばしば。
「あ、パッソルだ!」と指をさされたこともあった。

この写真は鎌倉の七里ヶ浜辺りか。海がよく似合う。Tシャツ姿でパッソルに乗る私は夏の海辺の景色に溶け込んでいたはず。日焼け対策を欠かさない今思うと恐ろしいけれど、めちゃくちゃ日焼けもしていた。打

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私淑というものをしてみたかった

私淑というものをしてみたかった

私淑というものをしてみたいと思った。

日本美術の流派のひとつである琳派は私淑で成り立っているという。
琳派の代表的な絵師には俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らがいるが、彼らは師弟関係にあったわけではない。それどころか生きた時代も被っていない。宗達が没して15年後に光琳が誕生しており、光琳の没後45年後に抱一が誕生している。彼らは宗達の、或いは光琳の作品を見ることで、私淑という形で影響を受け継承してき

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沼津の本屋さんで 赤瀬川原平写真展

沼津の本屋さんで 赤瀬川原平写真展

静岡県の沼津にあるリバーブックスという本屋さんで開催されている赤瀬川原平さんの写真展へ。

沼津は私の地元。しかも赤瀬川原平さんは私が敬愛する方。これは行かなければと足を運んだ。

リバーブックスという名の通り、お店は狩野川の近くにある。沼津駅から歩いて10分程度。レトロな建物の小さな本屋だ。

お店に入ると手前が新刊本を売る部屋となっていて奥はギャラリー。
まずは奥のギャラリーで赤瀬川さんの写真

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地元で赤瀬川原平さんの写真展が!

地元で赤瀬川原平さんの写真展が!

