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賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ

住み替えを検討している方の支援をしていると、様々な考えの方々と出会いますが、思考法の違いが住まい選びで大きく関わってくることを痛感します。

思考法の違いとは?

住まい選びで適切な選択ができる人は「歴史=自分のみならず他人の経験も含めた総括的な事象」から学べる人です。

たとえば、どのエリアに住むかを考える際、過去の地震や津波、台風や洪水の履歴の蓄積を知ると「ああ、ここは安全で道路一本挟んだあちらは危険だな」ということがよくあります。

不動産は9割が立地で決まる

こうした思考があらゆる災害リスクを未然に避けることにつながるのですが、私が勉強会で同じように話しても、まったく理解が出来ない方も一定数、というか相当数おられます。

「これまで災害が無かったから大丈夫」
「何百万人も住んでいるから問題ない」
「災害に遭う遭わないは結局は運」

将来のことを考えず目先の損得しか見えない人

「駅に近い」「値段が安い」「生活に便利」「見た目がカッコイイ」といった理由だけで、たいせつな生命と財産を守る住まいに対して、驚くほど簡単に購入判断をする人が想像以上に多くいらっしゃいます。

ペットを飼いたい場合、日本は避難所にペットを連れて行くことが出来ないので、災害が起きた時に避難しなければならないようなエリアに住むことは絶対に避けなければなりません。

賢者は歴史から学ぶ

首都圏で住まい選びをする上で、100年前の大正時代1923年に起きた関東大震災の履歴を知ることは必須です。東京でも横浜でも、建物が倒壊して火災が起きて燃え尽きたエリアと、食器が落ちたくらいで無傷だったエリアが混在しています。

知るべきことは、どちらも江戸時代から続く木造家屋が中心で、現在の耐震基準などはまったく満たさなかったことです。建物の耐震性や木造より鉄筋コンクリートを選ぶ以上に、立地を選ぶことの重要性は歴史が証明しています。

ですが結局、モデルルームや住宅展示場などに行った人の大半は、営業マンやセールスマンに洗脳されていて結局、建物の耐震性などを優先して軟弱地盤のエリアを選んでしまうのです。

不動産価格は地価+建築費

これは至極当然のことですが、限られた予算の中でどちらに重きを置くかという選択になります。建物にお金をかけるほど、土地にお金をかけられないので結果、安い土地の物件を選ぶことになるのです。

建物は見えやすいのですが土地の良し悪しは一見、わかりにくいため深い思考が出来る人とそうでない人で正反対のエリアや物件を選択することになる、まさに住まい選びはパラドックスだなあと日々、感じています。

思考は現実化する

まとめると歴史から学ぶ人は論理的で、経験から学ぶ人は感情的です。つまり歴史から学ぶ思考法のほうが再現性が高いと言えるのではないでしょうか?

自宅が災害に遭った時、売ろうとした時「こんなはずじゃなかった」という想定外が起きないようにするために、やはり時間軸も空間軸も「広く」「深く」「遠く」思考し続けることが大切だと強く思います。


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