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SDGs・探究への招待 #008~ほぼ間違いなく面接で聞かれるコロナに関して、備えておくべき観点2つ + 差をつけるネタ1つ~その3

Stage1 コロナ禍での社会的事象の中から発見した問題を挙げ、(前回の記事)
Stage2 その問題を、社会をより良くするきっかけ(課題)としてポジティブに捉え直し、(今回の記事)

ときまして、今回は…………

Stage3 自分の意見をどう構築するか?

についてです。

 みなさんにしてみれば、ここの部分はまさに各論での話がほしいところだと思いますが、そうなるとほぼ個別でないとできませんので、これまで通り総論で進めたいと思います。でも、きっとお役に立てると思います。

8 自己と社会をつなぐ~論の構築~

一般的には、以下のような立て付けでよろしいかと思います。小論ベースで書きます。面接の回答の場合は②③④をグッと圧縮します。

①問題提起(問題の所在)
②現状指摘(事実とデータ)
③現状分析1
④現状分析2
⑤今後の課題・展望

これをもう少し具体的に書きますと、

①問題提起(問題の所在)
 →なぜそのテーマ(社会的事象)を選んだか?(動機)を語る。
 →そのテーマ(社会的事象)を解決することで、どんな良い社会的影響を与えられるか?(意義)を語る。

②現状指摘(事実とデータ)
 →データを提示し、そのデータの変化・推移の激しい事項について原因を推論する。

③現状分析1
 →データを元にメリットを指摘する。

④現状分析2
 →データを元にデメリットを指摘する。

※③と④は順序が逆でもかまいません。論の展開の仕方次第です。大切なことは苦しくてもメリット・デメリットの両方を挙げることです。どちらかだけではいけません。客観性が失われ、説得力がなくなります。

⑤今後の課題・展望
 まず、今後の社会像について、データをもとに推測する。←ここ、大事です。
 データから導き出す客観的な未来像です。この時点ではネガティブな未来像が導き出されます。当然ですよね。だって問題点に基づいた未来像ですから。

 次に、未来像をポジ変換する。←ここが、あなたの主張になります。同時に最も評価される「中身の部分」です。
 データから導き出されたまっさらの未来像をポジティブ変換するために何が必要か、できるだけ具体的に挙げていきます。資金、人、行政、企業、団体などなど。見当たらなければ自分でそういう企業やNPO団体を起ち上げたいぐらい言及しても一向にかまいません。もちろん今度は起ち上げるために必要なもの・ことを調べておく必要があります。

★ここでのコツは、理想社会実現のために必要なものを挙げるだけ挙げた後、「人、行政、企業、団体が相互にパートナーシップを結ぶことが必要だ。組織や団体、個人が個として自律して活動しながらも、網の目のようにネットワークを結ぶことで大きな力となる」ということと、できれば「それらを結ぶハブに私はなる」といったことを述べるといいと思います。
 「はあ?」って思ったみなさん、あるいは逆に「このフレーズ、いただき!コピペしよ~っと」と思ったみなさん、でも、これは特別なことではなく、これからの社会が必要とする、新たな「求められる人物像」なんですよ。コミュニケーション力云々ではありません。あれは10年以上前の話です。進路を真剣に考えているみなさんは「それ、知ってた」っていうことなのではないでしょうか。

 未来の社会が必要とする人物は、個として自律しつつ、同時に他者とパートナーシップ(ネットワーク)を築く力のある人物です。

 『攻殻機動隊』の公安9課のメンバーみたいな人たちです。スタンドアローンね。あと、ゴーストを持っている人ね。タチコマはいないけど。

 以上です。あとはまあ、新たに発見した課題をおりまぜるか、または最後に付け加えることで、みなさん自身の今後の可能性を印象づけるといいと思います。

9 おわりに

 特に真新しいことをお話ししたつもりはありません。大切なことは、最初に戻りますが、社会的な諸問題をいかに他人のせいにしないで、「自分ごと」として考えているか、つまりポジティブに捉えているか?、こんな難局も楽しめるか?、だと思います。実際そんな人が身近にいたら、魅力的でしょ? 本当に世界も変えられそうじゃないですか。その人にみなさんご自身がなっていただきたいと思っています。

