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「根本治療カン違いシリーズ」解説



いま、臨床分子栄養医学研究会代表の宮澤医師のメルマガを購読しているので、その内容をかみ砕いてお伝えします。

宮澤先生は東京葛飾の普通の下町のお医者さんでもありますが、自分の知る限り日本一知識と経験が豊富な、オーソモレキュラーの臨床医です。

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当たり前ですが、僕の記事など比べ物にならないほど濃い情報が載っていますよ。

今回は「根本治療カン違いシリーズ」を解説します。

治療におけるよくあるカン違いを通して考え方を学べるので、主治医選びの参考にもできますよ。

①検査で足りてないから栄養素を補う

の記事でも書いたように
栄養素は検査で不足してるものを適切な量摂取しないと効果ないです。

が、補うだけでは一生続けなければいけません。

「治療」とは、栄養が不足する疾患性の原因を潰すことです。
(※上の記事の症例もその方法論で治療しています。)

たとえば、

ビタミンB1 → 糖質の過剰摂取
ビタミンB6 → タンパク質の過剰摂取
ミネラル類 → 腸内環境の悪化による吸収力低下
ビタミンD → 住環境の日照時間や遺伝的要因

などですね。

サプリも一般処方薬も、いずれやめるために飲んでください。
一部の遺伝的な要因を除き、それは十分可能です。

②症状でサプリを選ぶ

治療したいのは、「うつ」や「不安症状」などといった症状・病名ですが、まず根本原因を確定(推定)してください。

①で言う「栄養が不足する疾患性の原因をつぶす」ためには、「症状」の上流にある「原因」を見極める必要があります。

そうでないと効果が出ない、またはずっと飲み続けることになってしまいます。

よくある症例の1つ

統合医療(オーソモレキュラー)の主治医につく場合、検査は必ず行いますが、最上流の根本原因にアプローチするサプリメントを選べるのが腕のいい医師になります。
の場合は寄生虫の駆除。)

やはり「やめるために飲む」という考え方かどうかが決め手になります。

③内視鏡で異常なしなら胃腸は大丈夫

②は上流にどんな原因があるか見極めよという指針でしたが、当然ながら、目に見える原因と見えない原因があります。

内視鏡検査で異常が見つからなくても、それで「問題なし」にはなりません。

臓器が炎症・ポリープなどの目視できるダメージを受けている病気を、「器質的疾患」といいます。

逆に、可視化できなくてもホルモン分泌や本来の機能に異常がある場合、「機能性疾患」といいます。

リーキーガット、腸内フローラの悪化、副腎疲労などは機能性疾患の代表格ですね。

標準医療は器質的疾患の治療に強いです。
が、多くの機能的疾患は原因不明や心因性で片付けられてしまうことが多いです。

逆に、統合医療(オーソモレキュラー)は機能性疾患の診断・治療に特化しています。

保険が効かないのが難点ですが、かならず検査をし、両者を併用しましょう。

④アメリカ産のサプリなら高品質

同じ名前のものでも、メーカーによってだいぶ品質が違います。

良いメーカーは、流通・保管の過程で失われる有効成分の量を増量させていたり、時間内にきちんと消化吸収されるかの実験まで行っています。

これはかなりマニアックな知識になるので、主治医にお勧めを聞いてみましょう。

ちなみに僕の主治医はアレルギーリサーチグループ社のものが多いです。

⑤サプリの効用は常に同じ

物質は、濃度により違った化学反応を起こします。

たとえばビタミンCは、

・100mg/日 → 壊血病予防(生命維持)
・3000mg/日 → ストレス対策
・1000mg/時間(5~10回) → 風邪を治す
・25g/回(点滴) → 抗がん剤の副作用防止

