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Takuya‘s selection

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響いたnote記事をまとめています。
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記事一覧

「何が得意か」など考えても仕方がない

これまでの長いこと、キャリア論においては「好き」と「得意」の重なる領域から仕事を選びなさいとアドバイスされてきました。例えば組織開発・キャリア開発における教祖であるエドガー・シャインは、キャリア選択において

1:自分は何が得意か?
2:自分は何がやりたいか?
3:社会的意義があると感じるのはどのような活動か?

という三点をよく熟慮すべきであると指摘しています。

皆さんもこのようなアドバイスを

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仕事選びと人生 

二ヶ月ほど前に「自分らしさの罠」というテーマで記事を上げました。

この「自分らしさ」というのは、特に仕事選びにおいてはとても重要な選択の基軸だと考えられていますが、この記事では、そもそも「自分らしさ」などというものは探して掘り当てられるものなのか?そこにこだわりすぎるのはそれはそれで一種の病ではないか、という指摘をしました。

本当に「自分で選ぶ」とはここで一つの質問をしてみましょう。

新卒で

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「自分らしさ」の罠

「歌は世につれ、世は歌につれ」と言う言葉がありますよね。

これは「歌は世のなりゆきにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に左右される」といった意味だけれども、では近年のヒット曲の歌詞を並べてみると、そこにどのような「世」が炙り出されてくるのか。

一つ明確な傾向として指摘したいのが、21世紀に入ってからの「自分らしさ」を称揚する歌の台頭です。例えば「自分らしく」、「僕らしく」、「君らしく」という

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25歳の君へ

25歳の君へ

今、君は絶頂の中にいて、私が言うことは何一つ聞こえないと思う。アスリートはそれでいいし、それでこそアスリートだよね。だから今は余計なことは耳に入れないで頂点を目指してなりふり構わず自分を高めていけばいいと思う。

ただ、いつまでも続くと思っている現役生活もいつか終わりが来る。そのいつか来る引退の時、もしもこの言葉が頭の片隅に残っていたら少しは助けになるかなと思って、今日は説教ぽいことを書いてみよう

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人生における「立地」の戦略

20世紀後半を代表する現代アーティストのアンディ・ウォーホルは、インタビュアーからの「アーティストとして成功するための秘訣は?」という質問に対して、次のように答えています。

このウォーホルの木で鼻を括ったような回答は、経営戦略論におけるポジショニング理論の本質をよく表していると思います。

アーティストと同様に、企業もまた同様に「しかるべき時に、しかるべき場所にいること」が重要だ、と考えるのが

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人はなぜスポーツをするのか※2024年春51号

人はなぜスポーツをするのか※2024年春51号


【人はなぜスポーツをするのか】

スポーツをする人口は三〇億人を超えると言われている。人びとはワールドカップや五輪に熱狂し、大谷翔平選手の一〇年間の契約金が一〇〇〇億円を超えた。子供たちがスポーツを行うことも、地球上のあちこちで見られる。

 しかし、元アスリートながら思うのだが、スポーツなんてなくても人は生きていける。適度に運動し、適度に食事すればそれで健康は保たれる。やり過ぎればむしろスポー

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キャリアというゲームの構造原理について

先日、昨年から書き進めていた「クリティカル・ビジネス・パラダイム」をついに脱稿しました。かなりの分量の原稿を最終工程で削ぎ落としたので、本が出版されたら、おいおいこちらのNOTEでボツになった原稿を共有していきたいと思います。

さて、ということで、これからは次の書籍の企画に時間をかけていきたいと思います。漠然と考えているテーマは「これからの生き方・働き方」といったもので、前回と同様、書きかけの原

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スポーツはなぜこんなにもクソ憂鬱なのか。敗北について、またはそれらの責任は誰にあるのか。

