浜田寿人 / WAGYUMAFIA

WAGYUMAFIAを作っている人

浜田寿人 / WAGYUMAFIA

WAGYUMAFIAを作っている人

最近の記事

エクストリームなUSツアー

今回のUSツアーは今までで一番タイトなスケジュールだった。水曜日に立って、日曜日に戻ってくる。その期間に移動距離はまあまああり、エクストリームな感じで3つのショーを行う。おそらくこの規模で開催できるのは世界広しと言えど、WAGYUMAFIAぐらいだろう。それは僕らが100都市を超えるポップアップ、合計で1000回は優に超える、回数でのチャレンジをしてきたからで、僕の海外チームもトップガンチームで構成されていて、入念な準備とともにこのエクストリームな旅程を乗り越えていく。 今

    • 夏の終わりの京都、圭子おばちゃんを偲んで

      僕の米国行きをあと押ししてくれたおばあちゃんのような親戚がいて、京都に行くたびに電話したり顔を出していたりしてたのだけど、最近はすっかりご無沙汰してしまっていて、つい先日急に電話が鳴った。圭子おばちゃんからだった。「寿人くん元気にしている?早く京都に来て会いに来てちょうだい、おばちゃんももう歳だから。」おばちゃんから弱気な発言を聞いたことは一切ない。おそらくこの時が初めてだったのではないだろうか。93歳である、一人でタクシーに乗り買い物にも行く。見た目と声だけはとてもその年に

      • あの時跨ぎそうになった僕らの銀座

        美術館に飾るクラスの写真があって、ちょっとしたご縁で額装作業に付き合うことになった。向かったのは銀座の伊東屋である。地下に行くとこれでもかというぐらいの額の種類があって、台紙ともに無限の組み合わせがある。額装作業もこの場で行うわけだから世界で一番高い額装屋の一つであるのは間違いない。 写真の点数は10点ほど、2時間ほど一つ一つの組み合わせを考えながら、選んでいく。支払いは100万円弱。以前、アートをやっていた時に頼んでいた小林額装では5万ぐらいだったと思う。そう考えるともの

        • WAGYUMAFIAの鐘の音

          WAGYUMAFIAの鐘のアイディアは、築地時代のマグロに遡る。当時の鐘の鳴りは5時少し過ぎだったように記憶している。ドミノ倒しのように3列から鳴り響く、ハンドベルの音が早起きのご褒美のように五臓六腑に突き刺さるのだ。昨日もAFURIの中村社長とそんな話をしていたが、WAGYUMAFIA THE PROGRESSIVE KAISEKIオープン時は全くボトルオーダーがなかった。「和牛だからシャンパン一本でも開けば色気が少し出るのにね」と色々な支援者に言われた。そこから必死にどう

        エクストリームなUSツアー

          年に一度の内視鏡検査にて自らの健康ストーリーを紡ぐ

          早朝のミーティングでZOOMミーティングをしながら下剤を2リットルを飲んでいると、イタリア人の友人から身体悪いのか?と何度も聞かれる。普通の人にとって見れば、上と下の内視鏡を受けるというのは一大事だが、僕は37歳から毎年必ず1度は受けている。朝おきてから下剤を飲みまくるというのと、午後3時ぐらいまで絶食というのがこの検査のダウンサイドだが、そこで得られる検知と安心感みたいなものは代えがたいものがある。途中麻酔で完全に眠って受けるタイプのドクターに変えたことがあったが、やはり僕

          年に一度の内視鏡検査にて自らの健康ストーリーを紡ぐ

          1席25万円のボクシングというエンターテインメント

          初めて有明アリーナに出向く、ボクシングの試合を10年ぶりぐらいに見に行くのだ。1席25万円である、ビジネスでやってきてなんだかんだで2泊で200万円ぐらいは使うのだろう。日本はリセールさせないからそこまで高くないよ、アメリカとかだとどんどん値段が上がっていくからね。古い友人との久しぶりの邂逅は、井上尚弥の試合があるから一緒にいかないか?だった。前座の試合、すべては観られなかったがメインカードの2本はしっかり観戦できた。日本人のマナーは素晴らしいよ、アメリカだったら対戦相手が出

          1席25万円のボクシングというエンターテインメント

          OUT OF BOXなやつらという最大の賛辞

          妻の誕生日をお祝いしたい、そんなメッセージから急遽キッチンインすることに。カウンターを埋め尽くした久しぶりのWM、7時から定刻スタートしたステージである。ALEXのミックスによる音楽がドライブをかけていき、馴染のゲストたちが自分たちの時間を送っている。南米のゲストがこういう、とある食の権威を連れてくるときに「WAGYUMAFIAって色物なんじゃないの?」と半信半疑だったようだ。セッションが楽しかったようで、常にメールが来るようになった。紹介した本人は「だからOUT OF BO

          OUT OF BOXなやつらという最大の賛辞

          レストランデザインにおける借景的な背景デザイン

          僕がスペースデザインをするときにこだわっているのは、画角を決めるということだ。これは映画時代に常に画角で考えていたということもあるが、簡単に言うと背景を決めるということだ。一番最初にデザインしたコポンノープものときもそうだったが、僕はいつもフレームワークの中にアートを入れるという背景デザインをしている。言い方を変えると箱庭を作るという作業に似ている。これは龍安寺の石庭を幼い頃に観て感じたことと、同時期に借景という美しい言葉に出会ったからだ。レストランにおいて借景という概念は空