と、量によって得られる効果が違ってきます。

「何のために飲むか」を確認してから量を決めてください。

⑥栄養の数値はとにかく上げる

フェリチン(鉄分)の不足などはよくある栄養不足ですが、上げすぎてもいいわけではありません。

・男性と閉経後女性 → 50~100
・有月経女性 → 30~50
・有酸素運動が多い人も150まで

ミネラルや脂溶性ビタミン(A・D・E)は適正範囲があり、摂りすぎても害です。
(※各栄養素について詳しく知りたい方は

つまり、血中の値(吸収された量)が適正範囲に入っていても体調が改善しなければ、原因は他にあります。

⑦タンパク質はとりあえず多め

タンパク質は「体重 × 1g以上」という基準より、
「きちんと消化吸収されているか」
「異化亢進が起きてないか」を気にしてください。

タンパク質の消化については の記事で解説しました。

また、異化というのは筋肉の分解のことで、
異化亢進は、炎症コルチゾールの分泌過多(副腎疲労)で起こります。
炎症による異化亢進は、手術を受けると一時的にげっそり痩せる現象がわかりやすいですね。

これらが起きていると、

たくさん摂っても追いつかない

摂取量が一度に吸収可能な量を超え、体調が逆に悪化

という事にもなりかねません。

炎症状態の確認についてはこちら

⑧血糖値が正常なら低血糖症ではない

低血糖症は、発達障害/精神疾患の原因になりえますが、ヘモグロビンA1Cから判断できないことがほとんどです。

が、最近ではフリースタイルリブレや Apple Watch の普及で、血糖値のリアルタイム計測が手軽になり、発見しやすくなりました。

これで食後の血糖値スパイクなどは鑑別できますが、万能ではありません。

低血糖症のひとつに不眠や中途覚醒の原因になる「夜間低血糖」がありますが、これは以下のような病態です。

夜間に血糖値が維持できなくなる

アドレナリン・コルチゾール等の覚醒作用のあるホルモンが血糖値を上昇させる

不眠や中途覚醒が発生

夜間低血糖は血糖値が下がってもすぐ復活するので、計測機器に引っかからないことがあるようです。

この場合、血糖値よりも心拍数が決定的な指標になります。
血糖値を上げるホルモンはたいてい交感神経を緊張させるからです。

⑨副腎疲労は副腎の疲労

副腎疲労(HPA軸機能不全)も発達障害/精神疾患の根本原因の一つです。
(そのうち記事にします。)

コルチゾールという抗ストレスホルモンの分泌過多によって倦怠感・不眠などの症状がおこり、最終的にはホルモンの枯渇状態になります。

が、これはコルチゾールを分泌する「副腎」という臓器に問題があるわけではありません。

③で書いた機能性疾患の典型例です。

副腎や甲状腺のホルモン分泌は2段階になっていて、まず脳の下垂体から「ホルモンを出せ」と臓器に命令するホルモンが出ます。

副腎疲労は下垂体からの指令が滞っているだけで、副腎の機能自体に問題のあるケースは少ないです。

なので治療方針は、副腎への栄養補給だけでなく、体内時計の調整や適度な運動、ストレスの少ない状況での静養、といった方がメインになります。

⑩コルチゾールと女性ホルモンは別問題

女性の場合、副腎疲労とPMSの併発でうつ状態や発達障害にハマることがよくあります。

コルチゾールと女性ホルモンは「プレグネノロン」という同じ材料で作られるからです。

DHEA ≒ 女性ホルモン

下記の治療事例紹介にもありましたが、原因をきっちり鑑別してやらないと100%「心因性」で片付けられるケースです。

副腎疲労の初期段階でPMSの症状が出て、副腎疲労を治療するとPMSも治る、というケースはかなり頻繁に起こるようですね。

女性の方、あなたの精神症状は臓器の疾患かもしれません。
主治医につく際には、ピルの服用など一見関係なさそうなこともすべて申告しておきましょう。

というか…

続きはまだまだあります。

発達障害/精神疾患のみならず、原因不明の心身の不良を抱える人、こういったメルマガに登録すれば、簡単に情報にアクセスできますよ。

今回はほぼパクリ記事ですが、パクったほうが役に立つし僕としては存在を知って選択肢に入れてもらいたいです。

たいていは現役の医師や栄養師が書いた、患者向けかつ無料の文章です。

ご参考までにリンクを張っておきます。


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