スポーツはなぜこんなにもクソ憂鬱なのか。敗北について、またはそれらの責任は誰にあるのか。

いやあ、うまくいきませんね、本当に。全然うまくいかない。これは、人生というのはうまくいかないように緻密に設計されているんじゃないかと思うくらい うまくいかないです。

でもそれは勘違いです。人生がうまくいかないのではなく、スポーツがうまくいかないだけです。スポーツはうまくいかないことを生成し続ける装置ですから。

「する」でも「みる」でも「ささえる」でもこの際 どうでもいいのですが、とにかくスポー

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『なぜ超一流アスリートはジョーダンの真似をしないのか?』大谷翔平とマイケル・ジョーダンとタイガー・ウッズ

『なぜ超一流アスリートはジョーダンの真似をしないのか?』大谷翔平とマイケル・ジョーダンとタイガー・ウッズ

俺らの大谷翔平と、スポーツブランドのNew Balanceが発表したパーソナルロゴ(大谷翔平シグネチャーロゴ)について、どうなんだ?と考察欲が止まらないので吐き出してみたいと思います。

前提の整理まず大前提として「大谷翔平だから何したって(どんなロゴ作ったって)どっちにしろ大谷翔平」という意味不明なことを言いたいと思いますが、つまり何したって注目は集められると思うので、「(純粋に)ブランディング

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オースティンの「高慢と偏見」を読んで考えた「本当のお金持ちとは?」という問題

先日、久しぶりにジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を読み直していたら、ダーシーの年収に関する記述のところでふと考え込んでしまったんですね。

前に読んだ版にはそんな解説があったかどうか・・・今回読んだ版には、ダーシーの年収に関する箇所に注意書きがあって、そこを読むと「現在の貨幣価値に換算しておよそ一億円」とあって、僕は「ええええ!?」と思ってしまったわけです。

現在の東京で年収一億円というと

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日本代表のジャージを着崩して怒られるアスリートの価値

日本代表のジャージを着崩して怒られるアスリートの価値

今年のパリ・オリンピックで、スポーツにおける美的感覚的なもの、なにが美しいとされるか、何がかっこいいとされるか、何がメインストリームとなるか、が一方向性を持って定まっていくような気がしています。タイミングもあるし、パリという街で行われるということも手伝うと思います。2019年の女子ワールドカップ フランス大会もそのような役割を担い、あそこから女子サッカーのムードが決まった印象があります。パリという

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カモになっておけば良い案件がくるよね、という考え方

カモになっておけば良い案件がくるよね、という考え方

こんにちは!

今日は先日とあるエンジェル投資家の方から聞いた面白い話があったので、それを共有したいと思います!

結論から言うと、「カモに思われないと良い案件は来ない」と言うところです。

どういうこと?どういうことか分かりづらいと思うので、丁寧に説明します。

まず前提として、世の中には投資家と呼ばれる人たちがいて、色々なスタートアップ企業などに投資をしたりします。これは借金などとは違って「お

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経験を積むには「失敗を楽しむ」

先日、体験が欠乏すると学習に大きな問題が出かねないこと、体験さえ重ねればその問題を解決できる可能性があることを紹介したら、ずいぶんとバズった。その折、「できるだけ子どもに体験させてやろう」というご意見をたくさんいただいた。その際、注意いただきたいことを。

自然のある場所に連れて行ったり、一緒に料理をすれば体験が増える、という風に思われがち。でも、もしそれらが子どもにとって「押しつけ」になってしま

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夢をみること

夢をみること

子どもを産んでから今日まで、授乳やらオムツやらのお世話のある子が乳児の時期を過ぎても例えば冬、寝相のとにかく悪い娘ふたりがお布団を蹴とばしておへそ丸出しになってへんかとか、もしくは夏、クーラーのタイマーが切れた明け方に玉の汗を額にかいて唸っている子がいてないかだとか、そのような諸々が気になって夜中に何度も起き出してしまうもので、結果私はあまり夢というものを見ないのだけれど、つい最近、触れればちゃん

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