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【詩】少し酸欠な海の中

これをクリアしたら少し休める
そう思ってまたやらなきゃと思うことが
目の前に現れる

海の中は少し暗いから
先までそんなによく見えない
一つの景色を通り過ぎても目的の景色にはまだ会えそうにない

もっといいゴーグル買ってくればよかったかな
もっと大きい容量の酸素ボンベを背負えばよかったかな

そんな考えすら障害になるくらい
この海の中はどこまでも透き通っていて
どこまでも暗い
てか、当たり前だけど水が多すぎ

だけど海の中で少し気づいたことは
次から次へと起こる出来事への対処で僕は
酸欠気味になっているということだ

通り過ぎてしまってもいいようなことも
臆病なダイバーにとっては取り除きたい
不安要素である

臆病だけれどもその臆病さによって
むしろ勇敢になってしまう
怖いから戦ってしまうのだ

そんな自分の想いの海の中で
埋もれながら僕は酸欠気味だ

だけどよかったのは
僕が持ってきた防水仕様の
音楽プレーヤーだ

僕がダウンロードした訳じゃないのに
有線放送のように勝手に好きな音楽を流す
非常に優秀なガラクタだ

今日はMasegoのBlack Loveが流れていた
それがよかった

黄金の太陽とアロハシャツにサングラス
流れる風はレモンの香りでいっぱいの
黄金のカーテン

狭すぎる世界なのに
無限の広がりがある
どこまでも行けてしまいそうな
森の中で浜辺の上

こんなとろけきった
ともすれば甘ったれといわれてしまうくらいの
リラックスした世界に住みたかったんだ

君と笑う僕は無理に笑っていない
僕の仲間たちも下心もなくて
みんなただ楽しくて生きているだけ

もちろんやることはやっているんだよ
でも自分が嫌なことはしない

そんな景色が見たくて
僕は暗い海の中を潜りに行っていたんだろう

とりあえず酸素が必要だ
もう少しで泳ぎ方のコツは掴めそうだ
そこから次第に黄金を見つかればいいのかもしれない

波の流れに任せながら
僕はこの海の中で息ができる場所探している
相棒のガラクタは相変わらずやかましい

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