 みなさんの未来はみなさんが当たり前と思っている価値観の通りの社会になります。私事で恐縮ですが、誤解を恐れずに言うのならば、僕のように幼少期に大量生産大量消費が当たり前の時代を生き、狂乱のバブル経済のときに学生時代を送ったような世代は、例えば使い捨てが当たり前で、車はステイタスなのが当たり前で、中身がなくてもとりあえず雰囲気だけ整っていれば全てオッケーというのが当たり前の価値観でした。
 団塊の世代の方々は、地球の資源を使いまくり山を平らげ谷を埋め土地を海の向こうまで広げ、魚が死のうが人が死のうが開発しまくり自然を制覇することが当たり前の価値観でした。
 それは善いとか悪いとかということではありません。また、いくら非難しても仕方ありません。そこで失った物も莫大ですが、間違いなくみなさんも僕も、他のおっさんたちも、彼ら(僕ら)おっさんたちが築き上げた社会の恩恵を受けていることも確かだからです。他の世代を否定することは、めぐりめぐって自己自身の否定につながります。そういうのを無益といいます。または不毛と呼びます。
 僕が言いたいことは「ごめんね、ばかで」といったおわびとか、「しかたないでしょ、そういう時代だったんだから」といったいいわけとかではなく、人間はその時代の価値観を当たり前だと思っていて、その価値観の通りの社会を築いているのだということです。たとえ「自分はそんなつもりはなかった」と思っていたとしても、です。

 ですから、今の世の中が嫌な世の中なら、それはそのように思っているその人自身のせいです。大切なことは自分に身近なことも世界の出来事も全部「自分以外の誰かのせい」ではない、紛れもなく「私のせい」だと責任を負う覚悟が幸せになる必須条件だということです。ちなみに新自由主義的な弱者排除としての「自己責任」論を述べているわけではありませんよ。

 いま、高校生、大学生のみなさんの世代は、SDGsを当たり前の価値観として生きていく世代です。

「勝手に決めつけんじゃねえよ。SDGsなんて知らねーし」とお怒りかもわかりませんが、僕たち20世紀少年だったおっさんは、地球がもうこのままでは持ちこたえられないとやっと気づいて、みなさんや、みなさんが産み育てるだろう次々世代や、いま目の前ですやすや寝ているネコのタマや、散歩で暴走する犬のポチが、少しでも幸せに生き延びるために大慌てで17の目標と169のターゲットをとりあえず明文化しました。
 幸い、人間はイメージしたものを必ず実現させていく生き物です。ましてや「当たり前」とみんなが思っていることは、実はとても異常なことだったりかなり困難なことでも「当たり前」にやってしまっています。
 例えばみなさん、なぜあんなぎゅうぎゅうづめの電車に毎日我慢して乗るの? あれはどう考えてもまともではない。
 なぜ台風や大雪の中、みんな命がけで職場や学校に行くの? あれも普通ではない。
 サービス残業当たり前? 
 結婚したてでこども生まれたてでマイホーム買いたてのタイミングで単身赴任当たり前?
 でもみなさんご存知の通り、これらのことは海外の人から見ればどれも異常です。「休むのは悪」「定時で帰るのは悪」という価値観のもと、「大事な取引があるから」「皆勤賞かかってるから」「先生に怒られるから」「日本ではそれが当たり前だから」と、さまざまな理由で異常なことも平気でやってきました。
 人間は「当たり前だ」と思ったことはどんなに異常なことでも毎日やる生き物なんです。虐殺行為ですら、ね。
 だとすれば、みなさんがどんなことを「当たり前だ」と思うか次第で、社会も世界もどうにでも変わるんです。だからみなさんにはSDGsの価値観を夢物語と思わずに「当たり前じゃん?」と、クールに実践してほしい。清志郎も歌っていますよね。「みんながそう思えば、かんたんなことさ」それが、僕の個人的な願いなのではなく、国連に加盟している世界中のおっさんたちの願いなのです。
 たぶん僕たちは、20世紀少年たちから、みなさん21世紀少年たちへのバトンタッチの時機、バトンゾーンにいるんです。
 タマやポチと共に、みなさん自身が少しでも幸せに生き延びていくために、さらに次の次の世界が少しでも幸せになるように、かなり困難なことであっても、夢物語だおとぎ話だ、と思わないで、本気で善い世界を「当たり前」だと思って目指していけば、実現できます。
 この「SDGsへの招待」もそういう価値観を「当たり前」だと思う方がひとりでいいから出てほしいと思って投稿しています。

 な~んて、ちょっとアツくなりましたが、また本題に戻りまして、次回は、「差をつけるネタ1つ」をご紹介します。

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