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心に留めておきたい、食に関すること。
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#WAGYUMAFIA

前時代的な子供NGな東京のダイニングシーン

前時代的な子供NGな東京のダイニングシーン

アメリカの友人が国に帰るということで食事を一緒にすることにした。何食べたい?と聞くと、「いつもインスタにあげているウルトラハシゴをしてみたい」という、そんなリクエストにはすぐに受けて立つ。決まったのは夜の5時、そして子供2名、合計で6名の大所帯かつ金曜日の夜的なTGIFである。これは難易度高いなぁっと思いつつもまずは一息、WAGYUMAFIA DISTRICTにて合流。今日一日だけデビューしたチキ

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機能性と差別化を秘めた伝統技術の活かし方

機能性と差別化を秘めた伝統技術の活かし方

グランドオープンした『WAGYUMAFIA CUTLET SANDWICH KYOTO』では、新しい容器もデビューした。桐で作ったカツサンドケースだ。福岡県大川市、私の地元にも近い家具の町として有名だが、そこにある木材加工業者さんとのコラボレーションで作られたが桐の箱である。これは大変画期的なプロダクトなのである。

もちろんカツサンドが一万円を超える高額商品であるからこそ出来る芸当ではあるのだが

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WAGYUMAFIA JAZZ NIGHT

WAGYUMAFIA JAZZ NIGHT

昨日は『WAGYUMAFIA』で恒例のジャズナイトが開催された。このイベントは、トリオのジャズプレイヤーを招いてライブ演奏をしながら料理とのペアリングを行ってもらうというものだ。
その内容はいつもハイクオリティで驚かされる。トランペットの村田さんに感謝したい。

もちろん提供する料理も演奏される音楽にあわせて考えられていて、そのメニューはナンバーを連想させるようなものばかり。当然普段のメニューにア

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最後のミッシングピース、指宿の本枯鰹節の生産現場を訪ねて

最後のミッシングピース、指宿の本枯鰹節の生産現場を訪ねて

僕らにとって最後のミッシングピースだった。

ついに鰹節の生産現場の見学にやってきたのだ。取引している鰹節屋さんとは付き合って10数年、なかなかタイミングが合わず実現できなかったのだが、実はドライエイジを始めてからずっと立ち寄りたかったのはこの鰹節の最前線だった。今回は何度かコラボもさせていただているかつお節の伝道師ことかつお食堂店主のかつおちゃんこと永松真依さんのご紹介により鹿児島の薩摩半島南端

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世界一の昆布を訪ねて羅臼へ(後編)

世界一の昆布を訪ねて羅臼へ(後編)

昆布漁の朝は早い。海が静かで白旗が上がれば漁の出航が許される合図である。6時に出航する漁師たちみんなワンオペだ、一人乗りの小さなボート浜辺近くのポイントに各々向かうのだった。使う道具もレトロだ。マッカと呼ばれる竿、そして船上から水面を見るための箱メガネ、持ち手がないので手前を歯で噛んで水中を覗きながら器用にマッカで手繰り寄せる。羅臼の昆布漁師の歯は丈夫だという。6時からの操業で10時まで、だいたい

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日本の夏に似合う素麺

日本の夏に似合う素麺

久しぶりに日本の夏を満喫している。汗だくになってから先輩経営者の奥様が作ってくださった素麺が最高だった。沖縄の皿に氷とともに泳ぐのが我らが揖保乃糸。そこに大葉とみょうがのみじん切りというシンプルイズパーフェクトなセッティングだ。高い揖保乃糸じゃなくて普通の揖保乃糸なんですと伝えられるが、揖保乃糸は本当に美味い。実はこの揖保乃糸、会社ではなくて協同組合だということを知っているだろうか?

