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noteと関係なく読んでみた本

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本屋さんや図書館で見つけたり、人からきいたりして読んだ本たち
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#小説

『獣の奏者』で初めての上橋ワールド

『獣の奏者』で初めての上橋ワールド

上橋菜穂子さんの著作は未読だったのだけど、先日、上橋さんの作品に大っ変お詳しい方とたまたまお話する機会があり、これも何かのご縁と思い初心者向けのオススメ本を伺ってみたところ、『獣の奏者』や『孤笛のかなた』を教えて頂きました。
で、読んでみたのがこちら。

『獣の奏者 1 闘蛇編』- 著者:上橋菜穂子さん

まるでRPGゲームのような予備知識ほぼゼロで読み始めてみると、いきなりの別世界。だって、当然

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私なら大コケしてた『書く人はここで躓く!』

私なら大コケしてた『書く人はここで躓く!』

小説を書いたことも、書こうと思ったことも全くない私が何でこの本を読んだのかと言えば、村田沙耶香さんの書評でとても興味をそそられたからです。ここで何度も登場しているこちら『私が食べた本』

エッセイには、大学生の頃にスランプに陥った村田さんを救い、その後の作家人生への道が開けるきっかけになったというこの本への想いが、短文ながらも尋常ではない熱量で記されておりまして。売れっ子作家がこんなに熱く語る、書

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妄想力全開!『図書館戦争』

妄想力全開!『図書館戦争』

タイトルはずっと前から知っていました。え、図書館で戦争ってどゆこと?って。超有名ですよね。映画にもアニメにもなってるし。でもなぜか私はあんまりピンと来なくて、どんな話かも知らずにそのまま。でも先日、積読が無くなる!という事態が発生し、とりあえず1巻目だけでも繋ぎに何となく読んでみるか〜と、家族に借りてみました。

『図書館戦争』- 著者:有川浩さん

作風の違い、ハンパなし繋ぎとか言ってごめんなさ

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やっと読んでみた『異邦人』

やっと読んでみた『異邦人』

またまた、村田沙耶香さんのエッセイ『私が食べた本』関連の本です。元記事はこちら。

そして今回読んだのは、こちら。

『異邦人(L'Étranger)』- 著者: アルベール・カミュ(Albert Camus)さん

はい。来ました。超有名文学だけど読んだことないやつ。また1つ経験値が上がったぜ。
もし私がまだこれの読み途中に、誰か質問してくれてたらなー。
誰か「そういえば最近何読んでるの?」

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『ふくわらい』のギャップ物語

『ふくわらい』のギャップ物語

本はマイペースながら引き続き読んでいますが、noteに紹介してみるかどうかは気の向くままに風まかせ。読んだものを全てここにまとめているわけでもなく、あれも読んだけどどうしよっかなー、というのが間に実はけっこうあったりもします。しかも書いたとしても、オススメとは限らない。とにかく書いてみたくなったら書く。

そんなゆる〜いスタンスでやっておりますが、読んでくださってありがとうございます^ ^
私も色

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『キッチン』で初めてのばななさん

『キッチン』で初めてのばななさん

ずっとずーっと前からお名前は知っているし、作品も読みたいと思っているけれど、どういうわけかまだ一度も読んだことのない作家さん。私にとってそんな方々のうちのひとりが、何を隠そうこの吉本ばななさんでした。

90年代のセンター試験(今は共通テストですね)国語で『TSUGUMI』が使われた!なんとイマドキな!というのが当時衝撃的なニュースとなっていたのがうろ覚えなので、たぶんその辺りでこの方の存在を知っ

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間取りの誘惑に負けて『変な家2』

間取りの誘惑に負けて『変な家2』

『変な家』だの『変な絵』だの、何やら奇妙なタイトルの本が最近よく新刊の棚に並んでいるなあと何となく認知はしていました。同じ方が書いていらっしゃるとは全然存じ上げず。それでも、どこの大手の本屋さんでもあんまり長らく面陳列されているので、ついにどれどれどんなものかと手に取ってみたら…。

