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岩佐聡。現代詩人会HP投稿欄新人賞。季刊「Recipe」。詩誌「凪」参加。日本現代詩人…

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岩佐聡。現代詩人会HP投稿欄新人賞。季刊「Recipe」。詩誌「凪」参加。日本現代詩人会員。詩集準備中。詩の下書き用。マガジンにて過去作を掲載しております。Twitter:@iwasasatoshi 1984iwasasatoshi0428@gmail.com

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記事一覧

野菜を、借りる

お隣さんから、 玉ねぎの、静寂を借りて、お料理がはじまった 別の惑星が、この家から、ひろがった 我が家に新しい、虚空を なりたたせるという 口約束には、アルコールが…

SatoshiIwasa
9日前
5

~5/15

新雪は、人を耳で、睨む。冬を知る人が根菜を、片手に持つ。いづれ風雨が、しずかに煮込まれるだろう。木漏れ日から、生まれる光の幾何学を、いつか屋根裏部屋に、もたらし…

SatoshiIwasa
9日前
3

~5/6

辞書の、文字から雨音がする。午後の、言葉たちは、濡れた欠片だった。牛の、破れ目から、植物の一節が、芽をだそうとするとき、影踏みで遊んだときのようにとても感覚的な…

SatoshiIwasa
9日前
1

〜4月24日

河口のように睡眠して、鼾は緩やかな抑揚を描いたが、寝言は立体だった。人でありたいならば、馬に内臓を蹴られる必要がある。死に、直結した意思が、言語の直訳しかゆるさ…

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11日前
11

墓(朗読)

00:00 | 00:00

凪、朗読会のためのもの 会の運営、お世話様です。 録音にて、失礼いたします。 第5号、16ページ、です

SatoshiIwasa
1か月前
9

~4/10

人でありたいならば、馬に内臓を蹴られる必要がある。 生き残った最後のネアンデルタール人は、自慰も忘れて、刃物を研いだ 絶滅危惧種が、水辺で、虚空にとけようとする。…

SatoshiIwasa
1か月前
4

~4/3

見ず知らずの霊性を、乱視に、取り込み、少しずつ、純血を、こぼす。頭文字のような母親が、声をあげた。子どもの、便の軟らかさが、元にもどった。薬箱は、まだ夜の味方で…

SatoshiIwasa
1か月前
2

~3/26

日記を開いてうつ伏せにする 夏が猛暑だったからといって 暖冬とは限らない 過去を含んだままの肺が 未来の空気を吐き出す 大きい息の塊をもった 誤差のような人が 早めの…

SatoshiIwasa
1か月前
1

生活のアスタリスク

詩集 掲載 予定 です 以前、ココア共和国と、日本現代詩人会投稿欄に、投稿した作品を、詩集に載せる為に、仕立てたものです。約4000字くらいありましたか。すいません…

SatoshiIwasa
1か月前
7

依頼エッセイ下書き 詩の書き方について どうせ才能なんてないのですから

①才能とかないから諦めましょう。  自分が、特別だと思っている人がいますが、そういうあなたは、一度死んでください。まず、あなたが、才能ある人を、見たことがありま…

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1か月前
25

海老せん餅

窒息を、美味しく食べて 海老を、せん餅にする不安に満ちる その感情を尾行すると 海老の目の裏側がみえてくる 異性の指先が、いくつも残っていた 生活の下書きのような、…

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2か月前
7

〜3月16日

病気の白い指こそ詩をすすめていく。ことばをつねに、洗面器の水に浸そうとするから思い出の頭痛、その一つ一つが、素数になって水面に浮かび上がってくる。いつかわたしの…

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2か月前
2

虚空との対話

「擬人化は人の都合ではありませんか」「言葉で捉えるしか方法がありませんし、言葉は人の都合で生まれています」「それであなたの女にまでなる、というのは些か図々しいと…

SatoshiIwasa
2か月前
12

~3/13

演繹法をもう一生、理解できなくてもいいや。太平洋を、シャーレにおさめて、季節風で希釈すると、抽出される魚の群れ。瞳孔から産まれた具体例が、見る、という行為を、波…

SatoshiIwasa
2か月前
7

~2/28

過去、坂道は、点描であふれていて、それらが側溝に入ってしまわないように、丁寧に蹴りながら帰った。手袋のなかの、一人称の温さを覚えている。角の更地。以前に住んでい…

