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大河ドラマについて考える
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎回楽しみに見ています。面白いですね。三谷さんの脚本もいいですが、平家滅亡前後の鎌倉のドタバタを描いているのが興味深いです。元々頼朝、北条による粛清の嵐は合点がいかないことも多かったのですが、このドラマで少し理解が進みました(反対意見も多いと思いますが・・・)。頼朝が亡くなって、これからますます混乱を極めますね。
よく「歴史から経営を学べ」と言われます。歴史でも
「キリンを作った男~マーケティングの天才前田仁の生涯」を読んで
5月21日、プレジデント社から発売されたビジネス書・ノンフィクションです。著者はジャーナリストの永井隆氏。キリンビールの数々のヒット商品を開発した天才マーケッターの人物伝です。主人公の前田さんとは面識があったので、感想を書きたいと思います。
前田さんが自ら開発したのは、ハートランド、一番搾り、淡麗。前田さんの指導の下にスタッフが開発したのが、淡麗グリーンラベル、氷結、のごごし。実に6つの大ヒット
「インプットよりもアウトプット」という勘違い
「インンプットよりもアウトプットの方が大事だ」という考え方は、本来あまりないと思います。しかし、最近はアウトプット重視、インプット後回しの風潮が高まっているので取り上げました。そんなタイトルの本も多い。これは「インプットばかりしていてアウトプットが少ない」ことに対する警鐘だと思われます。例えば、会議に参加しても発言しなければ、どんなに優秀でも無価値だ、など。つまり、「インプット(IP)⇔アウトプッ
もっとみる「若手を抜擢すべし」という勘違い
経営変革が求められる現在、「若手の抜擢は善で、ベテランの重用は悪」という風潮があります。しかし実際は思ったほど若手の抜擢は多くなく、ベテランが重用されています。(なおここで言う若手とは新入社員のような若者ではなく、役職者としての若手(中堅)として話を進めます)。若手を重要なポジションに登用すると非常に象徴的なので、周囲の印象に残るのです。中には、驚きの抜擢・ビックリ起用が大好きな幹部がいて、しょっ
もっとみる「交渉は駆け引きである」という勘違い
ビジネスで交渉は重要です。折衝やネゴシエーションなどとも言います。得意先との商談、労使協議、関係部署間の調整など、多くの場面で「建設的な交渉」が必要となります。理想は双方にとってのwin-winですが、そううまくはいきません。ある程度の勝ち負け、損得はあるし、決裂もある。強引な無理強い、単なるお願い、中身の薄い妥協などにもなりかねない。これらはもはや交渉とは言えません。力関係、貸し借り、なれ合いな
もっとみる「マーケティングは最先端技術」という勘違い
マーケティングは日進月歩で進化しています。実際WEB、SNS等のデジタル化で、方法論は大きく変わっています。コトラー先生も、マーケティング3.0(邦訳2010年)、4.0(邦訳2017年)を出しています。製品の差別化、顧客満足から、ソーシャルメディアによる評判形成に動いているというわけです。世の中的にも「マーケティング=集客」と言い切っているものも多く目にします。しかしマーケティングをテクニカルに
もっとみる「部下はほめて育てる」という勘違い
部下をほめて育てるということ自体は間違いではありません。しかし、それが最善だと思い込むことは大きな勘違いです。では「部下は、ほめたり、しかったり、バランスよく育てる」というのはどうでしょう? 結局、ほめるのもしかるのもどちらも必要だし、一方でどちらも育成という点では「根っこ」ではありません。よく「プラスのストロークを打ち込め」と言いますが、これも本質ではありません。方法論としてはありですが、当然十
もっとみる「財務会計は担当外」という勘違い
ビジネスには財務会計リテラシーが必要だと誰もがわかっています。しかし、「財務会計はざっくりとはわかるけれど、苦手だし分析に自信がない」という人が多いのではないでしょうか。心の中に「自分は財務会計は担当外だ」という勘違い・思い込みがあるからだと思います。確かに専門部署として経理部や財務部があります。基礎から簿記を習得して決算書を作成したり、事業資金を調達する。新入社員の一部が経理部等に配属されて経理
もっとみる「MECEは厳密に漏れなく・ダブりなく」という勘違い
MECEとはMutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の略で、主にミーシーと呼ばれます。「漏れなく、ダブりなく」の意味。難しく言うと、部分集合の和集合が全体集合に一致することです。パズルのピースがピタッと隙間なくはまる感じ。これはロジカルシンキングを学ぶ時によく教えられます。目標/実績GAPなどをMECEに分
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