- 運営しているクリエイター
記事一覧
映画「13時間ベンガジの秘密の兵士」「アウトポスト」〜目を背けてはならないこと。今、すべきこと
我々は戦争を知らない。体験したことがない。よって戦争体験もしくは戦場体験が、いかなる影響を及ぼすか、想像するしか出来ない。当たり前だが、体験してからでは、遅い。抑止が効かずに戦争が始まってしまえば、取り返しのつかない事態に推移する。だからその、取り返しがつかなくなる前に、止めなければならない。何より開戦の危機から戻らなければならない。
では、そうならないために、どうすればよいか?それに
『アナイアレイションー全滅領域ー』 映画 2018
SFにカテゴライズされる映画や作品を評価するスケールとして、二つあると感じている。
一つは、現実の延長線上として、コトバによりプロットやドラマツルギーを解説できるボトムアップ的SF。そしてもう一つは、解釈・解説不可能な状況を映像表現で提出し、映像体験を通して想像的・想像的現実がリアルを超越しえるか、判断を仰ぐスタイルだ。
そして残念ながら前者が、圧倒的に多い。
そういうカテゴライズに従えば
レヴェナント 蘇えりし者~The Revenant 映画 2015年公開
プロットは単純で、元来この作品の礎となった著書は、余すことなく公開されている、その、劇作家フレデリック・マンフェルドの著書『ハイイログマの王』で一躍名を馳せた、罠猟師ヒュー・グラスが体験した過酷なサバイバルの旅を元にしたフィクション映画だ。
そのような、ある意味著名の作品が、何故オスカー3部門という栄誉に輝いたか。そこにこそ、この作品を見る価値が、大きく2つ、存在している。一つは、3年連続ア
ニルマル・プルジャ:不可能を可能にした登山家 映画 Netflix
ラインホルト・メスナーが8000m以上の14座の山々を登るのに費やした歳月は17年。1987年には、ポーランドの登山家イェジ・ククチカが、7年11ヵ月、その後、金昌浩が7年10ヵ月での14座無酸素登頂を果たし、7年10ヵ月が14座登頂の最短記録であった。
2019年10月。これまでの記録を大幅に更新した登山家が、彗星の如く現れた。その、ネパールの登山家、ニルマル・プルジャはなんと、これまでの
『ベケット』映画 Netflix
現代演劇の次元を飛躍的に高めた劇作家と言えば、『犀』のイヨネスコと『ゴトーを待ちながら』のベケットであろう。この二作を大根役者が演じればブラックユーモアが際立つし、アクターズスタジオ出の俳優が演じれば、あまりの不条理さに震撼するのではあるまいか。この二作が持つ衝撃と演劇というフィールドに新たな世界を開いた貢献度は、他に比類を見ない。
映画『ベケット』が始まって、その不条理さが際立ってくるにつれ