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木下斉さんまとめ

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【ラボ】なぜ道の駅は施設を行政が整備し、指定管理料をもらっても経営難に陥るのか〜乱立する道の駅の経営課題は財務諸表を見よ

【ラボ】なぜ道の駅は施設を行政が整備し、指定管理料をもらっても経営難に陥るのか〜乱立する道の駅の経営課題は財務諸表を見よ

少し私なりの過去のコラム、現状に対する見解をまとめておこうと思います。ラボは今月からスタート、来月から本格始動になっていきます。順次参加可能ですのでぜひどうぞ。

かつてこのようなコラムを書きました。当時は「え、道の駅って公共施設で赤字のところとかたくさんあるの」みたいに受け取られましたね。笑 皆さん牧歌的です。

このコラム書いた後に某省の担当課長さん2人来られたのですが、意味不明なお話で変えら

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ところざわサクラタウンで感じる、施設属性に基づく設計の大切さ〜なんでも盛り込んだ施設は何者でもないものになってしまう

ところざわサクラタウンで感じる、施設属性に基づく設計の大切さ〜なんでも盛り込んだ施設は何者でもないものになってしまう

クールジャパンの拠点として、所沢に角川が開発をするというので一躍話題になっていた「ところざわサクラタウン」に初めて行ってきました。行こう行こうと思っていたのですが、全く行けておらずの初訪問でした。

実際に行ってみるとわかるのは、これはなかなかつらいですね。

施設属性が定まらないままに発注されてしまったのか、動線設計が壊滅的に終わっていて、少なくとも商業は難しい。さらに鳴り物入りになっていた初期

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未だ続く敷地主義とゾーニング主義〜学び直しなき日本の問題

未だ続く敷地主義とゾーニング主義〜学び直しなき日本の問題

都市経営プロフェッショナルスクールの今年度最後の集合研修を行っていました。その中で様々なプラニングが精査されていったのですが、未だに官民ともに地域でのプロジェクトを考える時に「自分たちの活用できる敷地」の中だけで物事を考える癖が抜けきれません。

しかし本来はエリア単位で考えないと絶対にうまくいきません。

さらに言えば、ゾーニングを未だに計画図にいれるんですよね。以下のような図でゾーンを「どのよ

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わからないことを外注しても、大抵の問題は解決しないどころか悪化する理由

わからないことを外注しても、大抵の問題は解決しないどころか悪化する理由

都市経営プロフェッショナルスクールを共に立ち上げやってきている岡崎さんが「自前主義」に関するエントリーを書かれていました。私と同じくバカを多様しすぎていますがw、意味ある内容なのです。

これバカの壁の一つだと思います。できないことはプロに任せたい、実績ある人に頼めばいい、とか思う貴方、それもう大いに間違っていますからね。

◯ わからないことは外注しても、未来永劫分からないまさに今の日本人ってす

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観光地の二重価格はマイナスしか産まない〜優柔不断なデフレ脳から脱却せよ〜

観光地の二重価格はマイナスしか産まない〜優柔不断なデフレ脳から脱却せよ〜

観光地において外国人観光客向けと地元客向けで価格の異なるメニューを出しているところがあるという問題が盛り上がっているようですね。昨日もとある取材を受けたりしておりました。海外にしても日本メディアからの取材や登壇のご依頼受けても、ネットで繋いで行えるのでほんと支障がない時代になりました。

観光地の二重価格はそもそもとして問題ではあるのですが、それは直に解決していくと思います。というのも、今までの値

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横浜中華街がつまらなくなった、ギャップで一時増加する売上利益の罠

横浜中華街がつまらなくなった、ギャップで一時増加する売上利益の罠

もともとが高級だというイメージが安売りをすれば短期的には売れるんですね。だからこそ「安売り」というのは、多くの人がハマりやすい手法だったりします。競争戦略においても価格差別化というのは最も誰にでも短期的にはできることなのです(長期的に持続できるだけの仕組みが作れるかは関係なく)。

都市においても観光戦略で過去に積み上げた知名度をもとにローコンテクストの分かりやすいテーマパーク型観光地として安売り

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地域で「いいひと」を目指すのをやめると見える、自分にとってもっと大切なこと。

地域で「いいひと」を目指すのをやめると見える、自分にとってもっと大切なこと。

ま、タイトルの通りなんですけどね。

いろいろな地域での取り組みでの悩みをきいていると、この一言につきます。いかにして自分がいい人になるか、いや、「いい人」に見られようとするかに心を使いすぎて疲れてしまっている人たくさんいます。

