病名を問わない治療計画テンプレート(2)
前章の続きです。
発達障害/精神疾患を治療する方法は、セオリーに従って、各根本原因の有無を調べ、潰していくことです。
ここで重要なのは、どの治療をどのタイミングで行うかです。
本章ではその点に踏み込んでいきます。
↓ は前章で出した治療計画テンプレート図のおさらいです。
効果の出る正しい順序
行うべき順序は、
とはっきりしています。
(※「トレーニング」であるマインドフルネスが、治療開始時点から始めるべき理由は後述します。)
それぞれについて解説します。
以上より、優先順位は ↓ のようになります。
内科的治療>>> 神経治療> トレーニング
また、これらとは別枠で心理療法があります。
マインドフルネスをまず行う理由
(※マインドフルネスについての解説は以下)
図に戻りましょう。
なぜマインドフルネス(トレーニング)から始めるのか?
内科治療や心理療法を受ける場合、症状や食生活、生活習慣、生育環境などを整理して相手に伝える必要があります。
(自分の説明書の作成について、詳しくは ↓ 参照)
症状の軽い人なら、できるかもしれません。
でも自分が最悪の状態だったころ、現状を客観視して整理することが全くできませんでした。
まずは、あるていど自分を説明できること。
そして情報を集める気力を取り戻す必要があります。
マインドフルネスは、一人で、安価に、簡単に、思考力を底上げできます。
また、普通の人が集中力・生産性を高めるために行うものでもあるので、治った後も継続がベターです。
内科的治療を終えてからの神経治療
神経治療は、保険適用が少なく高額なので、手段とタイミングを慎重に選ぶ必要があります。
ここで失敗すると挫折感がかなり大きいので、複数の医師・研究者や治療経験者に連絡をとって相談することをお勧めします。
(大学の先生というのは、自分の分野に興味を持ってくれる人が欲しいので、素人質問を意外と歓迎してくれます)
ただし、「どこまで治すか」というのは自分で決める事です。
内科的治療が終わって普通に生活ができるようになった場合、完治とするのも一つの判断だと思います。
厳密にいえば、脳機能が一切低下していない人はこの世に存在しません。
誰だって発達障害グレーゾーンといえばそうなのです。
心理療法の効用
何年も障害/疾患を患っている人は、必ずトラウマがあると思ってください。
先にも書いた僕の実体験からのアドバイスです。
トラウマや困りごとを説明できるようになってから始めるのがベターです。
心理療法は他の治療にも効果が出ます。
もちろん精神症状の重い人は最優先で行ってください。
就労可能状態にもっていくこと
以上の説明により図の意味が分かっていただけたでしょうか?
そして、重要な点がもう一つあります。
障害年金や生活保護を受けている人が、どのタイミングで就労可能にもっていけるか、ということです。
根本治療を徹底的にやろうとすれば、そこそこお金がかかります。
現状の日本では保険のきかない検査・服薬がかなり多いのは仕方ありません。
僕の場合は、障害年金に頼りつつ、
によって、クローズド就労することができました。
その後は治療を継続したり中断したりでしたが、やはり問題はまだ山積みで、2023年2月に再開しました。
クローズドの稼ぎと、就労できる脳機能があれば、治療は最適化・高速化します。
が、生活に困窮する状態から根本治療を行うのは情報戦に他なりません。
このマガジンはそんなケースの人も想定しています。
比較的安価な代替手段を紹介したり、障害者年金取得のためのヒントも書いてあります。
また、次章では内科的治療で守るべき大切な順序を解説します。
以上です。
頂いたお金は新しい治療法の実験費用として記事で還元させていただいております。 昔の自分のようにお金がない人が多いと思いますので、無理はしなくて結構です。