間取りミステリー。

とな。…なんと。間取りが鍵になるミステリー!?ちょっ、面白そうじゃないの。
いやいや、待て待

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『他人の家』でモヤモヤ

『他人の家』でモヤモヤ

何となくタイトルがキャッチーだったのでふと読んでみようかと思ったら、未読ですがよく平積みになっている『アーモンド』の作者さんの著作でした。たぶんきっと韓国で有名な作家さんの本、という知識だけで読んでみる。

『他人の家(타인의 집)』- 著者: ソン・ウォンピョン(손원평)さん

微かなデジャヴ読み始めてすぐ、以前に読んだペク・スリンさんの著作『夏のヴィラ』

とテイストが似ているなと感じました。

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心地よい『墨のゆらめき』

心地よい『墨のゆらめき』

三浦しをんさん。以前ベストセラーになった『舟を編む』で私は初めて知った作家さんです。それが、ええと…2012年本屋大賞!?たぶんそこそこリアルタイムで読んだ気がするので…実に11年前ですか…!!ひえぇ…!!

ああ、この本いいなぁ、好きだなぁって思えた本は、10年以上の月日が流れてもその時に読んだ新鮮な感動を、まるで昨日のことのように思い出せるのが不思議です。とはいえ記憶力はイマイチなので、細かい

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『不便なコンビニ』に惚れる

『不便なコンビニ』に惚れる

ここ数年、私は近年の韓国文学が身にも心にも沁みることが増えています。理由は色々あるんだけど、例えば…

・社会背景や、食べ物や生活様式などの文化が日本のそれらととても近い親近感がありつつ、違うところも深く知れて興味深い

・言語も近いので、翻訳も恐らく原文にかなり忠実になっているであろう安心感が大きい

・フィクションでもノンフィクションでも、登場人物が日本への旅行や留学をポジティブなものとして認

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衝撃の『ハンチバック』

衝撃の『ハンチバック』

公私共に本のプロフェッショナルな友人から、「今年の芥川賞がすごい作品だからぜひ感想教えてほしい!」と言われたので、あらすじもタイトルの意味も知らないままレジに持って行き、読み始めてみました。

『ハンチバック』- 著者: 市川沙央さん

…あれ!?…えええ???
なんか、私間違って全然違う本買っちゃった…!?初っ端からして、これは…もしおうちの本棚にあったら確実に物議を醸すやつでは…!??ほんとに

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真冬に読んだ『夏物語』

真冬に読んだ『夏物語』

分厚くてすぐ読み終わらず、かつ、酷く悲しくはならなそうな文庫が欲しい。
ただそれだけの理由で、何となくふんわりした表紙だったからたぶん大丈夫だろうと手に取ったのがこちら。

『夏物語』- 著者:川上未映子さん

何が夏の物語なのかと思ったら、主人公の名前が夏子さん(家族内の呼び名は夏ちゃん)で、うだるような暑さが描写された夏の場面も多かった。作者ももしかしたら夏が好きだったり、好きでなくとも何らか

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初めて触れるシリア文学『酸っぱいブドウ/はりねずみ』

初めて触れるシリア文学『酸っぱいブドウ/はりねずみ』

何かとバタバタしていて、noteちょっとお久しぶりです。
前回アップしたこの
『断絶(Severance)』- 著者:リン・マー(Ling Ma)さん

を読んだことをきっかけに認識した白水社のシリーズ、複数の国の本が和訳されていることを知りました。私の個人的な感覚だと、日本で和訳されている海外文学と言えばたぶん英語が大多数だと思うし、それ以外となると、欧米系言語、韓国・中国語辺りが多いんじゃない

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『両手にトカレフ』持ってあの子が撃ちたかったものは何だろう

『両手にトカレフ』持ってあの子が撃ちたかったものは何だろう

『両手にトカレフ』- 著者:ブレイディみかこさん

についてのお話です。

まずブレイディみかこさんと言えば、以前にもチラッと言及したことがあるこのシリーズがいちばん有名でしょう。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』1, 2

私が読んだことがあるのもこの2冊。これらは一見小説かと思いきや、思いっきりノンフィクションのエッセイ。息子さんのこと、イギリス郊外の街や隣人とのやり取りや学校教

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