見出し画像

【詩】亡霊

もう一度笑って

瞼の裏によく馴染んだ笑顔は
眼を開いた時にはもう見えなかった

もっと見つめれば良かった
どこにも居なくならないように

もう一度笑って

夢のように生活の中で
たまに香るその記憶

忘れぬくらいに抱きしめれば良かった
今でも思い出せるその手の形を

忙しない日々の中で
少しづつ削れていく心が帰る場所

そんな言葉を紡ぐ資格もないけれど

もう一度笑って

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?