炎上必死?中途採用の社員の給料を決める方法。目論みは転職先企業によるお得な買い物。 by転職定着マイスター川野智己
中途採用の社員の給料を決めるのは、とても悩ましいの。
低い額の提示だと「入社しません」と、転職者から逃げられる。
かといって、高い額を提示すると、今度は既存の社員の反発を受けるの。
1 求人広告の額は無関係
求人票に掲載されている金額が、そのままの給料額ではないかですって?
まさか。乃木坂。欅坂。
求人票や求人広告の給与額は、民法上の契約の誘引といって、ダミーに過ぎないの。
必ずしも、求人票に記載の金額を守らなくて良いのよ。
実際に、転職者とのゼロベースの交渉の末、求人票の額を大幅に下回る給与額で入社してきた子は何人もいるわよ。
なんにも知らないのね、坊や。
フフフ(髪をかき上げ、アンニュイな表情を浮かべ・・)。
え?あんた誰かって?
あたしの名前は、伊達真紀(だてまき)。
ちなみに旧姓は、原(はら)なの。
どちらも、年末年始の、このような寒い時期には相応しい名前よね。
ちなみに、先日、姪の加奈子ちゃんから、大場君と言う人と、このまま結婚して良いか相談を受けたの。悩んでいたわ。
早く、夫婦別姓を実現させてあげてほしい。
年齢は秘密。
実は、女性の総合職の第一期生なの。
サバサバ系の姉御肌と言われてるの。
そう、みんなから。ふーっ。
みんなって、誰かって?
みんなとは、みんなよ(怒)。
ベテラン?、
いやねえ、給与計算のプロフェッショナルと呼んで欲しいわね。
多くの中途入社社員の子たちが、あたしの前を通り過ぎて行ったわ。
そう、泣きながらね。
2 給与決定の本来の仕組み
彼らの給料ってどうやって決めているか知ってる?
そもそもね、企業には、給与を決める給与規定があるの。
給与の一部を、特性に応じて様々に色分けして、ルールに基づき決めているのよ。
まずは、年齢に応じて上がる「年齢給」。
これは、主に、経験に応じてスキルが上がる社員が多い製造業に導入されているの。
最近は、絶滅危惧種になってるわね。あまり見かけないわ。
一般的には、その社員の実力(地力)に応じて決められる、等級や号俸に応じて格付けされて決められる「職能給」が多いわね。
俗には、これが、実質的な基本給と呼ばれているの。
それ以外には、「管理職手当・役職手当」と言われる手当があるの。
例えば、課長は5万円、係長は3万円などという具合にね。
ちなみに、等級・号俸が低くても、つまり基本給が低くても、課長職に登用されるケースもあるわ。
例えば、上役の課長が急に退職したり、その分野の課長クラスに適切な人材がいない場合は、下の等級・号俸から登用されるケースがそれね。
これはこれで、ラッキーよね。
逆に、等級や号俸がどんどん積みあがっても、なかなか課長になれないケースもあるわね。それは、俗にいう「上が詰まっている」って言われてる。
これは、課長や部長クラスがなかなか辞めないことが原因ね。
高年齢雇用促進法の改正で、定年の年齢が上がれば、ますますこんな、割を食う人たちが増えるわね。
また、「資格手当」もあるの。
特に、介護業界や製造業のように、仕事の成果と資格がリンクしている業界だと、資格取得を促す意味で、設けられていることが多いの。
企業って、社員の給料を、細かく区分けして、それぞれの理屈で運用しているのよ。
もらう方は、総額しかみていないから、その内訳には興味はないかも知れないけどね。
3 今年の漢字は「金」
「金」といえば、今年の漢字に選ばれていたわね。
本当に、金に追われた1年だったわ。
ああ、それにしても加湿器の水蒸気を見ていると癒される。
大晦日は、ほっこりするわ。
おせち料理のお重詰めも終わったし。
元日を待たずに、数の子をつまみ食いで、一杯やろうかな。
テレビ見ながら。旦那のいない間に。
自分への「ご・ほ・う・び」として、お節の数の子を引っ張り出し。。。
「カズの子」である三浦孝太選手も、お正月を前に大晦日の格闘技番組RIZINに引っ張り出されてるしね。。。良いよね。
それにしても、紅白歌合戦の出場歌手も、知らない子たちばかりね。
同級生の聖子ちゃんは出場しないのね。
出場歌手の、どちらが曲名でどちらがグループ名なのかしらね。歳のせいか、わからないわ。その昔、ビル・ロビンソンという選手が、「スピッツ」って曲を歌っているときも、同じことを感じたわ。
氷川きよしくんも完全復活ね。
数年前の同性愛疑惑やマネジャーへの暴力事件があったけど、「カマがボコ」って、股間の「キンをトン」と蹴ったり、頭に「コブ」作っても、「海老デンス」がなければ、世間を「なます」ことが出来るのね。
それにしても、お節料理の食材がいずれも「ズンドコ節」で、出汁が効いてるのはさすがね。
おっと、この調子じゃ、お節のお重が、元日を待たずに、空っぽになってしまう。旦那が「俺のが無い」と怒るわね。
おほほほほ。。
おっと、「笑ってはいけない」わ。
残りの107個の煩悩(ぼんのう)と共に、お重の残りは、冷蔵庫に。。
4 中途社員の給与の決め方
そうそう、中途入社の社員の給料の決め方ね。
TV「年忘れにっぽんの歌」を観ていたので、あやうく忘れるところだった。忘れていたのは歳だけではなかったわ。
さっき、話をしたのは給与規定といって、給与の決め方のルールなの。
でもね、それって、新卒から勤めている社員向けに作られているの。
だから、中途採用の社員を、その体系にどうやって位置付けるか。
これって、非常に悩ましいのよね。
格付けっていうの。
例えば、長男の嫁として、都会から農家に嫁いだとするじゃない?
