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ひよこクラブVol.011 〜 PBL型授業・アクティブラーニングがどうしても必要な理由 #4 〜

 反転授業は、ひとことで言うと、「一人でも可能な知識の部分の学習を生徒が家で行い、学校の授業では家での知識系の学習を前提とした、生徒個々人の解法や思考課程をみんなでシェアしたり教え合って深めること」です。誤解を恐れずにいうならば、今まで学校でやっていたようなことを自宅で行い、宿題や応用など自宅でやっていたようなことを学校でやる、といったイメージです。「反転」の由来ですね。
 そのために明確な指示と、動画やスライド、プリント等の配信が必要です。また、生徒の学習の進捗状況の確認と、知識の定着度の確認が前提になるので、学習の進捗状況についてはICTを活用して事前に質問やわからなかったこと、気づいたことなどを生徒からアンケート等で収集して次回の授業に活かし、知識の定着度は学校での授業の最初に小テストや前時の振り返りとして行うのが一般的です。

「そんなのうちの学校では無理。まともに宿題に取り組む生徒なんてほとんどいないから」

と思ったみなさんもいらっしゃるかもしれませんが、全部移行する必要はありません。一部反転させて講義型とハイブリッドにしたり、生徒が自宅で行う量を絞り込んだり、内容やレベルを調整して生徒にハードルを感じさせないところから行います。
 それでも無理そうな場合は、反転授業なんてそんな最先端なことなんか置いといて、授業中に生徒のオリジナルなアイディアを考えさせる機会を増やすように心がけるだけでも違ってきます。ただ、そうすると進度が遅れてしまう可能性が出てきます。アクティブラーニング反対派の先生方の意見根拠の多くが「そんなことやってたら授業時間がいくらあっても足りなくなる」です。
 だからこその反転授業……と、堂々巡りになるわけですが、あまりムキにならないことです。たしかに思考力や想像力の土台には知識が必要なのですから。ただ、早晩、「知識豊富であること」の価値は下がります。なぜなら私たち学校の先生を遥かに超えたグーグル先生などの高度な検索システムがすっかり構築されているからです。これに伴って、「知識を得ること」から、「得た知識を使ってどんな社会貢献ができるか」にシフトしつつあります。「もの知り博士」から「知識組み合わせ上手(つまり創造者です)」を育成していくことが喫緊の課題です。

 ちなみに、グーグル先生と言わず、ワトソンくんなどのAIが、これまでの学校の先生の仕事の中で主に知識の伝授のところを担っていくことになります。択一問題はとっくの昔からですが、今や論述問題や小論文などの採点でさえ、AI先生が一部の大学や企業で実戦配備されています。

 じゃあこれからの教員の役割はどうなるのでしょう? 

 ひよこ先生方、ぜひ考えてみてください。

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