それが故に挑戦できなかったり、挑戦を始めたものの心無い人達の声にさえ耳を傾けてしまい、自分の心がすり減ってしまっている人。

もうまずは自分で考え、自分で始めることにお

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アメリカ学際組織の提言にみる、withコロナ社会における都市計画、5つのポイント〜都市問題背景を含めて徹底解説〜

アメリカ学際組織の提言にみる、withコロナ社会における都市計画、5つのポイント〜都市問題背景を含めて徹底解説〜

今ある都市の形成は、イノベーションであったり、感染症などの危機によって工夫されてきた積み上げ型の結果として形成されているのは周知の事実。特に人類が集積する都市化と公衆衛生、生産活動、物流などによって大きく都市は進展してきたと言えます。

今回のnoteもコロナショック後の都市に必要とされる新たな都市計画についての提言解説です。これまでのコラムや今回のコラムも以下のマガジンに格納していっていますので

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都市の濃度を薄める開発、濃くする開発

都市の濃度を薄める開発、濃くする開発

オリンピック絡みでスタートした神宮外苑の再開発事業ですが、銀杏並木への影響について何やら声をあげる人たちとかが出ていますね。まぁとはいえあまりに古いあのエリアが更新されるのはあってよいことだと思うけど、国立競技場もなんかいまいちなものになり、さらに今度つくられるものもなんかありきたり。東京の都市開発、どこもかしこも個性はなく、常に新しいものにして、上に伸ばすという手段になるのはどうにかならんのかと

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「まちを変える人」に共通する3つの思考法

「まちを変える人」に共通する3つの思考法

地域分野でどこまでいっても、ずーっと「悩んでいる」状態を続ける人というのがいるのですが、それは基本的には何もやっていないんですね。状態としては何も外部に対して働きかけをしていないので、何もやっていないのと同じ。

悩むのではなく、考えることが大切なのですが、考えるというのも「うーんうーん」と自分の頭の中だけで考えるのではなく、地域を変える人は「ひとまずやってみる」というところからスタートします。

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駐車場問題〜地方都市でも東京でも過剰供給問題が発生中〜

駐車場問題〜地方都市でも東京でも過剰供給問題が発生中〜

まちづくりにおける駐車場政策のあり方検討会、なるものが国交省で開催されています。

地方都市にいけばまちなかに虫食い状態で時間貸し駐車場が山程あり、もはや駐車場がつぶしあい状態になっているところも少なくありません。実際にとある中心部では時間貸し駐車場だらけになって過当競争で「もう時間がし無理です」と大手駐車場会社が白旗上げたなんてところもあります。時間貸しで貸し出す機械投資すら回収できないというわ

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活性化のための開発するとまちが早く死ぬ理由【中東・欧州出張記 #3】

活性化のための開発するとまちが早く死ぬ理由【中東・欧州出張記 #3】

ポルトガルに到達しています。ポルトガルは今や総人口が1000万人の国になっています。大航海時代、覇権国として植民地支配を世界でやっていたのも今は昔、数百年で落ち着いた国になっています。

そんなポルトガルのリスボンは、54万都市。観光地として大人気なのは、風光明媚な海のある街と共に、物価も安く、治安も安定しているからです。女性二人旅も多く、海産物が大好きな我々日本人にも馴染みあるタコ、イワシなどが

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【FREE】まちが完全に終わる政策:道路拡幅の影

【FREE】まちが完全に終わる政策:道路拡幅の影

まちが完全に終わる政策というのがいくつかあります。

その一つが「道路の拡幅」です。商店街などの密集エリアで道路の拡幅をするのには、別の目的があったりします。

道路を広く拡幅することによって、通りを安全にきれいにする、という名目は表向きには言われますが、今更人口も減って渋滞もないような地方都市に新たな道路や拡幅は実質的には必要がないわけです。だけど、道路の拡幅をすると沿道に用地買収、保証金が支払

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逆算開発の基本「段階型導線マーケティング」が事業の確度を上げる〜計画書より営業。補助金より売上〜

逆算開発の基本「段階型導線マーケティング」が事業の確度を上げる〜計画書より営業。補助金より売上〜

地域事業で最も重要なのは逆算開発です。まず投資をしてから営業するのではなく、営業してから投資をするって言うプロセスを徹底しましょうと言うことを解説し続けています。

投資をしてから営業するのではなく、営業してから投資をするって言うプロセスを徹底しましょうと言うことを解説し続けています。

失敗するのは営業不足で失敗するわけです。営業しなくてお客さんが見つからず潰れる事はあっても、営業のしすぎで潰れ

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