- 運営しているクリエイター
記事一覧
「わからない」という方法(著:橋本治)読書感想文
「わからない」という方法(著:橋本治、集英社新書、2001)
本を読んで自分が思っていることを先回りされて既に書かれているという経験はないだろうか。
私はこの本を読んでその経験をした。
自分がこの著者に対して思っていることを逐一著者自身が語るので正直感想文には困る本である。なぜかというと感想文はもうその本の中に十分すぎるほどあるからである。
この著者は馬鹿なのかと思うと自分は馬鹿かもしれない
読書感想文: オッペンハイマー 原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか
オッペンハイマー 原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか(著:中沢志保、中公新書、1995)
映画『オッペンハイマー』公開にあわせて読んだ。
オッペンハイマーという人間がよくわからなくなった。
いや、わかりたいから読んだのだが、映画を観て本を読んでますますよくわからなくなった。
矛盾している。原爆開発・核の国際管理は推進するが水爆開発は非難する。
「科学者は罪を知った」と言いながら。
そして戦後は水
おとなになるってどんなこと?(著:吉本ばなな) 読書感想文
おとなになるってどんなこと?(著:吉本ばなな、ちくまプリマー新書、2015)
この抜粋した箇所からは映画『シェルタリング・スカイ』の中でポール・ボウルズが言う台詞を連想しました。
「人は自分の死を予知できず、人生を尽きぬ泉だと思う、だがすべて物事は数回起こるか起こらないか。自分の人生を左右したと思えるほど、大切な子供の頃の思い出も、あと何回心に浮かべるか4〜5回思い出すのがせいぜいだ。あと何回
「違うこと」をしないこと(著:吉本ばなな) 読書感想文
「違うこと」をしないこと(著:吉本ばなな、KADOKAWA、2018)
違和感を信用する。常識を疑う。直感を大切にする。自分に正直に生きる。流れに対して自然でいる。
人の顔色を伺う癖がばななさんは強いんだなと、それと危機感を察知する処世術がすごい。
そういう人って敏感すぎて人生に疲れちゃう気がするんだけどばななさんの場合は人を観察するのが好きで嫉妬したり感情的になることがなかった。
あとはじめ
さよならのあとで(詩:ヘンリー・スコット・ホランド、絵:高橋和枝) 読書感想文
さよならのあとで(詩:ヘンリー・スコット・ホランド、絵:高橋和枝、夏葉社、2012)
この本は英国教会の神学者、哲学者のヘンリー・スコット・ホランドが書いた42行の詩を翻訳したものです。
実は自分、先日3月11日に祖母を亡くしまして、そこである方からこの本をお薦めいただき読んでみました。
まず冒頭を抜粋してみると、
冒頭のこの箇所からして元気づけられます。
ここで思ったのは、死とはどうしても悲