マガジンのカバー画像

蛸文(たこふみ)の読書記録

233
僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

【誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論】問題を見えなくしてしまうのが問題

【誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論】問題を見えなくしてしまうのが問題

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜特定の人を拒否する排除アート〜「排除アート」とは何か。
ある特定の人を公共の場から拒否するために設置されたもの、である。
具体的には、ある特定の人というのはいわゆる「ホームレス」と呼ばれる人々であり、公園やバス停、駅のベンチには、不自然なオブジェや手すりが設置される、座面を細くする、段差や傾斜などをつける、等で人が寝転がれないようにされたものである。また、段

もっとみる
【詭弁論理学】「議論にヨワイ人」の救いとなる一冊

【詭弁論理学】「議論にヨワイ人」の救いとなる一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜様々な詭弁・強弁を網羅した一冊〜非常に面白い一冊に年の最後に出会えたと思う。

タイトルの示す通り、本書はあらゆる詭弁・強弁の正体をみやぶる内容となっている。
「論破」という言葉が流行ってしまっている現代において、「議論」における勝ち負けに異様にこだわる人々が増えた。
価値の有無が疑わしい「議論」の勝利に貪欲な人々が、あの手この手で相手を言い包める姿を見る

もっとみる
【遅考術】考える、を取り戻す

【遅考術】考える、を取り戻す

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜遅く考えた方が良い〜結論を急かされたり、即答出来ないと批判や皮肉を言われたりする昨今。
「結論をすぐに出せる人=頭の回転が早い=頭の良い人」というイメージが強いような気がする昨今。
人々は何でもかんでも結論を早く知りたがり、「ファスト教養」なんていう言葉も生まれてしまった昨今。

もともとじっくり考えるのが好きな僕がこういう世の中に嫌気がさしていた頃に、こ

もっとみる
【文化大革命 人民の歴史 1962 - 1976】人民からみた文化大革命

【文化大革命 人民の歴史 1962 - 1976】人民からみた文化大革命

オススメ度(最大☆5つ)
採点不可

〜文革初学者の僕にはこの本の価値が測れない〜積み本の中に話題のSF「三体」が控えており、その中に中国近代史における大きな出来事「文化大革命」に関することが書かれているらしい、という前情報を得た僕は、「三体」を読む前に文化大革命について勉強するためこの本を読んだ。

僕自身、文化大革命、という出来事については「なんか毛沢東が中国の人たちを支配してた出来事でしょ?

もっとみる
【予想どおりに不合理】自分の不合理な行動や決断は予想出来る、という希望

【予想どおりに不合理】自分の不合理な行動や決断は予想出来る、という希望

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜他の名著と内容が被るところは多々あり〜「影響力の武器」「ファスト&スロー」「行動経済学の逆襲」などなど、心理学や認知科学、行動経済学の分野が好きで、それに関する名著はこれまで数々読んできている。

本書も行動経済学関連の本の中では名著として挙げられる一冊である。

同じような題材の本をいくつか読んでいると、その内容はいくらか被ってくるところがあり、実は本書の

もっとみる