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作った詩をまとめています。
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#ライフスタイル

【詩】少し酸欠な海の中

【詩】少し酸欠な海の中

これをクリアしたら少し休める
そう思ってまたやらなきゃと思うことが
目の前に現れる

海の中は少し暗いから
先までそんなによく見えない
一つの景色を通り過ぎても目的の景色にはまだ会えそうにない

もっといいゴーグル買ってくればよかったかな
もっと大きい容量の酸素ボンベを背負えばよかったかな

そんな考えすら障害になるくらい
この海の中はどこまでも透き通っていて
どこまでも暗い
てか、当たり前だけど

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"パステルカラー"

"パステルカラー"

進まなきゃいけない
毎日逃げられない
これは多分気持ちの問題

本当は全部捨てて逃げてもいい
結局なんとかなるんだと思う
でも逃げないでずっと毎日を過ごしている

忙しいのに退屈な時間
身体は動いていても意識だけは遠ざかる
そんな時にいつも浸ってしまう

思い出の中は全てが柔らかくて
光を放っていて
暖かくて寂しい

どこまでも進んでいけると思っていたのに
僕一人だけが真っ白な湖畔の水面の上で

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【詩】アオイヒビ

【詩】アオイヒビ

誰かが言ってくれること
頭では理解している
でも心はずっと逆に行きたがる

それじゃダメだって分かっているのに
なんでも笑って受け止めてる
アイツがどうにもいけ好かない

自分より大人な人を見る度に
惨めな気持ちになりながら
ここじゃない場所を探してしまう

でも頭ではずっと理解している
ここじゃない「どこか」なんて
どこにも存在しない

この現実に僕がどう色を湛えるかだけ
でも、だんだん絵の具も

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【詩】内臓から出てくる

【詩】内臓から出てくる

眠りに就こうとしても
疲れた身体は眠ることすら
拒んでしまう時がある

そんな時不思議な感覚に陥った
多分僕の中に本当の自分が別にいる
今外側にいる僕が蓋になってしまっているのだ

文字すら書きたくない自分もいる
だけど本当の気持ちをどこまでも
くっきりと形にしたい自分もいる

全て自由な筈なのに
僕は勝手に内臓の中に自分を押し込めている

出てきていいよ
もうぼくに輪郭はありません
早く出ておい

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【詩】揺れる花

【詩】揺れる花

雨が降る
風が吹く
空はずっと灰色

お日様にはしばらく会えてない
会いたいと願うばかりでは
憂鬱な想いが募って行くだけだった

そんな僕を見つめる花
まるで僕の想いが分かるかのよう
風にその可憐さを奪われてしまいそうな花

花が揺れるのを綺麗だと思うのは
今にも折れてしまいそうだから
可憐さの中にその抵抗を感じるから

花と見つめ合いながら
涙を誘う空を仰ぐ
でも花が教えてくれた

''風が私を

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【詩】泥の階段

【詩】泥の階段

不安な気持ちから心を掘り続ける
これでいいのかと僕が僕に問い続ける
頑固な僕は穴の前から動かない

そんな時に深く掘った穴の外をみる
小さくなった穴の先には
思い描いていた空が広がる

ふと気づく

僕が目指すのはあの空だったんではないか
不安の穴を掘り続けて
周りには言葉が増えていく

だけど空からはどんどん離れていく
これでいいのだろうか
そしてまた気づく

言葉は形をかえる

掘り当てた言葉

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【詩】てるてる坊主

【詩】てるてる坊主

もう一人になりたいのに
そうなれない

めんどくさいのに
近づいてしまう

そんなループの中で
何回も自己嫌悪に陥る

調子がいい時だけ
自分の都合だけ
私だけを満たせればいいと思っているはずなの

面白いくらい頭を使って
喋った後に
なんだか疲れて納得できない

誰かの為のはずの言葉は
本当に誰かの為に言いたかったのかな

雨を遠ざけたてるてる坊主は
誰かの役に立って喜んでいるのかな

でも

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【詩】輝けぬ

【詩】輝けぬ

私が何を言っても 輝かない
言葉は音を持たなければ
飛び出ない 命を持たない

あなたの言う正義が
お金の価値が
どれほど 大切なのか

それとは違うものを
追い続けていたのに
ずっと心が
嫌悪していたものなのに

気付けば自分も同じ事をいっている
そうじゃないんだ
目が曇っても心はずっと知っている

金属の光じゃない
命の閃にずっと染まり続ける
それが私のパンクだ

【詩】器

【詩】器

滝に打たれて 削られる岩のように

荒らさの整った布で 磨かれるガラスのように

滑らかで でも大きな器を持ち続ける

今は涙の雫を 受け止めるばかりだけど

お日様が出てきたら

きっと美しく景色を反射する

願わくば器に映し出された空で

君がそっと笑顔になりますように

【詩】透明な手に遮られながら

【詩】透明な手に遮られながら

誰もかれもが好きなことをいう
その言葉を聴き続ける

話したいことが 喋りたいことが
霞のように形を変える

言葉なんて好きじゃない

考えてることが伝わるなら 
言葉にしないで 音のままでいい

答えに辿り着かない言葉たちの中で
僕だけが答えを探している

僕を掴んではなさい その透明な手に
ある時血の香る絵の具で 色を叩きつける

そして するりと抜けたその先で

僕は 花ひらく

【詩】世界の端っこ、心の始まり

【詩】世界の端っこ、心の始まり

どうせ 盲目的な花だ

散ったことにも 気付かないで

風に揶揄われながら 揺れてる

でもそんな君を 痛い程愛おしく思う

ずっと歩き続けて 出会ったから

疲労が脳を 麻痺させたんだろうか

でも僕が何を 考えようと

気にせずに 咲き続ける君の

散るさまを 僕だけが見つめていたい

【詩】亡霊

【詩】亡霊

もう一度笑って

瞼の裏によく馴染んだ笑顔は
眼を開いた時にはもう見えなかった

もっと見つめれば良かった
どこにも居なくならないように

もう一度笑って

夢のように生活の中で
たまに香るその記憶

忘れぬくらいに抱きしめれば良かった
今でも思い出せるその手の形を

忙しない日々の中で
少しづつ削れていく心が帰る場所

そんな言葉を紡ぐ資格もないけれど

もう一度笑って

【詩】桜

【詩】桜

君の涙にも似た晴れの日の欠片。
風に攫われる音と共に、
足元に散らばった涙の欠片。

不甲斐なさを感じさせる景色の中、
でもまた新たな希望を探してしまう。

君の頬にも似たその枝の色に、
何度心動かされたことか。

いつか巡り続けるこの季節の中、
君を重ねたこの幹の前。

手に残った温もりと共にひとひら、
過ぎ行く時間に散りゆく。