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エッセイ

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日々思うことをあれこれと
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2023年10月の記事一覧

とけてまざるマザーグース

シーフードミックスを買いに行ったら売り切れていた。

イカとエビとアサリの入っているやつが好きなのだが、タコの入っているものは、ほとんど見たことがない。前者2つは安価な種類があるがタコは高いイメージがあるから混ぜられないと言うことか。

昔はよくミックスベジタブルを買った。冷凍のコーンや小さく切った人参とグリンピースが入っているやつ。あれもミックスはしてあるが数種類。

混ざり合うものが私は好きな

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あしあとをかくす

SNSにおける痕跡。アカウントを消してもマザーデータがサーバーに残っている限りは魂が煉獄に繋がれてしまうのではないかと考えると、始めてしまった物語を完全に終わらせるということは難しいのだなと感じる。

逆にいえば、本人が世界から去ってしまって、新規で更新されることがなくなってしまってもアカウントは残るわけで、リヴィングデッドなのか地縛霊なのかはわからんが思念は残留し続けるとも言える。サーバー自体が

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BGMにはならない音楽が

音楽を聴く。

車に乗っている時、食事を食べている時、憂鬱な時や怠惰な時に。

けれど、それが背景になってしまうことはなくて、気の合う人が隣にいるような空気がある。背景になってしまって顔がないなんてことはないのだ。

それがインストであれ、クラシックであれ、アンビエントであれ同じで、それは私の向かい方がそうしてしまいたくないからという自意識とベクトルの向き方によるものだと思う。

ラジカセで音楽を

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頭はハピネス

ため息をつくと幸せが逃げるなら、空は青い鳥で埋め尽くされていないとおかしくないのではないかと思う肌寒い日。

そもそも幸福論ではないが、人それぞれに幸せの価値や色彩は違うはずなのに統一見解みたいなものを欲しがるのは何故か。それがあることが不幸を呼ぶのだが、幻想としての中間層を満足させるために、現代の士農工商制度みたいなもんを作りたい誰かの意思があるのかね。

飢えて死なずに、雨をしのいで足を伸ばし

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グリーンラッシュとアルコール

ラッパーやレゲエのDee Jayが大麻で逮捕されるたびに、これからどれだけか時間が流れて、それらが合法化された時に、彼らは殉教者のような扱いをされるのか、それとも英雄視されるのかと。

海外で適法化、合法化が進んでも、外圧がない限りは日本でそれらがそうなることは近くはないだろう。タバコは迫害しても、アルコールは保護する方が個人的には理解できないのだが、まあこの国の現状はそうなっている。アルコールの

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走り出せハイウェイ

今夜は深夜の高速道路を東京に向け出発予定。駐車場が予約できない場所が多く、混むからと値段を高めに設定している場所だらけだ。田舎者の私には信じられない話。1日で数百円とかだからなこちらは。

土曜日に高速を走るのは初めてではないが、首都高の土曜日は初めてだからさてどうなるか。安全運転しかするつもりはないが、都内はどうなんだろうな。こればかりは経験してみるしかない。

新幹線での移動も考えたのだが、電

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立ち喰い蕎麦の幽霊

最近は電車に乗る機会がめっきり減ってしまった。新幹線で移動できる範囲の距離ならば、夜間に高速道路を運転した方がガソリン代を加味しても、移動の自由度は高まるし、金銭的な負担も減るからだ。

遠出ですらそうなのだから、近隣はなおさら車移動がメインであり、駅に立ち寄った際に食べる立ち喰い蕎麦を食す機会が皆無になってしまった。あのシンプルな鰹出汁と醤油の味付けの蕎麦はジャンクで好きなのに。

ただ、ここの

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スポーツの日のアポーツ

なんでも、明日はスポーツの日のらしい。先のオリンピックを契機に、それまでの東京オリンピック祝いで作られた体育の日から名称を変えたのだそうな。

個人的には慣れ親しんだ名称を政治家の都合で代えられるのは面白くないし迷惑だが、内部では体育の日だと古臭いとか軍国主義のなんちゃらかんちゃら(戦後にオリンピックを開催した記念なのに)とケチをつける奴もいたんだろうし仕方がないのか。

スポーツの日だからという

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毎日わからないことが起きるのは

海の向こうでミサイルが撃ち合われていても、風邪薬を飲みながら柿の種を貪る俺がいるわけで、如何ともし難い不条理を憂いながら、しばらくしたらパスタを茹でている。

日常が日常たるのは、ミサイルが飛んでこないことだとするなら、定期的に近隣国から威嚇射撃のような発射実験を行われる日本の日常は何度か壊れたのだろうか。それにも気がつかないまま、パスタに胡椒をふりかけ続けていたのだろうか。

ネットの中では博識

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焼きうどん食べて寝る

憂鬱の船は不安定な心の水面を滑る。ジム・モリソンがラリラリで書いた詩のような美しさはないが、それぞれの鬱屈と地獄から逃れようと櫂を漕ぐ。

三途の川にしろ、生まれる前の記憶を洗い流す河にしろ、国や宗教を問わずに水辺を流れるイメージがモチーフとして使われるのは、進化前に我々が海の中で生活していたからではないかと推察する。生まれる前に羊水の中にいることも、関係しているかもしれないが、知らん。

一生不

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流れた時間は雄弁に

くるりの新しいアルバムを聴く。

元メンバーだったドラマーを迎えての新しいアルバムは、当時の空気の再現ではなくて、それぞれが過ごしてきた時間の果ての、一緒に作ったアルバムで、聴く側の感情をスルーするように素晴らしいアルバムだった。

ブギーを意識したようなセルフライナーノーツを読んだけれど、古いロックが好きな人たちが鳴らした現在の音楽のように感じた。サブスクなんてない時代の、音楽を大切に聴いてきた

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アディクトで何が悪りぃ

青い鳥の飛び去った鳥籠の流刑地によると、私が好きで聴いているバンドの1stアルバム発売から、本日で22年目だそうなんです。実にめでたい。

正直、家族の誕生日もあまり記憶できないようなポンコツなので、そういうのは気にしないのだけれど、あのアルバムがリリースされたのがそれだけ前かという感慨はありますね。

10年ほど前に再結成して、それからも色々とあったけれど、そうかリアルタイムで聴いてきた時間も考

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急に秋が飛んできて

朝と晩は当たり前のように冷える。

毛布のみを掛けて眠る季節の終わり。異常気象って最近はあまり言わなくなったけれど、異常が正常化していくのわりと嫌いじゃない。

コロナの数年で変わったことと変わらなかったことは、日頃信じている【日常】やら【普通】がいかに薄い板の上に構築されているかを気づく契機になった人も少なくなかったのではないか。わかんないけど。

一部では秋を通り越して冬になるのではみたいな声

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