マガジンのカバー画像

建築

77
運営しているクリエイター

2021年5月の記事一覧

【architecture】南向き信仰の日本人

【architecture】南向き信仰の日本人

戦後昭和30年に日本住宅公団が設立され、日本中にコンクリートの団地が大量に建設された
これは昭和50年頃まで続いた

全国には板チョコのような団地が綺麗に南を向いて並行配置され、それぞれの間隔も等間隔にならべられている

これには全ての住戸に平等に日照を確保することが求められた為である

冬至の日照を元に南側の棟の高さから棟間の距離が決まっているのだ

その様はまるで行進をする兵隊さんのように綺麗

もっとみる
【small design】塔の家|東孝光

【small design】塔の家|東孝光

渋谷区の外苑西通り(通称キラー通り)の坂道を登ったあたりに、コンクリートの塔のような住宅がある

1966年に建築家の東孝光氏によって設計された自邸である

わずか6坪の敷地に地下を含む6層の床が積まれている
内部は壁から突き出た階段を介してほぼ間仕切りのないワンルームのような構成である
あまりの狭さに階段も含めて生活の居場所であったと聞く

極限まで無駄を省いてミリ単位での設計は文字通り私の目指

もっとみる
【architecture】自邸|前川國男

【architecture】自邸|前川國男

前川國男という建築家をご存知だろうか?
1905年生まれの前川氏は全国に県庁や美術館など多くの公共建築をつくった人物である
近代建築の巨匠であるル・コルビュジエの元で2年間働いた経験をもつ
後に丹下健三など巨匠となる建築家が師事した

上野公園内にある東京文化会館や港区の国際文化会館などが有名である。コルビュジェの日本での唯一の建築である国立西洋美術館(上野)の設計も担当している
私の住む岡山県の

もっとみる
【small design】ヒルサイドテラス|槇文彦

【small design】ヒルサイドテラス|槇文彦

大学3年生の後期の設計課題は、東京都渋谷区の代官山の旧山手通り沿いの実際にある敷地に共同住宅を建てるというものだった

代官山と言えば、渋谷の高層ビル群とは違い低層の建物が並び、路地や坂道があり、洗練されたお店が隠れ家的に点在している、人が歩いていて楽しい街である
私も以前は通勤途中の駅だったこともありよく寄り道をしていた

代官山は今となっては落ち着きのある街並みであるが、そのような街並みの源に

もっとみる
【architecture】ふじようちえん|手塚貴晴+手塚由比

【architecture】ふじようちえん|手塚貴晴+手塚由比

楕円形のドーナッツのような幼稚園
東京は立川市にある私立幼稚園である

2007年に完成して以来大人気の幼稚園で、世界的にも注目を浴びている

ディレクターにデザイナーの佐藤可士和氏、建築を青と赤のTシャツでお馴染みの手塚貴晴氏・由比氏の手塚建築研究所が担当している

建築で一目で驚くのが大きな楕円形の形だ
一周183mもある、この楕円は設計者の手塚貴晴氏がスケッチで描いた線を元に決められたとも言

もっとみる
【small design】中銀カプセルタワービル|黒川紀章

【small design】中銀カプセルタワービル|黒川紀章

中銀カプセルタワービル

東京は中央区銀座にあるビルだ
建築業界の人は知らない人はいないと言っていいほど有名なビルである

中銀は「なかぎん」と読む
地方銀行の名前ではない
中央区銀座にある不動産会社・中銀グループの名前からきていると言われている

竣工は1972年
ときは高度成長期である

設計は六本木の新国立美術館を設計した黒川紀章氏である

黒川氏は2007年に亡くなられた
晩年には都知事選

もっとみる
【architecture】21_21 DESIGN SIGHT|安藤忠雄

【architecture】21_21 DESIGN SIGHT|安藤忠雄

昨日のnoteで取り上げた三宅一生氏主催の21_21 DESIGN SIGHTは安藤忠雄氏の設計である

2007年に六本木の東京ミッドタウンに誕生した

超高層ビルの足元に広がる緑の広場に埋設するように延床面積の約8割が地下に埋めまれた建築だ

建物のコンセプトは三宅一生氏のテーマである『一枚の布』をイメージしている

三角形の大きな鉄板の屋根が建物を被せられている

この鉄板は長さが約54m(

もっとみる