長男の妹が、まだ実家を住まいとしていたらどうでしょう。
これが兄弟だったら、物心ついた時から一緒に暮らして、相手の気心も志向もわかってるわよね。だから、今さら、
「なんで、妹だけ、ピーマン食べなくて良いんだ!」
「なんで、お兄ちゃんだけ、ご飯が大盛なの。」
と、20歳過ぎてまでも紛糾することも無いでしょう。
でもね、そこに外様が入ってきたらどうなる?
「なんで、嫁だけ、村の寄り合いに出なくていいのよ。」
「何故、嫁なのに、姑の世話をしないんだ。」
と、格付けで紛糾するのよ。
誰が、どう決めても、誰も納得しないからね。
まして、「長男の嫁だから特別」
などと言おうものなら、そりゃあ、妹さんも納得しないわよ。
つまり、中途入社の社員を、安直に厚遇することは出来ないのよ。
だって、給与規定に即して、機械的に格付けしようものなら、
「俺は、20年間、この会社に貢献してきているのに、どこの馬の骨かわからない人間が、俺と同じ額をもらうのはけしからん!」
と始まるの。
人間なら、当然よね。
え!給与額を、本人限りとして、社内には内緒にしておけばいいって?
中小企業で、秘密なんてあるわけないじゃないの!
中途入社の社員なんて、噂の格好の餌食よ。
履歴書だって、入社前に、ぐるぐる回覧されてるわよ。
掃除のおばさんにまでね。
「掃除歴20年のあたしから見てもこの履歴書はずいぶん“汚れてる”ねえ」
と、転職回数の多さを揶揄されるくらいだもんね。
なにせ、中小企業では、個人情報保護は、個人情報「反故」とも言われてるのよ。
吉幾三の迷曲「田舎のプレスリー」よね。まるで。
「はあ~。秩序も無え、ルールも無え、履歴書毎日ぐーるぐる。」
どの経営者も、既存の社員がいなければ、会社が回らないのが事実なの。
いくら経営者でも、彼らのご機嫌を害するのは得策じゃないとわかっているのよ。
だから、工夫はするわよ。
基本給を少なめにして(等級・号俸を低く抑えて)、賞与の額がさも多いかのようにするの。
要は、中途入社の社員本人が納得すれば、丸く収まるのよ。
合計である年収額がさも多いかのようにして提示するの。
実際には、入社後の活躍度合いを見極めて、それから賞与の額を大幅に引き下げればいいのよ。
基本給は労基法で厳しく減額が制限されているけど、賞与は労基法の対象外だからそう出来るのよ。
また、同様に基本給を下げておきながら、その代わり「平均時間外勤務手当〇時間分として2万円」「夜勤平均手当月2回分として1万円」「扶養手当5千円と、勝手に記載するの。
それで、給与額(月収)の総額をかさあげしてみせるのよ。
いずれも、固定賃金ではないので、所詮、すぐに分かる、子供じみた、まやかしなんだけれどもね。
あとは、「試用期間だけは、この金額で抑えるけれども、その後、試用期間後に君が期待どおりであれば、金額をこの額に増額するよ」、「最初の半年間は、契約社員でこの高報酬でどうかね。」と。その後、「期待どおりであれば、正規社員として、同じ額で雇用するよ」と言っておくの。
その後、本人の期待に反して、実際には金額を戻さなかったり、雇止めにしてしまう空手形バージョンもあるの。
5 中途入社社員の自己防衛
まあ、その片棒を担いでいた、このあたしがいうのも何だけれど、
「既存の社員を説得するのは、経営者の役割でしょ!」
「採用後のミスマッチを恐れることは、会社側だけでなく労働者側も同じこと。会社側だけがリスクヘッジとして姑息なことをするのは、安直なご都合主義でしょ!」
と、毎年のように憤るわ。
でも、結局、今年も何も、経営陣に一言も換言などしていないけどね。
人間なら、当然よね。
転職者(中途入社社員)も、入社の合意の時に駆け引きしなきゃ。
「他の内定先が決まりそうです。」
「現在の勤務先から強い引き留めに会っています」
と言って、転職先の企業にプレッシャーを与えなければ、好条件など得られないわよ。
おっと、網焼きのお餅が膨れて食べごろだわ。
転職者も転職先の企業も、お互いが熱いうちに、食べ頃のうちに口にする(交渉)することね。時間が経過したら、たちまち萎んで固くなり食べる気も失せるわよ。
このお餅のようにね。 (完)
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