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自選集:詩

35
密室で延焼する憎悪と、古戦場に揺れる花と。
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短歌11首 交差点みな顔の無い人の群れ僕はさまよう「陽炎の街」

短歌11首 交差点みな顔の無い人の群れ僕はさまよう「陽炎の街」

短歌を作るのはほぼ初めて。
俵万智「サラダ記念日」を読んだのをきっかけに。
楽しかったです。31音に自分の世界を出現させられるところとか。

「陽炎の街」

交差点みな顔の無い人の群れ僕はさまよう陽炎の街

奴ら言う「敏感過ぎ」と「急げよ」と 屍人の行進向かうは何処?

「あいつ馬鹿!」タイムラインに愛はないみんな何かと戦っている

ガチャ回し容姿と才能Cランク 狩られて踏み台勇者パーティの

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駅のホームの黄色い線の内側で踏みとどまる

駅のホームの黄色い線の内側で踏みとどまる

昨晩のすき屋の牛丼の持ち帰りの容器と 発泡酒の空き缶だけを片付けて
散らかったテーブルも床も台所も どこかしもがとりあえずの先送りで

何を間違ったのか立ち止まって考える暇もないままに
慌ただしく家を出る朝だけれど

どんなに働いても前に進むどころか後退しているかのような感覚
それでも駅のホーム 黄色い線の内側で踏みとどまる

毎日のように行われるこの闘い 負ければ死 勝っても報酬は0円
単なるエ

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それでも進んでいきたい、薄皮でくるまれたような淡い世界を

調子に乗っていたのか また転んでしまった

格好つけてみたけど まるで似合わなかった

身分不相応な言葉たち 慌てて引っ込めた

新たに書き始めた それがいま見せてるこれだ

そこの君、少しだけ聞いていってくれよ 開いてみてくれよ

……じゃあ、準備はOKかな? 始めるとしようか

何か悲しいことがあったとする

そんなとき君ならどうする?

僕はいつもこうしてる その方法を示そうと思う

まず必

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