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シャネルを紡ぐ手 アンヌ ドゥ ヴァンディエール展

理由はわからない。
いつから、なぜそう感じるのかさえも。

でもとにかく、何かを紡ぐ手というのは美しい。

たとえマニキュアが施されておらず、皺が刻まれ、傷だらけで、ささくれ立って、染みがあったとしても。

この美しい写真展からもう一年以上が経ってしまったけれど、彼らの美しい手と手仕事、それらを追ったモノクロの写真が集められた、心に残った写真展の様子を、ここに書き留めておこうと思う。

シャネルを紡ぐ手 CHANEL アンヌドゥヴァンディエール展 銀座 ネクサスホール 写真展 モノクロ 写真 職人 オートクチュール メティエダール パリ 刺繍 職人
シャネルを紡ぐ手 アンヌ ドゥ ヴァンディエール展
シャネルを紡ぐ手 CHANEL アンヌドゥヴァンディエール展 銀座 ネクサスホール 写真展 モノクロ 写真 職人 オートクチュール メティエダール パリ 刺繍 職人

“目は口ほどにものを言う” とは言い古されたことわざだけれど、手も口ほどにものを言う、と思うのは私だけだろうか。

手を見れば、その人がどんな人生を送ってきたかわかる - と言うと大袈裟かもしれないが、その人の美意識や、生活や、その人に纏わる “何某なにがしか” がふと垣間見えたりはしないだろうか。

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写真家アンヌ ドゥ ヴァンディエールがとらえた職人の “手” の数々…写真にはその職人の顔写真とコメントも付けられており、仕事や各々が手掛けるプロダクト、その技、それに対する思いなどがそれぞれに綴られていた。

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その写真とコメントから、さまざまな場面が思い浮かぶ。モノクロの世界は情報を限定している分、私たちの想像力を一層かきたてる。

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アトリエでせわしなく動く職人、集中して取り組んでいる時の空気感、コレクション前の殺伐とした雰囲気…。一見華やかな一流ブランドも、舞台裏に回ればその優雅さは一変し、一流を生み出すための厳しさを禁じ得ない。そんな苦労も汗も情熱も、一緒くたに写しているかのような写真たち。

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彼らの手によって、一体いくつもの、美しいプロダクトが生み出されてきたのだろう。

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シャネルの歴史を紡いできた技術を継承する職人たちの手は、それぞれにとても美しいものだった。

写真は全てモノクロ、“手” に焦点を当てて撮られている。どの手も、まるでその “人となり” を表すようで、そこから手仕事や、工房や、雰囲気さえも目に浮かぶ。

プロダクトと共に佇む職人たちの手はそれは美しく、彼らの手仕事と、生み出される逸品に、畏敬の念を抱かずにはいられないエキシビションだった。

(会期終了)
à mains levées シャネルを紡ぐ手
アンヌ ドゥ ヴァンディエール展
2022.8.31 - 10.2
シャネルネクサスホール

※ 挿入されている写真及び画像はすべて筆者の撮影によるものです。

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