マガジンのカバー画像

人形師のお話

48
真面目な話。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

テクノロジーと味のバランス

テクノロジーと味のバランス

便利さと、風情や侘び寂びといったバランスは大事だ。

この人形は、土窯で焼いたもの。

高温部がコーヒー色に変化しているけど、反対側にはカフェラテのように白いマダラが入っています。

元来、このようなマダラは不良品扱い。

そして、最近電気窯に変えたことで、このようなマダラが出ることは全くなくなり、生産効率は上がりました。

が、人間とは不思議なもので、そうなるとマダラ模様がでたものは、なんとも味

もっとみる
絵付け体験キットをネットストアにて販売してます。

絵付け体験キットをネットストアにて販売してます。

たくさんのご要望をいただき、モマ笛絵付け体験キットをネットストアでも販売しております。

また、明日から大阪のdandeliOnさんでも販売いたします。

また個人的にモマ笛にアマビエの絵付けをしようかなと思っております。 

※アマビエとは、江戸時代末期(弘化3年・1846年)に肥後の国(現・熊本県)にて現れたとされる妖怪。
毎晩のように海中に光るところがあり、役人が赴いたところ出没した。その

もっとみる
大阪で絵付け体験セットを販売します。

大阪で絵付け体験セットを販売します。

コロナの影響でイベントも多々中止され、来週の三連休の大阪での絵付け体験の予約がかなり少なくなりました。

ですので自宅でできる絵付け体験セットを大阪で販売したいと思います。

セット内容は

・白塗りのモマ笛(大or中or小)
・アクリル絵具5色
・使い捨てパレット
・手順の説明書とリーフレット

絵具は5色あれば、大抵の色が作れるので、かなり手の込んだ世界にひとつだけのモマ笛が作れます。

※モ

もっとみる
障害のある人たちとものづくり

障害のある人たちとものづくり

奈良県香芝市にあるGood Job! センター香芝という施設では、日本でも珍しい方法で障害を持つ人たちが張子を作っています。

なんと原型を3Dスキャナでデータ取り込みし、3Dプリンタで出力し、張子を作っているのです。

職人となる人たちは、それぞれの個性を活かし、様々な工程を担当しています。

・生み出すことが得意な人→原型
・プラモデル作りが得意な人→プリンタで出力された型のバリ取り
・色塗り

もっとみる
私は文章を書く仕事がしたい

私は文章を書く仕事がしたい

コロナウィルスの影響で、奈良で郷土玩具についてのトークをするという仕事がなくなったため、代わりにnoteに書いておきます。

私は仕事として、240年続く家業である郷土玩具を作っています。

・そもそも郷土玩具って何なのか
・どのように作るのか
・人形のモチーフや模様にどのような意味があるのかetc

上記のようなことを発信する必要を感じています。

なぜなら、物の価値はストーリーと発信力で高まる

もっとみる
某有名キャラクターの案件に悲しんだ話

某有名キャラクターの案件に悲しんだ話

○ことの経緯地方で伝統がある工芸品なんかを作っていると、役所経由で企業案件をいただいたりする。

それこそ、数年前世界的に有名なキャラクターの人形の制作依頼をいただいたことがあった。

そのキャラをAとする。Aはこちら地元でのイベント時に「地域の工芸品とコラボして、限定品を販売したい」と考え、市役所がうちを紹介した。

Aから電話で相談され、うちは快諾した。

そして、地元のイベント会社B、大手事

もっとみる