SatoshiIwasa
2か月前
4

残骸

俳句を、ホモ・サピエンスがつくっていいのだろうか。 。瞬間現れ出る光は、どう痛むだろうか。 繋がる例え話の一節に生まれ変わる。秒針よりも正確な手話を、この夜から…

SatoshiIwasa
2か月前
8

野菜を、借りる

お隣さんから、
玉ねぎの、静寂を借りて、お料理がはじまった
別の惑星が、この家から、ひろがった
我が家に新しい、虚空を なりたたせるという
口約束には、アルコールが入っていないから
ものがたりという、日付の無い暦を
駆ける季節風に、溶けこみ 体毛を、くすぐられた鹿の 歩幅の、一つ一つに神さまが こびりつき、死後の肉片が 古代の文字に、生まれ変わった

真冬の犬のように無駄のない優しさがあった。

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~5/15

新雪は、人を耳で、睨む。冬を知る人が根菜を、片手に持つ。いづれ風雨が、しずかに煮込まれるだろう。木漏れ日から、生まれる光の幾何学を、いつか屋根裏部屋に、もたらしたのは誰か。雨漏りの比喩がしたたり、一文の述語が、さだまらない会話文。海月水族館を、しずかに聴いていたことがある。恣意が、指のかたちで、水槽に、触れ る。水母に、耳を澄ます。わずかな静電気から、心のにおいが漂ってくる。暗緑色の光の、屈折のな

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~5/6

辞書の、文字から雨音がする。午後の、言葉たちは、濡れた欠片だった。牛の、破れ目から、植物の一節が、芽をだそうとするとき、影踏みで遊んだときのようにとても感覚的な少女が、自分の名前を、逆さまに唱え続ける。静脈の色を、幾筋もためこんで、漁のための歌の、嚥下を繰り返し、駆けている。

アトピーは、宙に浮くもの。午睡の、私はわたしと手を繋いだ。はじめに、手を繋ごうとした私はすでに、余白になっている。肌は静

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〜4月24日

河口のように睡眠して、鼾は緩やかな抑揚を描いたが、寝言は立体だった。人でありたいならば、馬に内臓を蹴られる必要がある。死に、直結した意思が、言語の直訳しかゆるさない。隠語のような微笑みで、夜を膨らませたい。闇には結構、薄荷が混じっているから、拒食症の気配を、少量ずつ食う。

風が、不意に鹿だった。どの消去法で、現れたかわからない。目に少し、青空を溶かして、次は誰が、殺されるのを望むのか。静脈の続き

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墓(朗読)

岩佐聡

00:00 | 00:00

凪、朗読会のためのもの
会の運営、お世話様です。
録音にて、失礼いたします。
第5号、16ページ、です

~4/10

人でありたいならば、馬に内臓を蹴られる必要がある。
生き残った最後のネアンデルタール人は、自慰も忘れて、刃物を研いだ
絶滅危惧種が、水辺で、虚空にとけようとする。次の語源を、待っている。
最後に、役割を考え、罪悪感を、排泄することで、妥協した。
白亜紀からつづく山土に、いくつもの受精があった。遠くの人間の、静脈が、ほぐれているのか。
林床の、ネアンデルタール人は、消滅した。陽光にあたり遺伝子が、ひ

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~4/3

見ず知らずの霊性を、乱視に、取り込み、少しずつ、純血を、こぼす。頭文字のような母親が、声をあげた。子どもの、便の軟らかさが、元にもどった。薬箱は、まだ夜の味方で、黙秘権を、使い続けている。指先に刺さった棘を、抜いてくれた人を、時折、思い出し、身体のどこかで不安を飼い続けるだろう。

舌ったらずの歩行で、神さまがサ行を運んでいく。遠くの森林が夜を、吐き出すのを、諦めきれない雨の朝。発音記号に、石鹸を

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~3/26

日記を開いてうつ伏せにする 夏が猛暑だったからといって 暖冬とは限らない 過去を含んだままの肺が 未来の空気を吐き出す 大きい息の塊をもった 誤差のような人が 早めの時間を連れていると 言葉に引き止められるが どこまでも書きかけの手記で 先送りがまだ到着しないから 寓話をあてにして続ける