          レストランデザインにおける借景的な背景デザイン

          Boléro (ボレロ 永遠の旋律)

          丁寧なベビーシッターを紹介してもらえたこともあり、娘を預けて、久しぶりに妻と水入らずで映画館に行こうということになった。昔はよく二人で映画に行った。映画を観るという行為と映画を観るという行為は、似ているのだけどだいぶ違う。紙の本を読むのと、デジタルの本を読むのとの差みたいなものだ。多くの人は同じだと言う、ただ僕の場合は明らかに違うのだから、違うのである。僕は映画館で観ることが好きなタイプだ。15年ほど映画の道を歩いたこともあり、今でも映画館は僕にとって神聖だ。 なにかを見に

          Boléro (ボレロ 永遠の旋律)

          台風直前に飛ぶ長崎で見た8割

          長崎プロジェクトの引き渡しのために、とんぼ帰りでの長崎入り。自転車並みのスピードの台風とにらめっこしながら、あと一日遅れていたらアウトだったなと香港からこのためにやってきてくれたジェロとともにフライトへ。到着すると現地施工会社からいきなりお詫びをされる、要するに工期が間に合わなかったらしい。デザイン会社と僕らのスタッフは前日入りして細かな内容のチェックをしている。彼らからも8割ぐらいの完成との報告を受けている。想像しない大きなプロジェクトである、こういうことは想定内ではあるが

          台風直前に飛ぶ長崎で見た8割

          コースメニューに組み込む揚げ物の威力

          コースメニューにおいて揚げ物が果たす役割は大きい。油脂感とサクッという食感が、コースの流れにアクセントをつけるのだ。今日はパナマ大使が帰還されるということで自宅で急遽ランチを振る舞うことになった。ゲストが来るホームパーティーモードの際はこの揚げ物が役に立つ。作り込んでおくのはソースのみ、あとはいつも通りそのときの気分と会話でコースを設定していく。すぐに出すもの、30分後に出すもの、1時間後に出すもの、2時間後に出すもの・・・といったふうに大体の完成時間をずらしていくのが僕のホ

          コースメニューに組み込む揚げ物の威力

          人間は44歳と60歳の2回老化するフェーズがあるらしい

          気づくと84キロだった。そんな衝撃的投稿をしたのは今年の前半だった。偉そうにダイエットは論理的に臨めば全く難しくないと吹聴していたくせに、このざまである。僕は基本的には73キロぐらいが一番パフォーマンスが高い身体だ。アイアンマンも67キロ〜73キロぐらいでいつも完走していた。70キロ後半に差し掛かり、80キロはまさか越さないだろうと思っていたら気づいたら越していたというありがちなシナリオというのがコロナが終わった直後の僕だ。 そこから7キロ弱を落として、筋肉量も非常に高いレ

          人間は44歳と60歳の2回老化するフェーズがあるらしい

          餃子とサウナで語る夜、そして動き出すプロジェクトの未来

          戦略的に攻めている海外事案が動き出すときはなぜか一斉に動き出す。今回は国内のオープニングも大型店舗が2つあるということで、色々なパラメーターをしっかり管理していく必要がある。例のごとく休む暇も全くなく、中東ツアーから帰ってきてから慌ただしく朝からミーティングが続く。直近の事案も含めて、海外を取り巻く体制の2〜3年後を考える、そんなミーティングも入れていく。動き出したら突然2年後になっているなんてことはざらだ。今は無駄な取り組みかもしれないが、現時点から動いていないとその時に考

          餃子とサウナで語る夜、そして動き出すプロジェクトの未来

          Shukran, Jordan!

          ヨルダンでのすべての公式日程が終わった。最終日に宮殿にてヨルダン国王より直々にこれまでの同国への貢献を賞して即位25周年を記念するSilver Jubeliee medalを頂くこととなり、大変名誉なイベントでのフィナーレとなりまた記憶に残る訪問となった。WAGYUMAFIAにとってヨルダンとのつながりはとても長い、むしろ僕らの方から同国へ感謝の念を伝えないといけないそういう立場なのだが、中東のこの国は黎明期より僕らの活動を支援してくださっている貴重な国である。ヨルダンがあっ

          国境の町アカバで味わう静かな贅沢と歴史の余韻

          ヨルダンで唯一海に接しているアカバ、イスラエルが目視出来る県内にいることもあり、近くに来るとGPSがジャミングされて使えなくなる。戦争が始まってから観光客は激減したと友人は語った。海外からのインバウンドも急遽取りやめになることも多いという。少し先に進むとサウジアラビアだ、国境がもう少し違ったらヨルダンも石油産出国になった。中東のスイスと呼ばれるヨルダン、各国の大使館の多くがアンマンに集まることでもそう言える。こののどかな紅海の水面からキラキラとする光を見ているとどこか優しい気

          国境の町アカバで味わう静かな贅沢と歴史の余韻

          超えるべきは自分ではない:賢者が経営を加速する

          経営において一番重要なのは、自分が賢くなることではなくて、自分よりも賢い人をいれるということだ。少しでも成功してくると経営者論とか語りたくなるのが経営者の常だが、はっきり言って聞いてみてもたいていが大したことない内容であるのがほとんどだ。それでもなんとなくの後ろ支えが欲しいから、人はHow to や Best practiceを聞きたがる傾向にある。「メインコース何にする?やっぱ肉?それとも魚?」そんな同調的な会話に似ている。 僕よりも若い人から相談受けたら、まずは適任の経

          超えるべきは自分ではない:賢者が経営を加速する