この前の日曜は父の実家に用事があり沼津へ。

沼津市内に気になっている本屋があるので行こうか迷ったけど、寄らずに帰路についた。

夫の運転する車の助手席でスマホを見ていたら、箱根方面に登っている最中にある記事を見つけた。

「赤瀬川原平の未発表作品を展示 沼津の書店」

これは私が今日行こうとしていた本屋ではないか。

私が尊敬して止まない赤瀬川原平さんの写真展が地元で開催されるなんて。しかも赤瀬

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シェア型本屋のひと箱古本市

シェア型本屋のひと箱古本市

私のお気に入りカフェのひとつ、シェア型本屋BOOKYさんで、ひと箱古本市というイベントが開催される。

このお店は藤沢市柄沢という駅からはちょっと歩くところにあり、主に藤沢市や隣接する鎌倉市、戸塚区などご近所の人たちがお客さんとなっている。

一方で、その居心地の良さにハマり都内から通ってくる常連さんもいる。

ひと箱古本市では7つのお店が出店し、出店者さん自らが本を手売り。本以外に雑貨なども並ぶ

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岳南電車〜富士宮焼きそば

岳南電車〜富士宮焼きそば

静岡県出身だけど岳南電車を見たことがなく。
よく話に聞くので気になっていて、この前のGWに見に行ってきた。

車で行ったので乗車はしなかったけど、駅舎とホーム、電車を見ることができた。

私は三島と修善寺を結ぶ伊豆箱根鉄道の沿線で生まれ育っていて、同じ静岡県の私鉄ということで似たような雰囲気を想像していた。

でも違った。

よりローカル色が濃いというのか。
長閑。初めて来たのに懐かしい空気。そし

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練馬区立美術館 池上秀畝展

練馬区立美術館 池上秀畝展

練馬区立美術館で4/21まで開催の池上秀畝展を見た。

池上秀畝は明治、大正、昭和初期の日本画家。
この展覧会で初めて名前を知った。

見始めは少し物足りなさを感じた。
上手いがゆえにクセのない印象を受けたからだ。

作品を見進めていくと、
「鳥の絵が多いな」と気づく。途中で秀畝は鳥を得意とした画家であると知る。

鳥の羽の細密な描写は見事!
見入ってしまった。

特に杉戸絵が良かった。

こちら

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悩ましき図録

悩ましき図録

美術館に行くと欲しくなる図録。

以前は欲しいものは迷わず購入していたけれど、高い、重い、そして何より分厚いので保管するのに場所をとるため今は買うのを我慢している。

でも昨年末から今年にかけて、何冊か買ってしまった。なんとか本棚の隙間に入れ込んでいる。

直近で買ったのはこれ。

これはまだコンパクトだった。

所蔵するなかで一番分厚く重いのはこれ。

私淑する赤瀬川原平さんの図録。
ぜったいに

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尊い民間仏 「みちのくいとしい仏たち」

尊い民間仏 「みちのくいとしい仏たち」

東京ステーションギャラリーで2/12まで開催されている「みちのくいとしい仏たち」へ。

同展で展示されているのは、何とも愛らしい民間仏。
これまで数多くの仏像を観てきたけど、今回は新鮮な体験だった。

バランスの取れた一流仏師作の美しい仏像とは違う、自由な造形。
専門の仏師が作ったものではないから決してうまくはないけれど、ほんとうの芸術を見た気がした。

体が四角い。どこからがら腕なのか。単純な形

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神奈川県立歴史博物館と横浜の夜景

神奈川県立歴史博物館と横浜の夜景

今更だけれども、これは書いておきたいと。
昨年の11月のこと。神奈川県立歴史博物館に「足柄の仏像」展を見に行った。

神奈川県立歴史博物館はその建物が国の重要文化財に指定されている歴史的建造物。
ドームを称えた外観が美しい。

「足柄の仏像」は以前に書いた鎌倉国宝館の「寳金剛寺展」の関連企画。

足柄地方の仏像を見る機会はこれまでほとんどなかった。
同展を見て心に残ったことが幾つかあるので、書き留

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鎌倉 報国寺方面からハイランド・浄明寺緑地方面への抜け道

鎌倉 報国寺方面からハイランド・浄明寺緑地方面への抜け道

11月に記事を書いた「黄金やぐら〜浄明寺緑地」。

その後、報国寺方面から浄明寺緑地への抜け道も歩いてきた。

若かりし頃、鎌倉が大好きであまり知らない鎌倉のスポットをみつけたいと、とにかく鎌倉中を歩いて探した。
そんななかで見つけたのが、黄金やぐら〜浄明寺緑地〜報国寺を結ぶ抜け道だった。

報国寺の脇の道を延々と登っていくと、終点に階段がある。

抜け道はここから始まる。徒歩でないと通れない道だ

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鎌倉国宝館「寳金剛寺ー密教美術の宝庫」

鎌倉国宝館「寳金剛寺ー密教美術の宝庫」


鎌倉国宝館12年ぶりの密教美術の企画展

12/3(日)まで開催されていた鎌倉国宝館の企画展『国府津山 寶金剛寺 ―密教美術の宝庫―』を観に行った。

これが、予想していたよりずっと面白かった。

寶金剛寺は小田原市のJR国府津駅が最寄りの真言宗の寺院。
禅宗美術を扱うことの多い鎌倉国宝館で、密教美術の企画展がお行われるのは実に12年ぶりとのこと。
その12年前の『鎌倉×密教』展も私は足を運んで

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赤瀬川原平さん 台北ビエンナーレ2023に出展

赤瀬川原平さん 台北ビエンナーレ2023に出展

赤瀬川原平さんが好き。赤瀬川原平さんは前衛芸術家で文筆家。
私は全く芸術家ではないが、文章を書くことが好きなので文筆家としての赤瀬川さんを私淑している。
2014年にお亡くなりになった時はショックだった。

もう赤瀬川さんの新しい活動に触れることはないのかと思っていたが、今年、未発表作品を含む写真展が開催された。

1〜3月まで六本木のSCAI THE BATHHOUSEで開催された写真展「日常に

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鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ②

鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ②

黄金やぐら〜浄明寺緑地への階段を行く

迷いに迷って辿り着いた黄金やぐら。

さらにその先に進むと、記憶どおり階段があった。

階段の下に自転車を停めて登ることにした。
登り切るとハイランドの浄明寺緑地に出るはず。

5分くらい登ったところで浄明寺緑地に抜けた。

付近にはお地蔵さま。
記憶が蘇る。

階段を登り切り右の方向に進むとパノラマ台や大切岸、名越切通しがある。

左に進むと報国寺方面への

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鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ①

鎌倉 黄金やぐら〜浄明寺緑地へ①

今よりもっと体力のあった若かりし頃、よく鎌倉で長い距離を歩いて散策をした。

街外れの切り通しや古道など、人の多い人気スポットとは全く違う雰囲気の鎌倉を歩くのが楽しかった。

その過程で知る人ぞ知る的な抜け道なんかもみつけた。
そんな抜け道をまた訪れたいという想いがずっとある。
しかし、だんだんたくさん歩くのが億劫になり、近年は駅周辺でコンパクトに周るのが定番になっていたのだが。
先日の平日休み、

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仮名をデザインする塾による「文字塾展」

仮名をデザインする塾による「文字塾展」

元同僚から教えてもらったこちらの展覧会。

松本文字塾 文字塾展 東京出張

文字塾は塾生がそれぞれ1年をかけて明朝体の仮名をデザインする私塾とのこと。面白そう。

同展では塾生の方が1年かけてつくりあげた作品を展示している。

1年かけて制作した仮名作品。
さらに文字塾は長野県の松本で開催されているが東京から通う人もいるらしく、力作揃いな予感がする。

書体が違うと同じ文字や単語も印象がかなり変

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