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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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#宗教

宗教は現代人を救えるか~読書記録386~

宗教は現代人を救えるか~読書記録386~

2020年 花園大学教授で浄土真宗僧侶の佐々木閑(しずか)氏、同志社大学教授でプロテスタント牧師の小原克博氏による対談集。

宗教は人々の心の中に存在する。
そして、政治・社会・経済に多大な影響を与えてきた。
いま、テクノロジーが人間の思考を規定しかねないほどIT社会が発達しつつあり、環境問題など喫緊の課題も取り沙汰されるなかで、仏教とキリスト教という二大宗教の教義と歴史、これを信じる人々の思考を

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イスラーム化する世界と孤立する日本の宗教 関口義人~読書記録349~

イスラーム化する世界と孤立する日本の宗教 関口義人~読書記録349~

2022年 関口義人氏による著書。

幼少の頃からキリスト教徒として生き、長年、欧米の一神教(キリスト教・イスラーム)の世界を渡り歩いてきた著者が追い続けてきた、宗教とは何か。日本人にとって宗教とはというテーマを自身の体験から語り尽くす。日本と世界のおもな宗教の起源から日本の新宗教までの基礎を振り返り、近年の動向から、世界の宗教はどこに向かうのかを考える。世界四大宗教(キリスト教、イスラーム、ユダ

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死はこわくない 立花隆~読書記録326~

死はこわくない 立花隆~読書記録326~

2015年出版。立花隆氏のインタビュー、講演、対談などをまとめた本である。

「死ぬというのは夢の世界に入っていくのに近い体験だから、いい夢を見ようという気持ちで人間は自然に死んでいくことができるんじゃないか」。
自殺、安楽死、脳死、臨死体験研究…。長きにわたり、人の「死」とは何かをいうテーマを追い続けてきた「知の巨人」、75歳。がん、心臓手術を乗り越え、到達した心境とは?

立花 隆(たちばな

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人はなぜ宗教を必要とするのか~読書記録312~

人はなぜ宗教を必要とするのか~読書記録312~

1999年、明治学院大学名誉教授・宗教学者の阿満 利麿(あま としまろ)先生によって書かれた書。

1996年に出版された「日本人はなぜ無宗教なのか」の続編とも言える。

宗教なんてインチキだ、騙されるのは弱い人間だからだ―「無宗教」を標榜する日本人は、たいていそう考える。しかし、そんな「無宗教」者も、「本当の生き方」を真剣に模索しはじめたとき、また、人の死など身にあまる不条理を納得したいと願った

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日本人はなぜ無宗教なのか~読書記録304~

日本人はなぜ無宗教なのか~読書記録304~

1996年 宗教学者の阿満 利麿(あま としまろ)先生によって書かれた書。

いまや日本人は自分たちを「無宗教」と規定して、なんら怪しむことがない。しかし、本当に無宗教なのだろうか? 日本人には神仏とともに生きた長い伝統がある。それなのになぜ「無宗教」を標榜し、特定宗派を怖れるのか? 「……私は、宗教とは、人間がその有限性に目覚めたときに活動を開始する、人間にとって最も基本的な営みだと理解している

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宗教のきほん なぜ「救い」を求めるのか~読書記録298~

宗教のきほん なぜ「救い」を求めるのか~読書記録298~

2023年 宗教学者・島薗進先生による著書。

日本の宗教研究の第一人者が、宗教という営みの“核心”を明らかにする!
アンデルセンや宮沢賢治の物語をはじめ、文学や芸術における「救い」というテーマは、昔も今も人の心を打つ。この「救い」の教えは、キリスト教、仏教、イスラームなど世界中の宗教において教義の中心となってきた(そのような宗教を「救済宗教」と言う)。なぜ、宗教では「救い」が重要とされ、普遍的な

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日本人に「宗教」は要らない~読書記録290~

日本人に「宗教」は要らない~読書記録290~

2014年にドイツ人で元キリスト教徒、曹洞宗住職のネルケ無方によって書かれた。

ドイツ人住職が教える「日本人の宗教観」の凄さ!
世界一宗教にこだわりがないと言われる日本。
他国と比較して、果たしてそんなに異常なのだろうか……?
日本には宗教間の対立がほとんどない。日本人同士は宗教のことでいっさい喧嘩をしない。
仏教と神道が争うことはない。いまの日本人はキリスト教を否定しない。
西洋人が日本人から

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日本人の宗教心~読書記録286~

日本人の宗教心~読書記録286~

元学習院大学院長である磯部忠正先生による書

従来、宗教の枠で正当にとらえられなかった日本人の「集団的無意識」を一遍、宣長、賢治、遠藤周作などの思想の跡をたどりながら初めて解明する、独自の日本文化論。1983年刊「日本人の信仰心」の復刊。

従来、宗教の枠で正当にとらえられなかった日本人の「集団的無意識」を、一遍、宣長、賢治、遠藤周作などの思想の跡をたどりながら初めて解明する、独自の日本文化論!自

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火の鳥・太陽篇~読書記録266~

火の鳥・太陽篇~読書記録266~

手塚治虫先生の名作「火の鳥」。
その中でも、太陽篇は実に奥深い。宗教という禁断の題材を扱っているからだろうか。

そもそも、若い頃に読んだ本を又読む気になったのは、近頃SNSで話題になっているコオロギ食の記事やらツイートを読みながら、
「そういえば、火の鳥にそういうのがあったな」
と想い出したのだ。

これが、問題の場面である。

この話。主人公は2人というか輪廻転生で生ま代わる。
1人は飛鳥時代

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宗教を物語でほどく 島薗進~読書記録253~

宗教を物語でほどく 島薗進~読書記録253~

2016年、宗教学者で、東京大学名誉教授、上智大学教授の島薗進先生による著書。

国内外の文学作品を独自の、宗教学者としての目線で語られている。

アンデルセン、宮沢賢治のように、熱心なキリスト教徒、仏教徒の立場で童話を書いている場合もあるが、中には(特に日本人の場合)、本人は宗教観というものはなく、普通に書いているのだが、視点を変えると宗教的である
とか、ちょっとした教訓であったりと。捉え方が実

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