SatoshiIwasa

岩佐聡。現代詩人会HP投稿欄新人賞。季刊「Recipe」。詩誌「凪」参加。日本現代詩人…

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岩佐聡。現代詩人会HP投稿欄新人賞。季刊「Recipe」。詩誌「凪」参加。日本現代詩人会員。詩集準備中。詩の下書き用。マガジンにて過去作を掲載しております。Twitter:@iwasasatoshi 1984iwasasatoshi0428@gmail.com

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最近の記事

墓(朗読)

凪、朗読会のためのもの 会の運営、お世話様です。 録音にて、失礼いたします。 第5号、16ページ、です

    • ~4/10

      人でありたいならば、馬に内臓を蹴られる必要がある。 生き残った最後のネアンデルタール人は、自慰も忘れて、刃物を研いだ 絶滅危惧種が、水辺で、虚空にとけようとする。次の語源を、待っている。 最後に、役割を考え、罪悪感を、排泄することで、妥協した。 白亜紀からつづく山土に、いくつもの受精があった。遠くの人間の、静脈が、ほぐれているのか。 林床の、ネアンデルタール人は、消滅した。陽光にあたり遺伝子が、ひらがな、に落ち着く。 霊性を、たどる蝶は 骨を、吹く 岩陰に、排泄された跡があ

      • ~4/3

        見ず知らずの霊性を、乱視に、取り込み、少しずつ、純血を、こぼす。頭文字のような母親が、声をあげた。子どもの、便の軟らかさが、元にもどった。薬箱は、まだ夜の味方で、黙秘権を、使い続けている。指先に刺さった棘を、抜いてくれた人を、時折、思い出し、身体のどこかで不安を飼い続けるだろう。 舌ったらずの歩行で、神さまがサ行を運んでいく。遠くの森林が夜を、吐き出すのを、諦めきれない雨の朝。発音記号に、石鹸をつけて、揉むように洗う。神経かけらが、散らばって、排水口に、痛み、が残されている

        • ~3/26

          日記を開いてうつ伏せにする 夏が猛暑だったからといって 暖冬とは限らない 過去を含んだままの肺が 未来の空気を吐き出す 大きい息の塊をもった 誤差のような人が 早めの時間を連れていると 言葉に引き止められるが どこまでも書きかけの手記で 先送りがまだ到着しないから 寓話をあてにして続ける 空耳は、別の空耳を探す。空耳の快活さで、神経は身体の外にはみ出すことがある。空耳は、齧歯目のみる夢に繋がる。齧歯目は夢のなかで、新しい招待状の挿絵が、多年草に変わっていたことを尋ねた。休暇

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        • 詩作、過去作品 公開保存用
          31本

        記事

          生活のアスタリスク

          詩集 掲載 予定 です 以前、ココア共和国と、日本現代詩人会投稿欄に、投稿した作品を、詩集に載せる為に、仕立てたものです。約4000字くらいありましたか。すいません、、 組版? などを現在、やっておる。出版、は、七月堂さまに、おねがいしています。 今年中に間に合えばよいが、、、読んでいただいた方、ありがとうございます。。

          生活のアスタリスク

          依頼エッセイ下書き 詩の書き方について memo

          ①才能とかないから諦めましょう。  自分が、特別だと思っている人がいますが、そういうあなたは、一度死んでください。まず、あなたが、才能ある人を、見たことがありますか?? わたしは、特にないです。人は身近な他人を特別であると、あまり思わない生き物なので、あなたごとき人が特別と、認められるであろうはずがないのです。ということは、書いている人間も、なんかよくわからない思い込みで書いているし、ましてや読んでいる人間だって曖昧なのです。だからこそ、書きはじめは、いきなりトップギアで、わ

          依頼エッセイ下書き 詩の書き方について memo

          海老せん餅

          窒息を、美味しく食べて 海老を、せん餅にする不安に満ちる その感情を尾行すると 海老の目の裏側がみえてくる 異性の指先が、いくつも残っていた 生活の下書きのような、指紋の連続に 砕くと輪郭が、溢れた 血が次の火曜日を運んでいます 一つ一つの活字を、咀嚼する口の形を 海老は忘れない 遺骨の匂いを、混じらせながら 小さな蜂起の跡がある いろいろな季節の暴力に 満ち足りた豊かさの味 我々はいったいどこに 咀嚼を飼っているのか 薄っぺらの火曜日を 口にするとその遺伝子が 粉々にのこ

          海老せん餅

          〜3月16日

          病気の白い指こそ詩をすすめていく。ことばをつねに、洗面器の水に浸そうとするから思い出の頭痛、その一つ一つが、素数になって水面に浮かび上がってくる。いつかわたしの、ささやかな失禁のはなしをしたい。青空を、脇にはさんだまま、5月の水田を、嘔吐する。砂鉄を、出産するのはいつになるのか。 砂浜をあるく。砕いた星を、踏んでいる。船は、以前を、積んでいる。綱をもやう。散文を、過去に向かって綴る。そんな名前が、永遠につかない行為の微熱で、訴訟をおこす。清潔に、ただ在るというだけで一方的な

