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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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#哲学

もしトラと田中美知太郎

もしトラと田中美知太郎

「もしトラ」という言葉が、ニュース関連で飛び交っている。うまいこと言ったものだ、とも思うが、もうあの「もしドラ」が流行したのが15年近く前だと知ると、複雑な気持ちになる。あのとき私もドラッカーは読んだ。教会運営についても声を出していることを知り、教会でも参考にしてみたらどうか、と提言してみたことがあるが、全く関心を寄せてもらえなかった。教会には、「イノベーション」という概念が入り込む余地がないよう

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インフルエンサー注意報

インフルエンサー注意報

スカッと答える人が偉く見えることがある。
 
多くの人が、何か言いたいのだけれど、うまく言うことができない。そこで、誰かがスパッと言ってくれると、そうだそうだ、と支持するようになるわけだ。
 
あるいは、実は事態がよく分からない中で、バシッと発言している人がいたら、その自信ぶりを信頼して、この人ならきっと正しいことを言っているのだろう、と思ってしまうのかもしれない。そうして、思い切り意見を叩く人は

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言論が含みもつ危険性について

言論が含みもつ危険性について

慎重に、いろいろなケースを想定しながら話をする人がいると、聞いていてもやもやする。それに対して、自信満々に物事をきっぱりと言い切る人は、言うことが分かりやすくて、なんだかカッコいい。これはこうなんだ。何々は何々に決まっている。そんな強い言い方をぐいぐいと続ける人は、正しいことを言っているように見えて仕方がない。
 
その心理が、理解できないわけではない。だがもちろん、それは危険なことだ、というのが

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『精神現象学』(100分de名著)に学ぶ

『精神現象学』(100分de名著)に学ぶ

NHKEテレの「100分de名著」も、ずいぶん長く続いている。始まるときのこともよく覚えている。よい番組だ。よくつくりこんでいる。先月には、新約聖書の福音書が、若松英輔さんのよいリードで紹介された。聖書を、読んでみようという気持ちにさせる番組となった。制作者自身がそういう心になったし、世間の評判もよいようだ。これは特筆すべき現象である。
 
これをどうしてキリスト教界がもっとバックアップしようとし

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SDGs

SDGs

もはや流行語のように飛び交っている「SDGs」。ずいぶんと知れ渡った。Sustainable Development Goals まで覚えている人も多いし、日本語でいう「持続可能な開発目標」も、ニュースなどでおなじみである。
 
2015年の国連サミットで、加盟国の全会一致で採択された、と「外務省」のウェブサイトにもはっきり書いてある。17の目標があることはよく知られているが、それが2030年まで

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メメント・モリ (死を忘ることなかれ)

メメント・モリ (死を忘ることなかれ)

新型コロナウイルスの感染者が、2022年になって急増した。不思議なもので、そのピークが去ったと判断したら、様々な規制を解除しようとしている。もちろん、商売が成り立たないという状態の人は気の毒である。だが、解除という文字で、もう大丈夫だと警戒心も思いやりもなくしていく人々が少なからずいるという点だけが問題なのであって、そのためのお上のお墨付きがそうした人を正当化するという構造さえなければ、私はどうぞ

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