空耳は、別の空耳を探す。空耳の快活さで、神経は身体の外にはみ出すことがある。空耳は、齧歯目のみる夢に繋がる。

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生活のアスタリスク

詩集 掲載 予定 です

以前、ココア共和国と、日本現代詩人会投稿欄に、投稿した作品を、詩集に載せる為に、仕立てたものです。約4000字くらいありましたか。すいません、、
組版? などを現在、やっておる。出版、は、七月堂さまに、おねがいしています。
今年中に間に合えばよいが、、、読んでいただいた方、ありがとうございます。。

依頼エッセイ下書き 詩の書き方について どうせ才能なんてないのですから

①才能とかないから諦めましょう。
 自分が、特別だと思っている人がいますが、そういうあなたは、一度死んでください。まず、あなたが、才能ある人を、見たことがありますか?? わたしは、特にないです。人は身近な他人を特別であると、あまり思わない生き物なので、あなたごとき人がこの狭い世の中で特別と、認められるであろうはずがないのです。ということは、書いている人間は、なんかよくわからない在りもしない思い込み

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海老せん餅

窒息を、美味しく食べて
海老を、せん餅にする不安に満ちる
その感情を尾行すると
海老の目の裏側がみえてくる
異性の指先が、いくつも残っていた
生活の下書きのような、指紋の連続に
砕くと輪郭が、溢れた
血が次の火曜日を運んでいます
一つ一つの活字を、咀嚼する口の形を
海老は忘れない

遺骨の匂いを、混じらせながら
小さな蜂起の跡がある
いろいろな季節の暴力に
満ち足りた豊かさの味
我々はいったいどこ

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〜3月16日

病気の白い指こそ詩をすすめていく。ことばをつねに、洗面器の水に浸そうとするから思い出の頭痛、その一つ一つが、素数になって水面に浮かび上がってくる。いつかわたしの、ささやかな失禁のはなしをしたい。青空を、脇にはさんだまま、5月の水田を、嘔吐する。砂鉄を、出産するのはいつになるのか。

砂浜をあるく。砕いた星を、踏んでいる。船は、以前を、積んでいる。綱をもやう。散文を、過去に向かって綴る。そんな名前が

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虚空との対話

「擬人化は人の都合ではありませんか」「言葉で捉えるしか方法がありませんし、言葉は人の都合で生まれています」「それであなたの女にまでなる、というのは些か図々しいと思います」「同時に何か所にもおいでになるので困り果てておりましたし、それに一ヶ所に、どの時間にもいらっしゃるからです」「理由になっていませんし、もともと捉えどころがないという意味です」「とりあえずわたしの脇の下の空洞を『タキコ』と名付けても

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~3/13

演繹法をもう一生、理解できなくてもいいや。太平洋を、シャーレにおさめて、季節風で希釈すると、抽出される魚の群れ。瞳孔から産まれた具体例が、見る、という行為を、波間に、還そうとしている。姉たちの背中の上を、散歩できていた時間がすぎると、汽水域の恋愛は、激しい素数の姿でとおりすぎる。

悪意がないから尚更たちがわるい腐葉土は、果実のなかに無理やり入りこもうとします。 静かな書斎を探していたのでした。に

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~2/28

過去、坂道は、点描であふれていて、それらが側溝に入ってしまわないように、丁寧に蹴りながら帰った。手袋のなかの、一人称の温さを覚えている。角の更地。以前に住んでいた友人の、たましいだけ残っている。この水溜まりの一つにも願いごとが溶けているから、できるだけ鉤括弧を小さくしながら喋る。

気管支炎の夜に、胸にぬってくれた薬。今の生活の、脈絡を棄て、前世で聞いた、濃い方言のなかで、眠りまじめた。自分も噴水

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残骸

俳句を、ホモ・サピエンスがつくっていいのだろうか。

。瞬間現れ出る光は、どう痛むだろうか。

繋がる例え話の一節に生まれ変わる。秒針よりも正確な手話を、この夜から拾えるか。わたしのなかの暗闇の

かすかに重くなる。
の歌を隠そうとする。
砂を、手からひと続き


別の惑星にも蒔きたくなる。
8月14日まとめて冒頭、か。この世界の学校には、、平均台…雨季の人

いつか通りすぎる子午線を本当の色の

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