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死にぞこないの趣味の世界

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2024年7月の記事一覧

トランプ元大統領とパリ・オリンピック

トランプ元大統領とパリ・オリンピック


トランプ元大統領にとっての恥

トランプ元大統領は、先日のパリ・オリンピック開会セレモニーにおけるドラァグクイーンの「最後の晩餐」のシーンを、「恥だ」と否定した。

他方、パリ・オリンピックの芸術監督トマ・ジョリは、嘲笑する意図も、ショックを与える意図もなかった。あれは「共和国、包摂、厚情、寛容、連帯の観念」を表現したものだ。「私見によれば、現代のわたしたちが途方もなく必要としているものだ」と、

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パリ・オリンピックを祝して ―フランス・ギャル「抵抗せよ」

パリ・オリンピックを祝して ―フランス・ギャル「抵抗せよ」

あなたは何に抵抗していますか。保守派ならば、乱雑で気が狂っているように見える、新しい時代に抵抗するのでしょう。
革新派ならば、偏見に満ち満ちているように見える、古い時代に抵抗するのでしょう。

子供は電気のスイッチをつけて、暗い部屋が明るくなるのを見て、暗さに抵抗して喜びます。

アーティストは白い紙に工夫をして、一瞬前まで存在しなかったものを、この世に現出させます。まさに「無に対する抵抗」です。

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紫外線対策 ―手が「しなびる」とき

紫外線対策 ―手が「しなびる」とき

ある小説
最近、20世紀初頭のフランスの小説を読んでいる。
こんな話があった。
異国の地で、上流階級の既婚夫人と海軍将校が恋に落ちる話。いわゆる不倫モノだ。
将校は決闘をし、夫人の旦那の立会人二人を殺害し、海軍の職を辞し、夫人と駆け落ちする。
しかし愛する二人を待っていたのは、生活苦だった。

あるとき、彼の再就職先の工場で事故が起きた。彼は責任をとって退職を余儀なくされた。失業だ。いつもより早く

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この夏やりたいこと

この夏やりたいこと


この夏やりたくて、できたこと
それは「お寿司屋さんで、カッパの海苔巻きを食べること」でした。

あるnoteの記事で、相互フォローをさせていただいている方が、かわいらしいカッパの海苔巻きの写真をあげていらっしゃいました。

いいなあ!僕も食べたいよう!
ぜひこの夏のあいだに、ぜったい食べたい!
そう思いました。

「見るもの乞食」ですね。
ちょっと恥ずかしい。
でも、もうこのトシですし、ちょっと

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夏の旬食材レシピ

夏の旬食材レシピ


サンドウィッチ
夜は、食がすすまない。
暑いので、台所で火を使う気にもならない。
幾晩かつづけて、サンドウィッチですませた。
例えばニース風サラダのサンドウィッチ。
これに関しては、バゲットでつくるに限る。
バゲットの硬い表面が、夏の旬食材トマトのお汁でふにゃふにゃに柔らかくなる、そこがうまい。
でも、どんなに美味しくても、暑さを忘れることはできない。
流れる汗はとまらない。

夜の8時、寝室に

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ダヴィド・ディオップ『夜、すべての血は黒い』を読んで 

ダヴィド・ディオップ『夜、すべての血は黒い』を読んで 

素晴らしい小説だ。面白いし、半日で読めた。
しかし神の真理にかけて、早川書房の広報に騙されてはいけない。
主題は第一次世界大戦ではない。主題は戦争というものでもない。
そもそも戦争を糾弾する話ではない。また主人公はセネガル人だが、決して植民地主義を糾弾する目的で書かれた話でもない。それゆえ日本のポストコロニアリストや平和愛好家のために書かれた話では断じてない。

主題は人間らしさであり、その人間ら

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フランスのビーチ -懐かしいあの歌とともに

フランスのビーチ -懐かしいあの歌とともに

noteで大西洋岸の絵を見た。
懐かしくて泣いてしまった。
知ってるよ。男の子は涙をみせちゃいけないんだよね。
けど、悔しいけど、泣けてきた。

フランスの浜辺
もちろん地中海もいいけれど、あそこはお金持ちや観光客のため。
「ふつう」のパリジャンなら、ノルマンディか、ブルターニュだ。
 
東京生まれ東京育ちの僕は、海といえば鎌倉くらいしか知らなかった。
だから大西洋の水の冷たさに驚いた。
それから

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