帯には生産

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キッチンラボでの料理時間

キッチンラボでの料理時間

自宅をキッチンラボにする計画が進んでいる。パリに住むフランス人の友人のように毎年リノーベーションを重ねている。直近では20年選手だったらNATIONALマークの冷蔵庫が入れ替わり、そしてダクトも代わり、なんとコーヒーのローストマシーン用のカウンターも完備されるという進化ぶり。そして僕の愛するぬか漬け専用の冷蔵庫も完備された。このキッチンラボにはWAGYUMAFIAで必要なもののほぼすべてが揃ってい

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世界一の昆布を訪ねて羅臼へ(前編)

世界一の昆布を訪ねて羅臼へ(前編)

羅臼に来ている。どうしても見てみたかった昆布漁、突然ぽこっと空いた時間で訪れる場所を決めるのは早かった。僕がガキの時に初めて買ったのが羅臼昆布だったと思う。単純に強そうなネーミングだったというのが理由だ。そこから僕は羅臼フリークとなり、常に羅臼の昆布で出汁をとっていて、出涸らしの昆布は洗濯バサミで乾燥させて糠床の餌にしていたりこする。羅臼で昆布漁をされて55年になる井田一昭さんはこういう。大変な仕

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“国宝”を食べ比べてみた

“国宝”を食べ比べてみた

昨日、『WAGYUMAFIA THE BUTCHER’S KITCHEN』で十勝ロイヤルマンガリッツァ豚の食べ比べ会を開催した。このお店は私が関与した最初の場所で、このような特別な会を開催するには非常に適した場所だ。

以前にも触れた通り、十勝ロイヤルマンガリッツァ豚は、「美食の国」とも呼ばれているハンガリーの国宝にも指定されているマンガリッツァ豚を生体輸入し、日本の地で繁殖、飼育させた豚だ。現在

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最新キッチンガジェットとツールのアップデート作業

最新キッチンガジェットとツールのアップデート作業

最近、パーシャル(?)に引っ越したということもあって、新しいキッチン家具の再選定をしている。やっていることは大したことはない、家庭ユースというくくりの中で、技術革新されているところはアップデートしてみるということ、あとはマイ定番キッチンツールの選定だ。これは僕なりにベストだと思うものを確定させるという作業になる。この微妙な選定作業が、WAGYUMAFIAのキッチンづくりにも繋がっている。

アップ

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マンガリッツァ豚カツの取説(7月18日ランチセッションゲスト用)

マンガリッツァ豚カツの取説(7月18日ランチセッションゲスト用)

今日のコラムはULTRA TONKATSUランチ通称裏マフィアに参加してくれたゲストの方々への取説的なコラムだ。食べる前、食べた後、食べることを想像して・・・読んでもらえたらと思う。

そう、コロナで出会った思い出の味である。

氷の屈足湖にサウナで火照った身体を一気に冷やすために飛び込むというフィンランドのアヴァント企画、衝撃の映像で秒速で決めて訪れたのが帯広だ。相方の堀江が1時間ほど車で南走ら

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未だに化学調味料を否定する、勉強を忘れた無知なる人々

未だに化学調味料を否定する、勉強を忘れた無知なる人々

今年もこの時期がやってきたかーと思うのが、この化学調味料論議である。以前、僕の見解は以下のコラムでまとめてある。基本的にこの議論は科学を否定している人たちのある意味、危険な宗教的な発想にあると思っていて、僕はよく自らの料理においても、この化学調味料危険説を否定している。

基本的にアミノ酸が旨味成分であるということは科学的に解明されており、この解析作業事態が日本の食生活に大きく関わっているベースか

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化学調味料を否定する危ない食文化

化学調味料を否定する危ない食文化

昨日の何気ない日本のコンビニについてのコラムをポストした途端に、化学を否定する方々からのコメントを数本頂いた。だいたいの趣旨は、コンビニ=化学調味料・添加物に汚染されているから危ないという趣旨のものだ。こういう人たちのことを僕は無化調論者という、要は自然が一番いいという思想の人たちだ。

まずその最たる例が味の素に代表される旨味調味料だ。味の素の主成分はグルタミン酸ナトリウム(MSG)という旨味成

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家族愛溢れる中村兄弟と行くウルトラハシゴ渋谷編

家族愛溢れる中村兄弟と行くウルトラハシゴ渋谷編

久しぶりにウルトラハシゴである。

江戸っ子なちょい早時間から繰り出して、その日の気分と仲間のフィーリングで店選びをしていく。日本でしかできない究極のライブエンターテインメントツアーである、それが大人のウルトラハシゴ。今回は渋谷、そしてハシゴパートナーはラーメン界のベストブラザーこと中村兄弟だ。ラーメンの天才職人こと弟の栄利さんがニューヨークに帰国する直前ということもあって、ラストミニッツなハシゴ

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