          虚空との対話

          「擬人化は人の都合ではありませんか」「言葉で捉えるしか方法がありませんし、言葉は人の都合で生まれています」「それであなたの女にまでなる、というのは些か図々しいと思います」「同時に何か所にもおいでになるので困り果てておりましたし、それに一ヶ所に、どの時間にもいらっしゃるからです」「理由になっていませんし、もともと捉えどころがないという意味です」「とりあえずわたしの脇の下の空洞を『タキコ』と名付けてもよろしいでしょうか」「なぜタキコなのですか」「初恋の人の名です」「スーパーキモい

          虚空との対話

          ~3/13

          演繹法をもう一生、理解できなくてもいいや。太平洋を、シャーレにおさめて、季節風で希釈すると、抽出される魚の群れ。瞳孔から産まれた具体例が、見る、という行為を、波間に、還そうとしている。姉たちの背中の上を、散歩できていた時間がすぎると、汽水域の恋愛は、激しい素数の姿でとおりすぎる。 悪意がないから尚更たちがわるい腐葉土は、果実のなかに無理やり入りこもうとします。 静かな書斎を探していたのでした。にぎやかな兄妹が多い腐葉土は、死が近い場所で、小説を描きたかったのです。 そうして

          ~2/28

          過去、坂道は、点描であふれていて、それらが側溝に入ってしまわないように、丁寧に蹴りながら帰った。手袋のなかの、一人称の温さを覚えている。角の更地。以前に住んでいた友人の、たましいだけ残っている。この水溜まりの一つにも願いごとが溶けているから、できるだけ鉤括弧を小さくしながら喋る。 気管支炎の夜に、胸にぬってくれた薬。今の生活の、脈絡を棄て、前世で聞いた、濃い方言のなかで、眠りまじめた。自分も噴水の続きになろうと、魚が、午後の日光を吐き出しはじめる。湖面を、底側からみた景色を

          残骸

          俳句を、ホモ・サピエンスがつくっていいのだろうか。 。瞬間現れ出る光は、どう痛むだろうか。 繋がる例え話の一節に生まれ変わる。秒針よりも正確な手話を、この夜から拾えるか。わたしのなかの暗闇の かすかに重くなる。 の歌を隠そうとする。 砂を、手からひと続き 尖 別の惑星にも蒔きたくなる。 8月14日まとめて冒頭、か。この世界の学校には、、平均台…雨季の人 いつか通りすぎる子午線を本当の色のついた線だと想像して。 感じながら、 のみ込むという行為。私の精神を、牛の喉

          ~2/21

          虚空に、あやまりたい。給食袋の忘れ物が、光のように呼吸している教室があって、類推を求めすぎる先生の、眼鏡がまるい。話し方は、述語の数が少ないから理解が遅れた。傷つけあう言葉しか知らなかったのに、少年は同い年の、黙読の呼吸に囲まれて、名前用の小筆を使い、小刻みに女の子を呼んでいた。 魚卵から自分が、産まれることを想うと人工の、夜が訪れる。辞書に、触れる。一人称の項が、ない。本の装丁について言い争った人が、肉体労働を尊敬するようになった。自分も母の胎盤を剥がして、出血させている

          ~2/10 サイレンススズカ について

          サイレンススズカの、骨折した姿を観ていた。光に反射した身体から、すべての丁寧語が抜け落ちた。古代の季節は、浅い土のなかにも埋もれている。重力と、恋人になろうと話したあとだった。肉筆だけで、封じ込められないもどかしさ。詠嘆を、できるだけ連れていくから、遺骨は風に、混ぜてほしい。 遺骨から尊敬が、生まれ続ける。誰もが、泳ぎきっていないのに、サイレンススズカをあきらめなければならない。夕方を、化石にしてしまった。地上からも離れて、複数の星座と手を繋ぐ。駆けることで孤独を、勝ち取ろ

          ~2/10 サイレンススズカ について

          ~2/6

          炊きたてが、後ろめたい。その湯気に、米泥棒の気配が、入り込んでいるからです。時制には、昨日の鳥の、死骸のにおいが含まれていて、このカーディガンでは、他の惑星には逃げられない。幼い頃の、言い訳の温度が、まだ肌に直接、触れている。異性の喘息の発作に、しばらく見惚れていたことがある。 他人の、空耳を、あつめて より他人事の、生活をつくる 朝食に、自分の内の、他所を混ぜて 子どもに、出す 日記のような子どもは物語に、なりかける手前で つじつまの、あわないことに妥協を、おぼえ

          ~2/2

          幾人もの妹がそこに眼鏡を失くすと、風の中に非在があふれて言い訳は、夜の机の上だと嘘の辻褄があわない。図鑑でうぐいすの種類を、調べたくなる静寂に満ちた近眼の街並み。急に、通り雨が寂しくなる。出席簿が、瑞々しい朝、はす向かいの家、と説明する気恥ずかしさを、身体に取り入れたばかりです。 左利きで民主主義を話す人がいる。それだけで詩になる。どこか都市の街路樹のにおいがしていた。きっと身体に空を飼っている。そうして空耳で、空腹が満たしていた。他人の死に、薄い関心をよせて、背くらべにも