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たにかつコラム

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#コラム

人の「居場所」を作る(南九州新聞20220205掲載)

人の「居場所」を作る(南九州新聞20220205掲載)

私の所属するNPO法人ルネスかごしまの主要な活動の一つに「居場所を作る」活動がある。

現在は、「ひだまりカフェ」鹿児島市で、土曜日はかごしま市民福祉プラザ、日曜日は鹿児島市名山町3-20のコミュニテースペース「バカンス」で、10時から13時半まで開催、「ひだまりカフェ・姶良」姶良市脇元「なぎさの家」の地域交流館にて、第2・4月曜日の10時から14時、を開催している。いちき串木野市では、お試しとし

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「人はなにからでも学べる(のではないか)」南九州新聞20220129掲載

「人はなにからでも学べる(のではないか)」南九州新聞20220129掲載

麻雀が好きだ。
今は無き桜デパート寿店に、お試し用として置いてあったパソコン(今思えばPC9801か8801)に簡単な2人麻雀が入っていて、そのころはルールも役もわかっていなかったので、とにかく鳴ける牌は鳴いて、テンパイ料をもらって勝つという方法で遊んでいたのが小学校3年生ぐらい。だから、もう35年くらいやっていることになる。

ゲームとしての完成度はもちろんなのだが、人とやるからこそ生じる、心理

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南九州新聞掲載コラム2「本当の『聴く』とはどういうことか」

南九州新聞掲載コラム2「本当の『聴く』とはどういうことか」

本当の「聴く」とはどういうことか

鹿児島市を中心として、困りごとを抱える人、苦しい思いをされている方と、一緒にこれからを考える活動をしています。具体的には、居場所の運営をおこなったり、生活困窮状態にある方への食材支援・子どもさんへの無料の学習支援、不登校やひきこもり状態の方やそのご家族への支援、DVやハラスメント、差別や偏見に対する相談や支援、支援者への支援などなどをおこなっているわけですが、そ

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将棋のタイトル戦(南九州新聞2022.01.15掲載エッセイ)

将棋のタイトル戦(南九州新聞2022.01.15掲載エッセイ)

将棋の4冠王、藤井聡太さんが王将戦第1局で持っていたバッグが話題だという。噴煙を上げる桜島をモチーフに、灰の内側には「Hi!」という文字が書かれている。鹿児島のご当地グッズを販売する「カゴマニア」の商品で、1月10日の王将戦でお披露目されるや、11日には注文が殺到し、夕方時点で在庫切れ。現在は次回入荷予定分の注文を受けているとのこと。将棋の世界だけにとどまらない「藤井フィーバー」を、鹿児島の企業が

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カウンセラーのカウンセリング(スーパービジョン)について

カウンセラーのカウンセリング(スーパービジョン)について

これまでに、傾聴・カウンセリングの紙上講座として、傾聴のポイントである「黙って聴くこと」「あいづち・うなずき」について書きました。それから、カウンセラーとしてできないことを認識し外部の資源を使う「リファー」について書きました。また、傾聴者・カウンセラーとしての心構えのようなものもいくつか書いてまいりました。

詳しくはこちらのマガジンをご覧いただければと思います。現在12本。

今回は、カウンセラ

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話を聴くのは体力がいる

話を聴くのは体力がいる

傾聴を少しづつ学んでいくにつれて、「黙って聴き・うなずいたりあいづちをうったり・おうむ返しをしながら」「相手の主訴はなんだろう」「相手に自分ができることは何だろう」と思いながら話を聴き、「自分の動きや言葉、一挙手一投足に対して、相手がどのように感じるだろう」と想像しながら話を聴くようになっていきます。

日常の会話(コミュニケーション)と全く異質な思考、動き、五感を使って、まさに全身で聴くというこ

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めったにフォロー解除しない私がフォロー解除をしてしまう条件(極私的Noteの読み方2)

めったにフォロー解除しない私がフォロー解除をしてしまう条件(極私的Noteの読み方2)

「無人島に一冊だけ本を持って行けるとしたら」、という質問に「広辞苑」と答える活字中毒のたにかつです。理由は、自分でたくさん書けばいいから。

昨日、「ちょっとでもいいと思ったらフォローしちゃうから、フォローしているアカウント数が増えて大変」という文章を書いたところなのですが、今日は、そんな私でもフォロー解除をすることがあるよ、という話です。

