「発達障害がサプリで治るものか!」という人へ
普通に治りましたよ。
自分は重篤なうつとADHD・ASD特性山盛り状態からクローズド就労までこぎつけた過程で、一般内服薬はさほど使わなかったです。
特に向精神薬なんて怖くて飲めませんでした。
今回は「障害でしょ?」「え、サプリで治療!?」みたいな誤解を解いていこうかと思います。
ドラッグストアで売ってるやつではない
サプリっていうと、情報収集してない人にとってはマツキヨとかウェルシアに普通に売ってる ↓ のようなやつをイメージしてると思います。
それかこういうやつ。↓
日本製のサプリは、一部の本気メーカーが治療用に作っているもの(例:胃酸で分解されないリポゾームグルタチオン、カンジダ菌のバイオフィルム破壊用のものとか)以外、ただの食品です。
法律上食品なので、食品衛生法に抵触しなければ品質管理などしなくてもいいのです。
だから「マルチビタミン」「マルチミネラル」といった雑なものが市販されます。
その中にどの成分が何mg含まれ、現状の自分にとって適正量かどうか、確認して摂取してますか?
袋に書いてある量を飲んでも無理
当たり前かと思います。
ビタミンミネラルのサプリはオーソモレキュラーでもよく使われますが、どの栄養成分がどの程度欠乏しているか、というのを個別にきっちり検査します。
精神科でつけられたあやふやな病名は気にせず、症状ベースで検査項目を提案します。
↓ の記事は特定の栄養欠乏が精神・神経系の症状を招いた例ですが、これらのケースの治療もまず検査ありきです。
また、事例に出てくる「銅過剰」や「葉酸欠乏」といった原因は、サプリの飲みすぎでも発症する可能性は十分ありますので、多めに飲んどけばよいというものでもありません。
また逆に、ビタミンとミネラルは「健康でバランスの取れた食生活」(科学的に定義してくれませんか?)をしていれば問題ない、と思われてるのも大きな誤解です。
疾患性の栄養欠乏は食事では補えない量を必要とします。
どんなに栄養豊富な食事をとっても、できるのは生命維持のみで、健康維持ではありません。
以上より、個々のケースを無視したサプリ服用がいかに無意味かわかっていただけたでしょうか?
自分のケース
24/1月現在、僕の課題は重金属の体外排出なので、ミネラルバランスについて定期的にオリゴスキャン検査や血液検査を行っております。
ミネラルは金属なので、同一の電荷をもつ元素はよく競合します。
たとえば亜鉛が少ないだけで、銅が過剰になります。
そんな前提知識を踏まえ、主治医に重金属排出に重要なミネラル(亜鉛やセレンなど)の血中濃度の目安を確認し、血液検査も定期的に行っています。
また、治療の段階に応じて適切な食事制限は必ず行います。
ビタミン・ミネラルといった基本的な栄養素もここまでやって初めて意味があるのです。
メガビタミン療法(藤川療法)について
さて、治療界隈で有名なメガビタミン療法ですが、これのネタ本の秀逸なところは、精神疾患を抱えた患者が一日にとる栄養素の目安が書かれていることです。
これが奏功して万事うまくいくケースは確かにあります。
僕のフォロワーの方もナイアシンの摂取で十年以上にわたるアルコール依存症を治療しました。
ただ、ビタミンミネラルの欠乏が根本原因のすべてだった、という事例は、SNSを眺めつつ相談を受けてる感じ、少数派です。
奏功する場合は圧倒的に子どもが多いです。
年が若いので、グルテン・カゼインに腸を荒らされる要因が揃っていなかったり、リーキーガット症候群からの体内への異物侵入量が少ないためと思われます。
本来、根本治療に必須なのはまず根本原因を確かめることです。
根本原因のリストは ↓ で一覧にしています。
(未執筆の記事も多いですが。)
検査で調べる順番についてもセオリーが存在しますので、その点を踏まえて計画を立ててください。
ビタミン・ミネラルのサプリの難点は「安価」であることです。
つまり多くの人が容易に試せる。
試した結果、効果が実感できなければさっさと見切りをつけるべきですが、惰性で続けると「続けることに意味がある」症候群という重大な副作用が発生します。
まず数値確認ありきでサプリメントを使用しましょう。
そして、ビタミン・ミネラルというのはサプリメントのごく一部であるということも知っておいてください。
僕がカンジダ菌の除菌と重金属排出目的で現在服用してるものです。
左上と右上は一般処方薬ですが、
残りはN-アセチルシステイン等の抗酸化物質、
素人にはチョイスの難しいプロバイオティクス・プレバイオティクス、
キレーション治療に併用する必須ミネラル補充サプリ(排出ターゲットと電荷がバッティングする元素ミックス)です。
これらも主治医に選んでもらう前に3つほど検査を受けました。
便・尿・血液を採り、項目数は300を超えていました。
それにより確定した根本原因を叩くため、補充すべき栄養素の種類と量、加えて一般処方薬を選ぶのが、サプリを用いた正しい治療となります。
以上が、「サプリで発達障害が治る?そんな馬鹿な」という誤解の実態になります。