基本的に、ちょっとつまんないとか、誤字脱字があるとか、

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極私的Noteの読み方

極私的Noteの読み方

Noteに毎日投稿をするようになって3か月なのだが、その前からNoteを読んではいたので、一周年記念のバッジは持っているたにかつです。

そもそも、読むものが無ければ電話帳でもいい、というくらいの活字中毒なので、毎日書くようになった今でもたくさんのクリエイターさんの投稿を読ませていただいている。とはいえ、書いていなかった9か月に比べるとログインしている時間も長くなっているので、以前よりははるかに多

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私たちが日々を楽しく(充実して)生きるのも、立派な支援の1つです

私たちが日々を楽しく(充実して)生きるのも、立派な支援の1つです

「あらゆる悩みや苦しみ、生きづらさを一緒に考える」団体、NPO法人ルネスかごしまのたにかつです。

様々な人の相談を受けつけているのですが、10代~20代の方の相談も多くいただきます。

たとえば、「生きている意味がわからない」「自分は価値が無い」「人生がつまらない」「毎日しんどい」。このような相談に、あなたはどうこたえるでしょうか?

カウンセリングの基本は傾聴ですから、「そんなことないよ」とこ

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うなずき、あいづち(傾聴・カウンセリングのポイント2)

うなずき、あいづち(傾聴・カウンセリングのポイント2)

毎週水曜日に鹿児島市で「伴走型支援者養成講座」というものをやっている、たにかつです。この講座は、主に傾聴やカウンセリングなどを用いて、困りごとや生きづらさのある方の支援を、中長期的に行う人である「伴走型支援者」を育てようとするもので、2018年の7月から開始して、途中春休みや夏休みなどを挟みながら継続して行っています。今年度は、来年の2月まで行う予定です。3月はNPOの書類が忙しいのでお休み。

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バズる必要は無いなと思っている

バズる必要は無いなと思っている

5月19日にNoteの投稿を始めて、2か月ほどが過ぎた。
5月21日から毎日投稿しているので、今日で80日になる。
最初のうちは、やはりPV数に一喜一憂して、ダッシュボードも公開していて分析など行っていたのだが、1か月目に行った公開分析を最後に、公開はしてこなかった。

Noteをこれから始める人や、始めたばかりの人に役に立つ(かもしれない)から、PVが増えることはわかっている。それなのにやらなく

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自分が心地よい場所が無かったから、自分で作るしかないと思った

自分が心地よい場所が無かったから、自分で作るしかないと思った

毎週土日に、行けば誰かがいて、話をしてもしなくてもよく、お茶やお菓子があって、遊ぶことも、学ぶこともできる「ひだまりカフェ」をやっているたにかつです。

この活動をして3年経つのですが、「どうしてこういう活動をされているのですか?」とか「こういう場所を作りたい」といったことを言ってくださることが増えてきました。

なぜ続けるのか、については、Noteに一番最初に書いたので、こちらをお読みいただけれ

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身近な人に、喜んでもらうことができていますか?

身近な人に、喜んでもらうことができていますか?

「ひだまりカフェ」という、毎週土日に相談もできるカフェを開いていて、毎週水曜日には「伴走型支援者養成講座」という傾聴やカウンセリングの講座も開いているので、うちには「困っている人のために、何か役に立ちたいんです」という方が結構いらっしゃる。

「誰かのために何かをしたい」という気持ちは、本当にありがたいことで、そう思ってくださる方が増えることが、お互いを思いやり、支えあう、本当の意味での「共生社会

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人目を気にせず、好きなものを好きだということ

人目を気にせず、好きなものを好きだということ

 大学の裏にある寮に住んでいたので、寮を見てみたいというクラスメイトが何人か遊びに来たことがあった。 築80年とかになる寮で、3人で24畳の共同部屋。狭いスペースと、染みついた歴史。個人のスペースには畳ベッドと机いす、本棚くらいしかなかった。

 クラスメイトの中では、かわいい子だなあと思って気になっていた子もいたので、内心緊張していた私に、その子がその本棚を見て、「節操がないなあ」と言ったのでわ

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